抄録
202人の大うつ病を示す外来患者を17項目のハミルトンうつ病評価尺度(HDRS)を用いて、ミルナシプランとフルボキサミンの効果を比較した。
結果、2群間で全体的なHDRSスコアの顕著な差は認めなかったが、トータルのHDRSで19ポイント以上のスコアのいわゆるうつ病重症例において、HDRSの50%以上減少した効果群(Responder)はフルボキサミンよりミルナシプランに顕著に多く有意差を認めた。特に激越(焦燥感、焦り)と不眠の項目でミルナシプランが有意に効果を認めた。
三環形抗うつ剤に見られる様な口渇、便秘、眠気、体位性低血圧はどちらも少なかった。上部消化管による上腹部痛はフルボキサミンで多く、尿意頻回、心悸亢進はミルナシプラン群のみに認めた。結果として、ミルナシプランは重症うつである激越を示すうつ病にセロトニン再取り込み阻害作用が効果を示していると思われる。
ミルナシプランは商品名トレドミン、フルボキサミンはルボックスもしくはデプロメール。
