過去の家族会報告 その3


第21回 家族会

平成14年7月12日

1)精神分裂病とは何か?

前回までの話

1.
精神分裂病では生物学的な原因で発病し、病気を患った本人や家族が原因を引き起こしたのではありません。

2.
精神分裂病を患った人は、恐怖と苦しみに苛まれています。

3.
毎日の生活を保持するための、複雑な状況判断や細かな計画をせねばならない事柄が困難になります。

4.
繰り返される失敗や異常な知覚のために自分に自信をなくしています。

5.
精神分裂病を患っている人でも勇気と強靭さを持っている人がいます。毎日の暮らしの中でハンディキャップに負けず、人生を力いっぱい生きようとしている人がいます。病気の人でも有意義な人生を保ち、社会に貢献することができます。

6.
近年開発された新しい抗精神薬や社会心理的な治療を受けることで、今まで見られなかった希望的予後が期待されるようになりました。

7.
家族の方もこれからの新しい治療法に貢献することができます。

今回は以下のテーマについて説明します。

精神分裂病の原因と経過

遺伝子について。

・精神分裂病の遺伝的危険性。
・一卵性双生児 46%、両親 48%、片親または兄弟 12%、
・おじ、おば、甥、姪、祖父母 5%、従兄弟、大叔父、大叔母 2%、家族、親族にいない 1%。

精神分裂病を引き起こすと考えられる要因

・純粋に遺伝的な要因、遺伝的ではなく生物学的な要因(子宮内での分娩時外傷、脳内ウイルス感染等)、遺伝的脆弱性プラス生物学的なストレスプラス心理社会的なストレス。
・精神分裂病の発症 15歳から30歳、最初の2、3年進行性、症状をくい止める事。

精神分裂病の自然経過
・精神分裂病はどの国でも同じである
 民族問わず1%、15歳から30歳発症、中核症状同じ、経過が同じ、一生通して療養が必要

精神分裂病患者をもつ家族の特徴
・精神分裂病は晩年期には改善する

精神分裂病の予後良好な要因 
 女性、発症年齢が遅い、症状が突発的、再発が少ない、陰性症状が少ない

良好な予後と治療要因
・発症直後に適切な治療を受けること、抗精神薬の良好な反応、新薬治療、心理社会的リハビリテーション

良好な予後と個人の要因 
・問題解決と対処の技能、社交技能と人間関係、自信、勇気

良好な予後と家族の要因
・理解、協力、手助け、回復の機会を作る

良好な予後と社会的な要因
・尊厳、地域社会の行事に参加させる、社会貢献

2)就労について


第22回 家族会

平成14年8月9日

精神分裂病の治療と回復 その1

 前回の話で精神分裂病の原因は遺伝的・生物学的なものであると説明しました。ですから、子育てが悪かったとか、病気になった人が何か間違ったことをしたことが原因ではないということ。一度発病すると、ストレス、お酒類、違法薬物、家族の生活環境などに非常に反応しやすくなり、それらが回復や再発に影響します。再発はその度にその人の回復に悪影響を及ぼすので、その予防は大切なこと。
 精神分裂病は、その自然な経過として、症状はだんだん軽快し、大部分の人では中高年になると顕著な症状がほとんどなくなります。精神分裂病を患っている人にとって生きがいのある生活を希望するのは現実的なこと。

1) 精神分裂病の診断
2) 正確な診断を得る方法
3) 精神分裂病の症状群
4) 精神分裂病の治療(1年後の再発率の比較)
5) 薬物療法の脳への影響を画像で確認
6) 薬物療法を行っている場合の再発について
7) 違法薬物、酒の脳に与える影響
8) 精神分裂病と個人精神療法
9) 力動的家族療法は再発予防に効果がない
10) 個人的介入
11) リハビリテーション・プログラム
12) 生活技能訓練(SST)の効果
13) 家族が病気の経過に及ぼす影響


第23回家族会報告


平成14年9月13日実施

T.勉強会「SST」

 SSTについての勉強会を行いました。前半は講義形式でSSTの概要、SSTの実際、現状、効果、またクリニックでのSSTの様子や今後についての話を行い、デモンストレーションとして実際にデイケアプログラムで行われているSSTをスタッフが再現し、SSTとはどんなものかを見ていただきました。後半は参加型形式で、家族の皆さんにもロールプレイに触れていただきました。SSTの前に行うウォーミングアップに参加して、実際に体を動かしながらコミュニケーションを図りました。家族の皆さんも初めは躊躇されていましたが、楽しくSSTを体感していただきました。

1.SSTとは
 ・Social Skills Training = 生活技能訓練
 ・Skillについて。
 ・SSTが扱うSkillとは。
 ・ストレス−脆弱性(病気のなりやすさ)モデル理論について。
 ・SSTが関与する部分とは。
 ・どんな場面でSSTが行われているか。
 ・SSTの効果。 
 ・SSTの広がり。様々な場所で行われていること。

*SSTについての情報は、ホームページ上の「今月のプログラム」の「SST」にて紹介があります。

2.デモンストレーション「デイケアプログラム−ある日のSST−」

3.福智クリニックのSST
 ・現状について。プログラムの構成、参加メンバーの様子、効果、問題点など。
 ・今後について。目標を定めて系統的に実施すること。アンケートの実施について。 

4.ロールプレイ(家族の方々の参加)
   ウォーミングアップ 「誕生日調査」
             「グループ作り&自己紹介」

5.最後に
   まとめ。質疑応答。
  

U.分科会 「家族が健康になるための工夫」

 4つのグループに分かれて意見交換しました。「家族の・・」という議題でしたが、どうしてもお子さんの話題になってしまう傾向がありました。しかし、家族会の場で話を聞いてもらえるということが、ストレスの発散にもなり支えられる=健康になれる、という意見には拍手が送られていました。


第24回家族会

平成14年10月11日

 前半は世話人さんによる全家連全国大会の内容報告を行いました。大会は「家族のパワーが未来を拓く」というテーマのもとに10月10〜11日に行われました。
分科会「余暇と社会生活を豊かに」では当事者による報告がなされ、セルフヘルプグループを立ち上げた際の苦労話とそこで得たものの大きさ、当事者の声に耳を傾け他者の考えを押し付けられないことがいかに当事者を支えるか、などが話されました。
 分科会「働く」でも、当事者が自らの体験をかたっておられたようです。「作業所に通うことも社会復帰じゃない?」「通える場があること、趣味があること、人間関係がうまくいっていることに支えられた」「仕事を辞めたいと言った時、社長にだめだ、と言われたことで仕事を続けることができ、よかった」と話されていたそうです。
講演「家族が体験する精神疾患」では当事者とその妻が半生を語りながら、精神障害者のサポートについて語っておられたそうです。世話人の方が映画「ビューティフルマインド」と重ねあわせながら、聞き手が追体験できるように報告されました。
 後半のフリートークは、今回はテーマを決めずに自由に行いました。


第25回 家族会

平成14年11月8日

1)統合失調症(精神分裂病)の薬物治療

1:抗精神病薬が軽減する症状
  幻覚、妄想、奇異な行動、焦燥と徘徊、敵意と攻撃性、思考障害、不眠

2:ドーパミン仮説

3:抗精神病薬による作業遂行能力の変化
  
4:抗精神病薬の好ましい作用
  恐怖をもたらす症状を軽減、知覚を正常化、エネルギーの回復、正常な思考や問題解決
 
5:副作用
 
6:副作用への対処方法
 ・許容できる範囲であれば時間とともに軽減するのを待つのが最善策
 ・眠前薬のみにする、他剤への切り替え、減薬、副作用止めの薬 
 
7:遅発性ジスキネジアの発現率と対応方法
  25%
 
8:精神分裂病の症状群への作用
   機能の減退(仕事、人間関係、生活機能)
 
9:認知機能への効果

10:各症状に対するリスペリドンの効果

11:新規抗精神病薬の特徴
 ・陰性症状に効果がある
 ・認知機能障害を軽減
 ・錐体外路症状の副作用が少ない
 ・副作用止めの使用が少なくてすむ

12:新規抗精神薬の紹介
 オランザピン(ジプレキサ)、クエチアピン(セロクエル)、ペロスピロン(ルーラン)、リスペリドン(リスパダール)。
 

13:抗精神病薬の維持量と再発率
   薬ごとに治療の適応範囲がある、少ないと再発率上がり、多いと副作用多くなる
  
14:低用量維持療法による治療戦略
 ・標準の20%量での治療。
 ・自覚症状があり、症状が出始めれば迅速に主治医に連絡し量を増やすように頼める人は、再発率は少し増えるが、副作用少なくて普通の生活ができる。
 
 15:投薬量の選択
  ・試行錯誤で決めるしかない。
 
 16:まとめ
   1)再発を減らす。
   2)脳機能障害を減らす。
   3)改良された抗精神病薬が使用可能となった。
   4)個人で薬物への反応はことなる。
   5)回復への第一歩。

2)障害年金について

3)緊急時の対応について


第26回 家族会

平成14年12月13日
                            T. Fukuchi

統合失調症の心理社会的リハビリテーション

1)孤立と恐怖
 「統合失調症を患っている人にとって、皆の毎日の生活に参加することは非常な恐怖と苦痛を伴います。家の玄関から出よう、散歩しよう、誰かに話しかけようとする時、何ともいえない恐怖感に襲われます。この恐怖は、外の世界には自分は属しておらず、どこか外国にでも行ったような感じで違和感を感じるからです。統合失調症は単なる病気でなく、ライフスタイルで常に色々なストレス症状にかき回されている人生です」。
⇒ サイコ・ソーシャル・リハビリテーションは怖がらないように辛抱強くこの人の信用と希望が芽生えるように努力し、回復への一歩を踏み出せるように援助します。そしてその人がもともと持っている長所と内なる資源を発見し、それを強化できるように努力します。

2)発病後の状態は次の要因に影響される
 1:病気の重さ 2:薬物療法の効果 3:本人の勇気 4:家族の反応 
 5:地域の反応 6:治療システムの反応

3)回復過程、再発過程

4)治療戦略
  1;薬で症状コントロール 2;人間関係を作る 3;症状を管理する技能を教える 4;失われた生活能力を補う技能を教える 4;個人に固有な能力を最大に引き出す

5)統合失調症の治療
  良好な経過、不良な経過
 1985年に米国退役軍人の統合失調症の患者を対象としたデイケアでの結果。効果の少ないデイケアの特徴は、デイケアに関連している治療者が圧倒的に洞察を基礎とした個人療法や集団療法をしていた。これらのデイケアでは3ヶ月くらいの短期の治療で職場に戻ったり、独立した生活に帰るという期待感が高く、これらの期待に反したものは対処させられていたことが分かった。良好な結果のデイケアの特徴は、やってくるクライエントを暖かく迎える環境で、お互いを比較したりせず、職員が専門の職員でなく準専門職で、その人たちが毎日実際に使える具体的な生活の知恵や技能や簡単な人との付き合いのコツなどを教えていた。


第27回 家族会

平成15年1月10日

統合失調症の心理社会的リハビリテーション


6)心理社会的リハビリテーション 

1.個人の長所を強化しながらゴールに向かって努力する。ここで言うゴールとは病気を治すということに固執しないが、症状などの障害物になっているものを取り除くこともリハビリで扱うプログラムの一つ。
仲間同士の助け合いを促進する。
実際に社会に出て練習する。

2.現実的な希望を持てるリハビリは、現在の機能に焦点を置くことです。過去に保持していた機能を思い出し悲しむのは適切でない。「仕事に就けるか?」と問われたら「あなたがそれをゴールとしたいのなら一歩一歩それに向かって進めるようにプログラムを組みましょう」と対応する。
統合失調症は時に気分が良くなったり、悪くなったりとの繰り返しがあります。再発もあります、一生を通じてサポートしていくことが大切。

(7)雇用の可能性

通常の雇用、趣味的仕事、援助付きの雇用、ボランティア

(8)SSTの技能

(9)SSTは再発率を下げる 

一年間の再発率(SST:21%、SSTを用いない治療:46%)
生活技能が増えると、より友達が増え、人間関係の質も向上します。生活能力が向上することにより、症状の減退と安定があり、再発率が下がります。

(10)トレーニングの注意点(目の見えない人への表示)
  1;言語による習得
  2;行為による習得
  3;長期にわたる習得過程(十分な時間と繰り返し)

(11)間違いのない習得法

(12)強化について

褒める(褒めることと批判を混ぜると、統合失調症の人は批判だけを受け取る傾向)

(13)ケアマネージャーの役割

(14)治療のモニター

(15)質の高いケア

(16)リハビリテーションプログラムのまとめ

点字訓練のようなもの、習得できる機会をたくさん提供している、勇気づけてくれる指導者がいる、家族を支援し家族から支持されている。


第28回 家族会

平成15年2月14日

1.『ゆたか福祉会 設楽福祉村「キラリンとーぷ」見学の報告会』

 前半部は家族会の世話人さんによる施設見学の報告会を行いました。約40分でゆたか福祉会のビデオを上映し、その後より詳しく説明をしていただきました。
 施設の設立の背景、施設の課題、施設と家族のかかわり、と分かりやすくまとめていただき、家族の皆さん、当院職員一同今後の精神障害者福祉の展開について考える一助となりました。

2.「デイケアメンバー退所者で現在社会で活躍している人の座談会」

 後半部は当院デイケアを利用し、現在は社会で活躍されている方をお招きし、話をしていただきました。
 事前にテーマを決めることはせず、家族の方に知ってほしいと思うことを自由に話していただくようにお願いしていました。
発病した当時に無理やり病院に連れて行かれて両親を恨んでいたこと、仕事も続かずに転々としていたこと、病状のよくなかったときには家族に仕事などのことを言われても「ナンダコノヤロウ!」と思うばかりだったこと等、当時のことを率直に語ってくださいました。また、以前は本で病気のことをいろいろと調べたり、自分は統合失調症だということを自慢したりしていたが、今は言わなければ普通と変わらないと冷静に見ることができるようになったことも話してくださりました。現在職場では自分の病気のことについては話していないということですがそんなに構えることはない、と今の自然な生活ぶりも語ってくださいました。この病気は若いときの病気だと振り返り、今後はお金を貯めて結婚をしたいという夢を語ってくださる姿は印象的でした。
 家族との関係については、コミュニケーションを取れるようになったきっかけを話してくださいました。はじめは恨む気持ちがあったが、仕事をするようにうるさく言われなくなって、気分転換に外出に誘ってもらえるようになって関係がよくなったということでした。また、自分がつまづいた時にもらったアドバイスを「やっぱり尊敬できる人だ」と思えたことでうまく話せるようになったということも話されました。家族には何か言われても反発してしまうのでそっと見守っていてほしいと思われているそうです。
 その後の家族の方の質問にも快く答えてくださり、普段本人にはなかなか聞くことができない本音を知ることができました。出席したご家族の方は、病気をもったご本人の気持ちを聞くことができて感動した、うちの子どもと一緒だと涙を流される場面もありました。


第29回 家族会

平成15年3月14日
T. Fukuchi


統合失調症における家族の役割 その1

1)統合失調症は身体(脳)の機能的な異常が原因であり、民族にかかわらず、家族の貧富にかかわらず人口の1%がこの病気になる。この病気を患っている人には認知障害があり、ストレスに対して異常に敏感に影響されるため、生活上の知恵が必要になります。適切な家族環境、不適切な家族環境があります。どのような家族環境がよいのか?ここで誤解してはならないのは、不適切な家族環境が発病の原因ではないということ。

2)良い家族環境とは
 (1)毎日の生活が決まっており、あまり変化がない
 (2)一人一人の家族の役割が明確なこと
 (3)刺激が少ないこと
 (4)ゆったりしており、急に何かが起きることがない
 (5)家族同士がお互いに我慢強く、お互いの気持ちを強く刺激することが少ない
 (6)現実的なゴールに向かって一歩一歩努力している
 
 これらの治療に適した家族環境がわかるまでには長い年月を費やした。過去には、精神医学の専門家達が、地域医療や診療所で職員をなるべく増やし、精神療法を増やし、色々な活動を増やし回復の期待感を上げれば、治療は促進すると考えていた。確かにこういったやり方は、統合失調症ではない人には効果があったが、統合失調症の人はかえって症状が悪くなりました。早く治るように期待されることは実際には刺激が強すぎて、弱体化している能力をかえって圧倒してしまっていたのです。
 一方、あまり刺激がないと、閉じこもり萎えてしまいます。普通の家族環境より少し低めの刺激が治療的であるということです。

3)家族は病気の再発率に影響を与える。
 実は、普通の家庭で十分に刺激があり、皆が冗談を言ってふざけあっている健康な家庭生活は、患者さんには不向き。

4)家族環境は多くの要因に左右される
 悪循環を断ち切るためには
 (1)家族が患者さん特有の要求を理解し
 (2)効果ある治療法が得られ
 (3)精神保健の専門家や社会一般が統合失調症を患っている人やその家族を援助すること

5)家族は患者さんのニーズにあった生活技能を身につける

6)治療に役立つ家族
 励ますこと、受け入れること、普通の生活をすること。
 これは心理社会的リハビリテーションでの学習条件―低い刺激、細分化、現実的な見通し、頻繁に褒めることーと似ている。

7)家族の問題を解決
 8歳の子が家出するのと、35歳の統合失調症の娘が家出しようとするのでは家族の戸惑いが違う。つまり家族は誰にも教えてもらわなかったことに対応しなければならない。しかし今回新たに対処法を学習する時の危険は、家族が過去の対応に後悔することです。いつの場合でも、その時点で正しいと思ったことを一生懸命するしかないということを認識していただきたい。今まで患者さんのために一番良いと思ったことを愛をもって一生懸命やってきたと自分を認め自分をねぎらって下さい。そしてこれからは今までより良い方法で対処できると信じてください。

8)統合失調症を患っている人をそのままありのままに受け入れる態度を示すために、個人の価値観や考えが当然ある一人の大人として対応する。他者とのいざこざがあってもあまりかばったりせず、本人に任せるように。恥ずかしがって他人に会わせないようにするのではなく、普通に社交の場にも出られる機会を与える。兄弟や友達などの業績と本人を比較しないこと。過去になった発病前の人生のゴールや夢を本人の前で話さないこと。結婚や就労を希望するのなら勇気づけること。

9)病気を憎んで人を憎まず
 どの行動が症状か、自分の行動をコントロールすることができないこともあるが、できることもしばしばある。自分でコントロールができることは自分で責任を持たせる。何が症状か、コントロールできるものかは、本を読んだり、家族会に出たりして勉強したり、本人や主治医に聞いてみる事が大切。


第30回家族会資料


新障害者プランについて

1.障害者プランとは
「障害者対策に関する新長期計画(平成5年度から10年間)」における「重点施策実施計画」
 ・平成8年に策定。新長期計画に最終年次を合わせたため、14年度までの7カ年計画
 ・数値目標を設定するなど具体的な施策目標を明記
 ・関係省庁の施策を横断的に盛り込む

2.新障害者プランとは
「新障害者基本計画」における「重点施策実施5か年計画」
 ・平成15年度から平成19年度(新障害者基本計画の前半5年間)
 ・厚生労働省関係部分のポイント
  @地域生活を支援するための在宅サービスを充実
  A住まいや活動の場を確保
  B精神障害者の保健医療福祉施策を総合的に実施
  C障害者の雇用・就業の確保に向けた取り組み
  D施設は在宅生活を支える地域の資源として活用

「新障害者基本計画」
 精神障害に特に関すること

生活支援
1、身近な相談支援体制の構築
(障害種別にこだわらない総合的な運営、相談員の養成研修、24時間の電話相談の普及)
2、権利擁護の推進
3、在宅サービスの充実(精神障害者及び家族のニーズに応じた多様な相談体制の構築)
4、サービスの質の向上(第三者評価機関などによる評価の実施など)
5、専門職種の養成・確保

教育・育成
精神疾患の早期発見のための相談支援体制の確立、正しい知識の普及

雇用・就業
1.障害者雇用率制度(制度の対象とするための検討、関係者の理解、精神障害者の把握・確認方法の確立、雇用の実態把握等)
2.採用後の発病者の円滑な職場復帰、雇用安定のための施策充実等
3.多様な雇用・就業形態の促進

保健・医療
1.各機関の連携促進
2.正しい知識の普及
3.早期発見・治療(精神科救急システムの確立などの精神医療提供体制の確立、人権確保のための精神医療審査会の機能の充実・適正化、精神病床の機能分化、情報提供等)

3.数値目標設定事業の比較(精神障害に限る)

  障害者プラン      

  新障害者プラン
グループホーム 約5,060人分 103%   約12,000人分
福祉ホーム 約3,000人分 95%   約4,000人分
通所授産施設 約6,000人分 66%   約7,200人分
入所授産施設 約3,000人分   ×    
福祉工場 約1,770人分 27% ×    
生活訓練施設(援護寮) 約6,000人分 91%   約6,700人分
社会適応訓練事業 約5,000人分     一般財源化を図る  
デイケア施設 約1,000ヶ所   ×    
地域生活支援センター 約650ヶ所 61%

  約470ヶ所
ショートステイ 約150人分 145%    
       

ホームヘルパー 約4,000人分

 ○→旧プランで数値目標があり新プランでも数値目標を設けるもの
 ×→旧プランで数値目標があり新プランでは数値目標を設けないもの
 新→新プランにおいて新たに数値目標を設けるもの

4.数値目標以外の精神障害に関する詳細
 条件が整えば退院可能とされる約72,000人の入院患者について、10年のうちに退院・社会復帰を目指す。
  ・精神科救急医療システムの全国整備
  ・うつ病、心的外傷体験へのケア、睡眠障害の対策について関係者向けマニュアルを作成・普及
  ・「思春期精神保健ケースマネジメントモデル事業」事例集を作成・普及
  ・若年層の「社会的ひきこもり」をめぐる地域精神保健活動ガイドラインの作成・普及
  ・心的外傷体験へのケア、思春期の心の健康対策に従事する専門家の養成

5.障害者プラン、新障害者プランを比較して
 障害者プランでは施設自体の数が少なく、まずは施設をつくり入院患者を減らす=医療費の削減が目指されていた。が、実際には社会的入院と言われる長期入院者は減っておらず医療費が減ったとはいえない状況がある(入院患者は減っていないのにデイケア通所者増加)。新障害者プランでは医療費の削減につながる方向(デイケアは増やさない)、入所施設は増やさない方向に絞られていっているのではないか。