第51回 家族会  2005年1月14日  参加者31人    福智 寿彦

アメリカ、カリフォルニア州における精神障害者社会復帰システム

 
第1回 組織と哲学
 Mental Health Association (MHA) 精神保健協会は、全ての精神障害者が地域社会において全てを保障され、正当な場所として生活できるために設立された。MHAは精神障害者の質の高いケアを主張し、個々の回復、独立した一人暮らしの達成、精神障害についての社会認識を深め、ケア・手段の向上のためのサービスモデルを実証する。このMHAがビレッジを運営。


ビレッジ
カリフォルニアにおける精神障害者の生活を満たすために治療、回復、家族・地域サポート、自助活動と調和の取れたサービスを提供。
資金:MHAは私的・公的基金源にもとづく。
1)組織図:
2)プログラムの構成:
3)ビレッジの方針:
4)基本理念:
5)ビレッジモデルを推進する重要な人間性の理解:
6)1980年代のカリフォルニア州における精神保健サービス:
  メンバーは分裂感情障害か統合失調症。(薬物依存症の2重障害も多い)
  障害年金という概念がない。生活保護費は月700ドル。
  メンバーの60%は自分のアパート。20%はグループホーム。10%は薬物かアルコール依存症更生入所施設。
  グループホーム一人部屋、月1005ドル。2人部屋月750ドル。
7)精神医療ケア
  服薬は個人の自由。必須の条件ではない。病気を中心に考えるのではなく、その人の生活を中心に考える、コペルニクス的な発想の転換。
  仕事で病状が悪くなることはない。症状悪化したときにドクターストップかけることはない、医師に職を奪う権利はない、本人の判断、本人の責任。本人の希望が叶うように薬を調節したりサポートする人をつけたりする。

福智クリニックのグループホーム"澄心荘"入所希望者募集について

★次回、平成17年2月18日(第3週金曜日) 

組織と哲学の続き(就労 雇用、住居に関する援助、教育に関する援助、金銭管理に関する援助、家族の関与)


第52回 家族会 2005年2月18日 参加者 24人  福智 寿彦

アメリカ、カリフォルニア州における精神障害者社会復帰システム 
第2回 組織と哲学 その2

 
5)ビレッジモデルを推進する重要な人間性の理解:プリント1
6)1980年代のカリフォルニア州における精神保健サービス:プリント2
            ↓
   現在は?
   州によって制度が異なる。カリフォルニア州は豊か。
   メンバーは分裂感情障害か統合失調症。(薬物依存症の2重障害も多い)
   障害年金という概念がない。生活保護費(年金)平均月700ドル。
   メンバーの60%は自分のアパート。20%はグループホーム。10%は薬物かアルコール依存症更生入所施設。
   グループホーム一人部屋、月1005ドル。2人部屋月750ドル。
   
ビレッジはどのように始まったか?(Martha Long女史)
80年代からの教訓。経済不景気により基金が減る、金がない。メンバーもホームレスに又は留置所へ。家族が面倒をみられなくなった、頻回に病院入退院に ⇒ 患者と家族がNAMIという組織をつくり政治家にも働きかけた。副知事が委員会を設置、小規模な施設を1990年設置。120人のメンバーから始めた。スタッフ3人(Martha, David, Richard)。ロスにあるクリニック120名と比較して研究。州の費用を下げるために役立つことを証明。1996年効果が認められた。1999年から在宅や入院中の人以外にホームレスや留置所へのサービス開始。
在宅やホームレスだったメンバーが就労することによる経済効果を結果として出し、州政府が治療やホームレス対策として使ってきた費用を、就労プログラムや生活支援に使うようにした。
   
7)精神医療ケア:プリント3
  服薬は個人の自由。必須の条件ではない。病気を中心に考えるのではなく、その人の生活を中心に考える、コペルニクス的な発想の転換。
  仕事で病状が悪くなることはない。症状悪化したときにドクターストップかけることはない、医師に職を奪う権利はない、本人の判断、本人の責任。本人の希望が叶うように薬を調節したりサポートする人をつけたりする。

  
8)ビレッジでのプログラム
  画一的なプログラムでなく、各個人個人でプログラムが異なる。プログラムはPSCとともに作成・実施。ディレクターがチェックし指導する。例えば、アパートを探す、大学へ一緒に行く、料理をアパートでする等PSCが指導。メンバーの中からPSCを選ぶ。精神障害者がスタッフになっていることで希望がもてるようになる。

9)資金について
 ビレッジを運営している精神保健協会は、私的・公的な資金源に基づく。ユナイテッドウェイ協会、数々の財団、団体よりの寄付、政府の補助金、基本財産で運営。精神保健協会はロサンゼルス郡精神保健局、ロングビーチ市、カリフォルニア精神保健リハビリテーション局、米国都市開発、緊急衣食住プログラムと契約を結びサービスを提供している。
  今年度予算には私的寄付により8億円得た。富裕層に訴えての個人的な寄付との由。

10)メンバー4名が講義に登場し自己紹介
 30歳代黒人女性 
分裂感情障害 ビレッジになかなか溶け込めなかった 住居プログラム2回失敗 現在は一人暮らし 清掃の仕事続かなかった 現在ビレッジの事務職員(金銭管理の仕事) 始めはビレッジに来れずアウトリーチプログラムで投薬受け仕事ができるようになった 今は11ヶ月服薬せずに過ごせている 今はビレッジを卒業したくないPSCになりたくないこのままビレッジで働きたい 年金(日本の生保と障害年金を合わせた)600ドルとビレッジからの給料320ドルで生活
 50歳代黒人男性
  以前刑務所にいた 薬物依存 そこへ手紙が来てビレッジにこれば仕事があると家族以外の人が援助してくれることを知った アパートの清掃と管理人の仕事、教会の仕事をしている 3年間ドラッグからはなれている PSCが人間として扱ってくれた 年金602ドル 管理人の仕事でホテルの家賃を減らせた週200ドルもらえる ビレッジ卒業したくない 安定していないときの援助もほしいから 将来アパート経営したい不動産も持ちたい 
 20歳代白人男性
  5年間ビレッジに参加 路上生活で自殺未遂 薬物依存 双極性障害 分裂病製人格障害 社会不安障害 ビレッジの職員が路上に迎えに来てくれた 2年間ドラッグから離れている 仕事も住居も得たがその後2年間働かず住居もなくした うまくいったりまずくなったりを繰り返している 今は美しいガールフレンドと付き合っている 年金827ドル ホテル代427ドルかかる 救世軍のクリスマスのベル鳴らしの仕事 ビレッジ卒業したくない 以前卒業したいと思ったときに調子悪くなったから 将来は詩人になって本を出したい
 40歳代白人女性
  統合失調症 14歳より路上生活 ビレッジでコンピューターでの事務の仕方を教えてくれた ホテルで生活 学校へ行きたい 年金なし州政府の援助金200ドル ビレッジで週5日1日2時間働く食事もらえる時給6ドル25k モーテル代450ドルの半分はビレッジが支払ってくれる ビレッジ卒業したくないしかし2ヵ月後に卒業予定 

スタッフWayneソーシャルワーカーの話
 全てのメンバーがうまくいっているわけではない、不満の人もいる。メンバーの30%が外で実際に働いている。 ビレッジ通所の期間を決めている。長期間サポートが必要な人にもゴールを決めて事を進める。
 ビレッジに入居施設はない 60%は自分のアパートで単身生活 20%はグループホーム 10%は薬物更正施設 その他は家族と生活
 治療を受けているか否かは問題ない 自分から治療を受けるという選択をすることが大切 スタッフは施設内にいること少なくメンバーの家へ行ったり職場へ出かける メンバーが施設に来てメンバー同士もしくはPSCと話をしたり食事をしたり必要なことを確認に来る QOLの改善が大切で症状の軽減が目的ではない 就労部門がデイケアプログラムのもっとも大切なもの ビレッジから卒業してもらう ハイリスクに対してのみハイサポートする 症状が悪い人にハイサポートするのではなく自分からハイリスクを背負う人にハイサポートを提供 卒業するためのメインストリームというプログラムがある。 期間は人によって違う。
 入所資格:重度の精神障害者でホームレス 留置所の人でも暴力が強い人は入れない(過去14年間に2人は入れなかった)。閉じこもって出てこないメンバーにスタッフが毎日出向きシーツをはがして起こしビレッジにつれてくる。うまくいかないことも多い。しかし、どんな時も望みを捨てないようにスタッフが働くこと。

福智クリニックのグループホーム"澄心荘"入所希望者募集について

★次回、平成17年3月11日(金曜日) ビレッジについて(就労 雇用、住居に関する援助、教育に関する援助、金銭管理に関する援助、家族の関与)


第53回 家族会  2005年3月11日       参加者  人    福智 寿彦

アメリカ、カリフォルニア州における精神障害者社会復帰システム 
第3回 

 

就労 雇用
 働いて給与を得るということは、個人にとっては自信を植え付け、社会的には個人の価値の大きな目標である。ビレッジの内外の就労を問わず、メンバーの長所を中心に技能を習得するように働きかけている。
 *ビレッジの雇用・就労プログラムでは出来るだけ地域社会での就労の機会を選び、雇用され、長期間にわたって就労できるようにアシストする。
 *ビレッジで行っている地域社会での就労経験となるような3つのビジネス。
   1)カフェ;レストラン、一般社会への出前も行う
   2)清掃サービス;地域社会やビジネスと契約
   3)施設内ミニマーケット;おやつ、雑貨
 *その他ビレッジ内で受付、事務所のデータをインプットする仕事、ビレッジ銀行の出納係と金銭管理のコーチ、プログラムのアシスタント
 *ビレッジで雇用された場合、仕事上のスーパーバイザーとメンバーの関係は精神保健のスペシャリストと障害者の関係ではなく、あくまで雇用主と従業員の関係。
 *仕事上のスーパーバイザーはメンバーがその仕事を成功するために綿密な説明とトレーニングを行う。
効果
 *メンバーが市民として就労するに必要な態度やきまりを身につけることができる。
 *チームのサポートによって、メンバーはより働く意欲を持ち、長時間同じ仕事に定着できるようになる。
 *一生自分で働くことなどできないと思っていた人が、給料を家に持って帰るという喜びを経験できる。
 *自分を"万年障害者"の立場から一転して、自分自身に誇りを持って生産的な人として見られるようになる。

住居に関する援助
 ビレッジはメンバーが望む住居を探す手伝いをする。
  *パーソナルサービスコーディネーターは該当するメンバーが地元の住宅局から住宅補助を受けられるように働きかける。
  *入居に関して保証金や引越しの資金としてビレッジの資金援助サービスからのローンを受けられる。
 *PSCはメンバーと1対1で、独立して生活するのに必要な生活技術、例えば家計の予算の立て方、買い物、料理、掃除、家主との関係などのトレーニングを行う。
 *社交的なイベント、トランプパーティなどによって孤独感や孤立感を和らげることができる。
 *ビレッジの職員は緊急時に備えて24時間対応できる体制にある。
 
教育に関する援助
 学校に戻って、能力、才能を養うことをサポートする。
 *メンバーの教育面でのゴールは独立して生活し、働き、学び、地域社会で人と交わって生きていくためのサービスプランの一部。
 *PSCはメンバーの入学、奨学金申込書の記入、時間割の調整、教科書や学用品の購入などの手伝いをする。
 *PSCはメンバーが学校の環境に慣れ、学校の職員と上手に意思の疎通をはかれるようにサポート。
その効果
 *教育面での援助の恩恵を受けることによりメンバーは職を得たり、自己形成する事を知り、より豊かな社会生活を送ることができる。
 
金銭管理に関する援助
 *コーチのもと、毎月の予算を立てたり、家賃や光熱費をきちんと払ったり、近くの銀行に講座を開いたり、当座預金の帳尻を合わせる方法を習得するプログラム。
  参加は自由だが、時には治療上必要な場合や裁判所の命令によって参加を余儀なくされる場合がある。経験をつんだメンバーが金銭管理のコーチとして雇われる。
 *ビレッジ銀行に口座を開き、入金出金、ビレッジの給料の小切手を換金したり、ローンの支払いをする。出納係やデータ記録はメンバーが行う。
 *メンバーの誰でも緊急に必要を生じた時に貸付を申し込める。メンバーと職員によって構成されるローンコミティーの承認を得て借りることができる。承認の前提としてメンバーの過去の信用状況は考慮されない。全てのローンは無利息。限度は500ドル。メンバーは返済の詳細をビレッジ銀行のマネージャーと相談して決める。
その効果
 *金銭管理の責任
 *市中の銀行業と同じサービスを提供するビレッジ銀行は地元の一般銀行を利用するための足がかりとなる。
 *信用状況のはっきりしないメンバーでもローンは受けられる。
 *ビレッジ銀行で雇われるメンバーは全ての出納、残高計算、記帳などの業務の責任を持たされる結果、その経験が一般の銀行でも通用するようになる。

家族の関与
 各メンバーにとって家族は重要な役割を持っているばかりでなく、家族はカリフォルニアで始まった新しい精神保健ケア・サービスにとっても重要な役割を持っている。
 *家族はメンバーの受けるサービスプラン作成時に協力するように奨励されている。
 *家族が緊急にメンバーの様子を知りたいような場合には24時間ホットラインに電話して情報を得る。
 *1年に1度開かれる「家族の夕べ」で家族は教育的なセミナーを受けたり、家族同士のネットワークを作ることができる。
 *家族に支援団体を紹介したりする。
 *カリフォルニアの精神保健局はビレッジの設立目的が正しく施行されているか評価する方法のひとつとして、定期的に家族を面接し意見を聞く。
 *家族の代表はビレッジの顧問委員や精神保健協会の理事を務める。
その効果
 *ビレッジは家族の重荷を軽減して、平常な親子関係が保てるようにする。
 *家族の意見や見解は大変重要
ソーシャル リクレーション
プログラムを行う
 1)月間活動予定カレンダーをつくる(ほとんどの活動は地域社会で行われている)
 2)予定カレンダーに載っていない活動への奨励 教会、クラブ、突発的な集まり
 3)自分の家でもてなす支援
 4)24時間の電話ホットライン
 5)通常の勤務時間をはずしてプログラムを組む
 6)アウトリーチ:PSCと共同で一人ぼっちのメンバーをどのように誘い出すか
  (1)PSCがそのメンバーの名前をアウトリーチ板に張り出す。
  (2)誰が誘い出すか
  (3)チームミーティングで詳細検討し、進行状況を報告する。
 7)公共交通機関が使えない場合はメンバーがビレッジの車を運転する。
 8)メンバーは次の事項に関してコーチを受ける
  イベント計画、実施、費用は?切符は?何時から?どんな服装が良いか?準備するものは?どのようにして皆に知らせるか?(チラシ、招待状、ポスター)
基本理念
 一人ぼっちの寂しさは精神障害を悪化させる
 普通の人と同じように、普通のときに地域社会での活動に参加するためには、「障害のない部分の自分」を見つける。
ビレッジのスタッフは、コミュニティーでの「皆と一緒」の活動に責任がある。
スタッフは、1)興味の対象を話し合い2)地域で何があるか調べ3)メンバーの意向を尊重し4)メンバーが参加するために必要なことをコーチする。
ゴールは、スタッフなしでコミュニティーの活動に自主的に参加させること。

次回 平成17年4月8日 PM6:00 から
 「精神障害者就労支援について」 メンバーさんからの発表


第54回 家族会

平成17年4月8日
川瀬 善雄

職リハ実践セミナー参加報告

 T.医療と労働の環境の相違


 医療と労働とは、違う目的で組織運営されているので、それぞれ特有の環境がある。
(別紙参照)


 U.障害者雇用の現実


 精神障害者数 258万人(平成14年厚生省患者調査)
 フルタイム雇用精神障害者数 5万1千人(平成10年度) (5人以上の常用労働者を雇用している民間の事業所)


※ 年度は違うが単純に精神障害者の1.97%がフルタイムで働いている。


精神障害者の雇用が進まない理由
@ 精神障害者に対する社会的偏見。
A 精神障害者をいかに働かせていくかというノウハウが事業所にないから、事業所が雇用をためらう。
                 (雇用促進に関する条件整備の調査回答より)
 

@Aに対する対応
@ 精神保健行政の広報:「心の病」は心の風邪。誰でもなる可能性のある病気。
A 障害者雇用の援護制度の活用。


 V.障害者雇用の援護制度


@ 地域就業支援ネットワークの構築(事業主、福祉施設、ハローワーク等)
A 障害者の雇用の促進等に関する法律による援護
@.事業主に障害者雇用の義務を課す。
  精神障害者を雇用率算定の対象化とする法案が国会で審議中。法案が成立すれば平成18年4月から施行。
A.障害者雇用に伴う経済的負担の補填。
  施設・通勤・人的配置等につき助成金を配分。
B 雇い入れ促進に関する援護制度
@.特定求職者雇用開発助成金(雇用保険)
A.職場適応訓練(雇用保険)
B.公共職業訓練 窓口:ハローワーク
C.ジョブコーチ(職場適応援助者) 窓口:障害者職業センター
D.トライアル雇用(障害者試行雇用) 窓口:ハローワーク

 W.職業リハビリテーション概況


リハビリテーション:第一次大戦の戦傷者の医療福祉に取り組んだ人々の統合的対応
   リハビリテーションの4領域
    @.職業リハビリテーション
    A.医学リハビリテーション
    B.教育リハビリテーション
    C.社会リハビリテーション


   わが国の職業リハビリテーション
    定義:職業生活における自立
    原則:@.障害者各人の障害の種類及び程度並びに希望・適性・職業経験等の条件に応じ総合的かつ効果的に実施されなければならない。
       A.医学的リハビリテーション及び社会的リハビリテーションの措置との連携の下に実施。


   職業リハビリテーションの流れ
@ 職業相談(ガイダンス、カウンセリング)
A 職業評価
B 職業指導
C 職業準備訓練と職業訓練
D 職業紹介(保護的雇用)
E 就業支援サービス
F フォローアップ
※ アメリカ Supported Employment (新しい潮流)
事前の職業訓練を抜きにして職場に入ってから訓練する。障害者の雇用が増えてくれば合理的。
※ Job Coach(2002年創設)の役割が重要となる。


@ 支援計画
A 職場での集中的支援
B フォローアップ
C ナチュラルサポートへと繋ぐ
   精神障害者への職業リハサービスの課題


@ ストレスマネージメント
A 認知障害の補完
B 多様な就業支援、能力開発
C 生活支援、ネットワークの形成
D 多様な雇用形態、在宅就業

 最後に2008年の成立を目指して障害者の権利条約制定の動きがあります。


第55回 家族会

家族が出来る事

松嶋義博

1. 統合失調症を患っている人が家族に求めている事

・受け入れ理解し、支持する事
・ 一人前の大人として取り扱う
・気長に構え、あまり批判しない
・安全な生活の場を提供する
・再発を防ぐ為の援助をする
・快復する様に励ます
・家族自身もそれぞれのニーズを満足させる

2. 当事者への係わり合い

・距離をおいた愛
* 出来る事は自分でする様にする
* 自然の結果、理論的必然の結果
* 選択肢を与える
* 適切な刺激を与え、過少、過剰な刺激を避ける
・適切なフィードバックを与える
* 本人がやった行動を具体的かつ簡潔に伝える
* その事によって、自分がどんな気持ち(動転、怒り、失望など)になり、現実にどんな支障が有ったかを簡潔に話す
* 今後は本人がどの様にして欲しいかを伝える
・感情表現の低い生活環境(low EE)を保つ
・現実的な期待を持つ
* 再発について
* 生活機能
* 住居
* 学業や職業
* 結婚

・規則正しい日程と生活
* 起きる時間、寝る時間
* 日課制度化:起床、便所に行く、手を洗い、洗面、歯磨き、髭剃り又はお化粧、髪をとく、家族への挨拶、朝食、薬を取る、皆が食事を終わるまで座っている、各家族の日課の情報交換、ご馳走様、食事の片付け、自分の部屋
を整頓するなど)
* 家族を送り出す時には明るい態度で、出る人は帰宅する予定時間を告げる
* 連絡方法 − 予定などが変わった時
* 家庭外での活動を設ける
* 作業所やデーケアーに出席しない条件
* 作業所やデーケアーに出席しなかった時、何を家でするかの条件

3. 安全性をを計る

・症状が活性化している時
* 環境からの安全
 + 強い刺激の少ない環境:騒音、光、安定した部屋の環境
* 自分自身からの安全
 + お酒や薬物
 + 自傷の危険
* 治療否定からの安全
 + 薬を取らなくなる
・症状が安定している時
* 再発予防計画を立てる
* 家族の中で当事者の役割を作る
* 快癒に適切な家庭環境を維持する
 + どの行動が症状であるかを理解する
 + 症状は誰のせいでもない
 + 症状を個人的にとらない
 + 症状に反応するのでなく、本人に援助の手と差し伸べる
* 親類縁者、友人との関係

4. 治療の継続

・質の高いケアー
* 統合失調症を専門に治療している施設や医者
* 治療や介入が本人のニーズや性格に合っている
* 治療や介入に本人や家族の意見を取り入れる
* 現実的な希望を持っている
* 良くなる為に努力ができる様な刺激を与える
* 一生を通して治療やリハビリを提供する
・早期診断と治療
* 行動に変化が有った時
・治療に付いての知る
* どの様な治療が有るのか
* 治療を受ければどの様な事が期待できるのか
* 治療を受けなければどの様な結果になるのか
* 家族としてどの様に治療に参加できるかを知る
薬物治療
* 効果と副作用、副作用の対処方
* 従来の薬と新薬
* 服薬の継続
・精神保健の専門家との良い関係を保つ
* 精神科医
* 係りのワーカーや心理士
* 係りの保健婦
・家族への援助が得られるか
* 家族心理教育
* 家族へのサポート・グループ
* 社会資源への紹介
* 退院後のお世話

5. 生活の質の向上
・再発を最小回にする
・再発の症状をなるべく最小にする
・生活技術を修得する為にリハビリや作業所に参加する
・再発予防の計画を立て、それを実行する
・生活上のストレスを管理可能なlレベリも保つ
・サポート・シスタムを築き、維持する
・自分の長所を知る
・自分で出来ない事は他の方法で補う
・毎日の日課の安定を計る
・治療の継続

6. リハビリ

・リハビリとは何かを知る
* 忘れた生活技能を得る
* 仲間を得る、仲間からのサポートを得る
* 生活の秩序
* 職業訓練を得る
* 現実的な将来計画を立てる準備

・地域のリハビリ・センターを知る
* 何処にどの様な:内容、入所条件、プログラムの時間とメンバーシップ期間
* 他の社会資源との連結
* 当事者に向いているか
* 他の社会資源
・リハビリ・センターへの援助
* 社会的援助
* プログラムへの援助
* 金銭的援助
* 物質的援助
* 政治的援助 

7. 再発予防

・再発予防は症状が安定している時に話し合う
・再発の前兆を知る
・再発が起きた時の準備
・再発から学ぶ

8. 精神疾患に関する最近の正しい情報を得る

・疾患に付いて
・治療法
* 薬で症状をコントロールする
* 人間関係を作る
* 症状を管理する技能を教える

* 失われた生活能力を補う技能を教える
* 個人に固有な能力を最大に引き出す(ストレンズ)
・リハビリ
・快癒の要因
* 病気の重さ
* 薬物治療の効果
* 本人の勇気
* 家族の反応
* 地域の反応
* 治療シスタムの反応
・社会資源
* 病院
* リハビリ・センター
* 作業所
* 中間施設、グループ・ホーム
* 外来診療所
* デーケアー・センター
* 福祉局や他の行政機関
* 娯楽所
* 成人学校、専門学校
* 散歩道
* 交通機関
* 一人で過ごせる安全な場所

9. 将来への計画

・当事者の将来
・各家族員の将来
・家族全体の将来

食べすぎ予防

・朝食を毎日欠かさずに食べる
・朝食に卵などのタンパク質系の食物を取る
・食事をするときに水分(水、お茶、ジュースなど)と飲む
・デザートには低脂肪、無脂肪のヨーグルト、果物やイチゴやブルーベリーなどをミキサーに混ぜて、出来れば氷などもいれ、ミキサーで混ぜ、セイクなどを作て食べる。
・食事のカルシュームの多い食べ物(骨ごと食べられる小魚など)を取る
・あまり食べ物の種類を買えず、バランスのとれた限られた種類(同じ物)を食べる
・水分を沢山含んだ食べ物(野菜、果物、サラダ)を食べる
・癇癪には一握りのアーモンドなどの木の実を食べる
・何か食べたくなったら、散歩または、雑用など15分から20分ほどする
・緑茶(green tea)を飲む
・どうしても食べたい時は、Whole Breadのパンに大匙1杯のピーナツ・バターをつけて食べる。
・寝る3時間前に食べない
・夕食などを食べる時は、先に一回分の食べ物をサラに盛り、残った食べ物は食事を始める前に冷蔵工または冷凍庫の仕舞う。
・ポテトなどを食べる時はいがいて食べる
・薬味として胡椒を使う
・食べ物を家におかない。どうしても置かなければ落ち着かない場合には、一品だけにする
・夜、どうしても何か食べたい時は、砂糖なしのシリオルを食べる
・充分な睡眠を取る

薬をきちんと取ってもらう為の対策

・1日の一定の時間に薬を取る
・家族全員が薬を取る時に一緒にとる
・カレンダーに記録する
・忘れない様に他の家族が注意する
・薬を取る事に家族がサポートする
10. 対社会対処戦略

・偏見の問題
 + 社会一般の偏見
 + 自分の偏見
・社会資源の増加
 + 不足を知る事
 + どうすれば不足した資源を作れるか
 + 社会資源の利用方を知る
 + 社会資源の利用への障害を除く方法を知る
・家族会への参加
 + 情報が得られる
 + 障害者への権利を得る
 + 家族への援助をえる

12、 参加者の考えを聞く(参加者参加活動)

・距離を置いた愛
・当事者の結婚について、異性との付き合いについて
・日課の制度化を作る
・再発の兆候を知る
・再発以前の期待と現在求められる現実的な将来の計画(喪失のプロセツが必要)
・薬を取りたくない理由、薬を止めさせたい理由
・家族のニーズ:失われたニーズ、取り返せるニーズ、どうして失われたニーズを取り返せるか(シリーズでやる)
・選択肢を考える、参加者から課題の例を貰って
・自然の結果、理論的必然の結果
・出来る事は自分でやらせる:やらせる事に関しての気持ちと考え、何をやらせるか、どの様にしてやらせるか(シリーズで)
・偏見に付いて:社会一般の偏見、自分の偏見、偏見による影響、偏見を少なくするには何が出来るか(シリーズでやる、エンパワメントの課題)
・当事者がこなせる家事や他の生活活動
・家族が使える励ましの方法
・強化とは
・お金を強化にする事への意見
・親類や近所の人からの援助や理解を得る事について
・当事者の勇気の例を挙げる(エンパワメントの課題)
・家族の勇気を例を挙げる (エンパワメントの課題)

12.ロール・プレイ

・精神科医又はワーカーに話す
・フイ―ドバックをする
・再発の兆候について当事者と話す
・再発兆候があった時の対処法について当事者と話す

            


第56回 家族会  2005年6月10日 

参加者 38人    福智 寿彦

ビレッジにおける就労支援

指針:1;精神障害を持っている人は、障害を持っていない人々と同じ機会を与えられると、より健康になり、より良い気分になれる。
   2;障害を持った人は「普通」の活動に参加するのに健常者よりも余計にサポートが必要かもしれない。全てのスタッフの仕事とは、この余計と思われる支援サポートをすることである。
実施方法
 1;実際に働いてみることが「働く」とはどういうことか知る一番良い方法。
 2;就労支援は全員の仕事。就労支援は、ケースマネージメントや金銭管理、住居、薬物乱用治療、服薬などの支援と別個の支援ではない。
 3;就労支援は全てのメンバーに提供される。誰が仕事に成功するか予測するのは難しい。
 4;仕事での失敗を恐れるのではなく、失敗から何を学ぶかを中心に支援する。仕事がうまくいかなかった場合、メンバーがその経験から何を学んだか、努力を認め、新たな試みを促し、その経験を全員の成長の機会とする。
 5;成功を認め、褒め称える。メンバーの仕事での成功をチームでお祝いする。就労しているメンバーの写真を壁に掛けたり、月間優秀雇用者、就労訓練の卒業式、年間を通じて就労したメンバーを表彰晩餐会に招いたりする。
メンバーのための準備
 1;最初のステップ
   メンバーを知る、PSCに会い評価、協力を頼む、以前働いた人の意見を聞く、はっきりとした職探しの過程を説明する(何をするのか、何を期待されているのかメンバーにはっきりさせる)
 2;機能的な評価を用いる
   A;どのようなことがしたいのか? 何ができるかに焦点。思いやりを示し建設的に
   B;仕事に関係なく以前の達成を評価 勇気付ける、信用する
     どのような仕事がしたいか? 以前どのような仕事をしたか? 人と一緒の仕事がしたいのか或いは事物を対象にしたいか? 反復性の仕事か? 室内が良いか屋外が良いか? どの時間帯が良いか? 交通手段は?
   C;仕事に障害のある事に気づいた時、事項を明確にする。
     (大声を出す、神経質、頑固、悲観的であるとか)
   
D;メンバーの態度に焦点を与えるのではなく、行動に焦点を
    (態度に焦点を当てるとメンバーとの関係悪化へ、現状の性格を受け入れる) 
 3;メンバーと就労の計画を立てる
   精神障害は個人的なことであり、面接の過程でそのことを話さなくても良い
   
 4;地域社会の雇用主に会いに出かける。相互関係を築く。良い就労者を持った就労サービスであると自己紹介する。なぜ就労担当者が就労候補者の代わりにそこにいるのかたずねられた時
   A、良い就労者が欲しい雇用主と仕事を探している良い就労者をマッチさせる手伝いをしていることを話す。雇用主が何を探しているか知ればそれにあった人を紹介することができる。
 5;面接の準備。
   精神障害のことを話さずにどのように自分の過去を話せるか。仕事への意欲をどのように相手に伝えられるか。仕事の変化について柔軟性があるか、その準備をする。
 6;メンバーと一緒に面接に行く。
    もし雇用主がメンバーを雇うことにあまり興味を示さない場合は、雇用主に就労サービスの利点を強調、タイミングを見る、雇用主の負担を緩和するアドバイスする。
 7;情報、結果をメンバー、就労チーム、PSCにも伝える。他の就労開発者やボスから他の作戦、或いは次に取るべきステップのアドバイスを得る。
   一人で仕事しているわけでなく、チームの一員で働いている。

もし、メンバーが仕事を得たら、
  PSCとサポート体制、投薬の変更、職業上の未熟な部分の改善
 
就労を維持させるにはどんな支援が必要か  プリント
職業上の未熟な行動 プリント

日本における障害者雇用の現実
 日本にいる身体障害者は320万人、そのうち常用労働として雇用されている人は40万人弱。同じく知的障害者の場合は45万人のうち7万人弱。精神障害者の場合は260万人のうち5万人。特に精神に障害のある方への雇用が厳しい状況。
ではどうして精神障害者への雇用が進まないのか。
まず第一に精神障害者に対する社会的偏見が挙げられる。次に、雇用者側には精神障害者をいかに働かせていくかという方法が分からないから雇用をためらうこと。そして、医療者側にも就労への方法が分からなくてためらっているということが挙げられる。身体障害や知的障害の場合は障害が外見から判断できる場合が多く、状態も比較的安定しています。マスコミの効果もあって身体障害者の社会参加へは行政が積極的に動きますし理解や協力が得られやすいのです。しかし、精神障害者の場合は、障害の程度が外見からは判断しにくく状態も不安定です。特に統合失調症という疾患は、日本に100万人程の方がいるのに対して一般の方への理解度が少なく企業としても採用を断ります。
人それぞれが各個人の能力に応じた職に就き、生きがいを感じて生活できるようになればどんなにすばらしい世界でしょうか。

次回57回家族会 平成17年7月8日 「精神障害者の就労について その2」


就労を維持させるにはどんな支援が必要か
What You Can Do To Help New Workers Keep Their Jobs 

ガイドラインの基本
* 仕事をサボっているのではなく、未経験から来る仕事上の未熟さをあらわしている人へのアプローチ
* 入念で支援的な関係を維持する。
* 初期の就労者は当人がそれを求めていなくても、支援が必要である事を当然と考える。

支援の方法                          ′
* 文章に示すこと。
* 現場のジョブコーチを考慮する。
* 就労を始めた最初の数日間、行動を共にする。
* 組織や部署が就労者を罷めたり表萄してあげる機能を持っていること。
* 就労しているメンバーをスタッフミーティングに招き、彼らの仕事につい
て説明し、仕事を得たりそれを維持する事を手伝う。
* 新しく就労し数週間問題なく仕事を土なしたメンバーを昼食などに誘い、成功している事を報いてあげる。
* 通勤に関する閉居を支援する。

他のサポート
* 職場に何時も気軽に話せる人を持つ事。
* 両親や親友などと連絡を密つにし、サポートを幾つか持つ事。
* 完全な就労援助プラン

心に留めておくこと
* スタッフからの評価を与える前に、当事者自身に自分の評価を聞く。
* 新しい就労者がサポートを必要とする時に備えておく。
* 新しい就労者と近しくしていること。
* 新しい就労者の夢を何度も思い出させてあげる。

職業上の未熟な行動
Vocational Immature Behaviors

 以下は何故精神障害者が仕事を持続できないか、或いは仕事を持つことが困難なのか、としての幾つかの例である。就労を持続することに恐れを抱く音は症状よりも下記の例による場合が多い。

1. 上役が方針や指図を変えた時、狼狽或いは調子を崩す。
2. フィードバックを批判として取り解雇されるのではないかと思い解雇を避けるために仕事に来ないことを決める。
3. もしも失敗したら仕事を失うのではないかと考える。
4. 欺いたり、不適当な虚勢を張る。
5. 仕事に身を入れる事に慣れていない。(疲れた時に退社してしまう。)
6. 質問する事は自分を愚かと見られるのではないかと恐れ、説明を分かったような振りをする。
7. 説明について、あまりにも凝り固まったり、或いは乱雑だったりする。
8. 個人的な事を知らない人に打ち明ける。(他の人を知ると言う事は、他の人に自分の障害の事を話す事だと考えている。)
9. 私的な用事や予約を勤務時間中に予定を作り、欠勤する。
10. 働いていない友達と外出するために仕事を中断してしまう。
11. 親しみのない構成や規則(例えば禁煙など)
12. 上役からの配慮が無い事を自分の仕事は認められていないと勘違いする。
13. 注意の無い事は仕事が間違っていてもOKと推測する。(自分の妻がラウンジに一日中いてもボスは何も言わないのでそれはOKと思う。)
14. 仕事上思わしくない事に焦点を当てる。
15. 今日は仕事に行く気分ではないので欠勤する。
16. どのようにして出来るまで試みるかということを知らない。
17. 初めてのサラリーを貰い、その賃金は将来までずっとあると考えてしまう。
18. 勤務時間より早く出勤する。
19. 殆んどの就労者は長い時間働き、より責任があり、より高い賃金を得ているとは実感していない。
20. 長期的或いは広範囲な構想より目先のことに焦点を当てる。
21. 職場に合った服装や清潔感覚を身に付ける。(不潔な体と服装)
数週間、数ヶ月より良い仕事をした後に気が抜け失望を経験する。

 
 


第57回 家族会 2005年7月8日      

参加者38人      福智寿彦

精神障害者の就労について その2


(1)就業支援の基礎知識
   プリント
(2)精神障害者雇用について
            (福島県障害者職業センター山本氏の発表より)
1:障害者職業センター(中村区椿町1−16 井門名古屋ビル2F)
    都道府県に1から2ヶ所 ハローワーク(職安)と共に障害者と事業主に対し、就職に関する相談や支援を行う 職業相談・評価、ジョブコーチ支援事業、職業準備支援事業等
2:障害者の雇用促進等に関する法律
   障害者雇用率制度 障害者雇用納付金制度 障害者雇用納付金制度に基づく助成金 
 3:障害者雇用率制度
    法定雇用率1.8% ⇒ 56人の従業員に付き1人の割合
4:全国の障害者雇用状況
   平成15年 民間企業1.48%、雇用率未達成企業57.5% しかし精神障害者はカウントされていない (身障者は325万人中39万人、知的障害者は45万人中7万人弱、精神障害者は258万人中5万人)
5:事業所の求める条件整備
   精神障害者に対する社会や職場の理解促進、雇用管理に関するマニュアル等の提供、医療機関との連携支援体制の確保、職場内におけるメンタルヘルス相談支援体制、企業と本人・家族の調整役
6:障害者雇用納付金制度
  
週に15時間以上働けば助成金の納付対象
7:制度に関するトピックス
  @在職精神障害者への対応 
    ・企業向けの相談窓口 ・職場復帰事業(リワーク事業の展開) 
  A雇用促進制度の充実
    ・委託訓練事業展開(共生会の福祉なごや職業開拓校) ・トライアル雇用、ジョブコーチ支援
  B障害者雇用率への算定 
8:就職がうまくできている人
   ・周囲からのアドバイスを受けて行動等を修正できる
   ・生活面でのプラスのアドバイスが受けられる鍵となる人がいる
   ・友達がいる
9:就職がうまくいかなかった人
   ・自己判断でどんどん進めてしまう
   ・服薬や病気に対してマイナスイメージがある
   ・身近に高いストレスとなるものがある(しかしストレスは必要)
10:就職を進める上で必要なこと
   無理は禁物、されど努力は必要。人のアドバイスを聞こうとする姿勢(壁は訪れる、団体戦で乗り切れるか) 最後は就職に対する拘りが(意欲が)ものをいう
11:企業の視点
   ・職務・職場に合わせた対応 努力するのは当たり前 できて当たり前 できないことが目に付く あくまで組織の一員 生活管理よりは雇用管理 一社員の状態よりは組織運営
14:医療・福祉の視点
   :その人に合わせた対応 その人なりに努力すれば良い その中でうまくことができればよい できないことよりできることを重視 再発よりは病状の安定 就労よりはまず生活 ストレスよりは安心感(皆で仲良く)
15:就労支援していくには
         医療機関・福祉機関
    企業 ?      ?
           就労支援機関

しかし、なぜ就労が進まないのか?
当事者の意欲の問題、家族の問題、主治医の問題、そして最後に若干の企業の問題
・民間企業の努力
 アドバンテッジという会社の記事

・精神障害は障害のみならず病気であることが、身体障害や知的障害と大きく違う
医療・福祉機関が中心に進めていかないと当事者、家族、主治医、企業皆が不幸になる。

次回58回家族会 平成17年8月12日  
  


第58回 家族会


 H.17.8.12 

福智クリニック家族会資料

今後の就労支援への取り組みにむけて

1.精神障害者雇用の現在
  ・ 全国精神障害者数:258万人【入院34万人・在宅224万人】
・ 常用雇用の精神障害者数:5万1千人【全体の約1.9%】
・ 精神障害者の有効求職者数:14333件【全体の9.3%】
・ 精神障害者の就職件数:2493件【全体の7.6%】

精神障害者の雇用はわずかながらも増加傾向にあります。来年度には精神障害者も障
害者雇用率のカウントの対象になる見通しです。しかしながら、それは精神障害者
も健常者と同じように働くことができるための道筋が出来たに過ぎません。事業者側
はこれまでどおり、企業としての倫理によって雇用をしていくわけであり、そのニー
ズがどこにあるのかを我々は見定めねばなりません。
現在働かない若者、ニートが社会問題として取り上げられていますが、その累計は
2002年度で85万人といわれており、ニートが働くことに対する経済効果は膨大
なものであると推定されます。しかし、精神障害者は現在およそ258万人もいます。そして、そのほとんどが働くことができないでいます。彼らが生活保護を受給するのか?障害年金を受給するのか?それとも働くことで収入を得、社会活動に参加するのか?精神障害者が働くことにより得られる経済効果はニートの比ではないと考えられます。
 一般の求職者が就職活動をする場合、多くは求人誌で、あるいはハローワークに登録して情報を集めます。派遣会社に登録し、派遣社員として働く道も昨今ではあります。しかし、精神障害者の立場からすると、情報も雇用先も非常に少ないというのが現状です。そして、それが精神障害者の働く機会を奪っているのもまた事実です。雇用率の対象となり、健常者と同じように働くことができる道筋が出来たからには、そのような現状のままで良いわけがあるはずありません。健常者と同じように情報を得、仕事を探すことが出来る環境が必要です。
 そこで、我々はそういった環境を作り出すための起業を予定しています。医療法人でもなく、社会福祉法人でもなく、民間の企業として精神障害者にも情報を提供し、企業と関係を結び、就労をコーディネイトしていく事業です。これは精神障害者側には経済的負担を与えない、企業を相手とするビジネスでもあります。こういった事業は精神保健福祉の専門家がおこなうことに大きな意味があります。反面、企業の倫理といったものに対する理解は十分ではありません。企業がどのような人材を、どのような形で欲しがっているのか、そういったことは企業と関係を作る中で学んでこなければなりません。同時に、現在企業で働いておられるご家族の方々からも貴重な情報を得、学ばせていただきたいと思っています。

2.アドバンテッジの取り組み
  ・精神障害者対象の人材紹介サービスを開始。
  ・精神障害者のみでなく、身体障害・知的障害も対象としている。
  ・人材紹介だけでなく、団体長期障害所得保障保険を販売
  ・成功報酬として企業から手数料を徴収している。
  ・精神科専門家がスタッフには少なく、就労後のサポートは充分かとの疑問
  ・優秀な人材の青田刈りに繋がる懸念
・しかしながらこれまでなかった画期的な取り組みではある

 前回家族会でも少し触れられたアドバンテッジという会社があります。アドバンテッジでは精神障害者対象の人材紹介サービスを今年の5月から開始しています。これは、これまでになかった画期的な取り組みです。しかし、問題点も抱えているように思います。それは、精神科専門のスタッフが少なく十分なサポートが得られているかということです。精神障害者は疾病と障害を併せ持つ存在です。例えば身体障害ならば一見してどういう障害で、どういったことに配慮をすればいいかということは分かりやすいといえます。しかし、精神障害の場合、一見して分かりにくいと同時に、疾病の面では専門的な知識と、それによるサポートが必要です。病状の波や、その人の症状を把握し、それにあった仕事内容をコーディネイトしていく必要があります。そのためこういった事業には専門家のマンパワーが不可欠であり、専門家としての我々がこういった事業をおこなうことに大きな意味があります。 

3.必要な条件整備
・ 精神障害者に対する社会や職場の理解促進
・ 精神障害者の雇用管理に対するマニュアル等の提供
・ 医療機関との連携支援体制の確保
・ 職場内におけるメンタルヘルスにおける相談支援体制等の確保
・ 企業と精神障害者・家族との連絡調整役の確保
・ 職場での適応性を判断するための職場実習への協力    ・・・など

これは、厚生労働省が事業者向けに実施した障害者雇用実態調査でそれぞれ回答数が多かった項目を挙げたものです。これを見ると、精神障害というものに対する知識が浅く未知な者であるが故、事業者側でもその理解や対応に不安を抱いていることがわかります。その不安を解消する手立てが講じられないままでは、事業者側も積極的な雇用へは踏み切れない現実があります。そして、現状では上記の用な条件が整備されているとは言えません。しかし、逆に言えば、そのような条件整備をおこなっていくことがこれからの精神障害者雇用支援の中で大きな意味を持つことになります。名古屋市は他の大都市に比べて精神障害者雇用の面では大きく遅れています。名古屋市障害者雇用支援センターのような公的機関でも精神障害者はその対象とされていません。しかし、このような現状は変えていかなければなりません。
4.企業への働きかけ
・ 企業とのコネクションづくり
・ 精神障害者雇用のメリットに関するアピール
・ 精神障害に対する理解を促進するような場の設定
・ 就労後のサポート体制の整備とそのアピール

 企業と関係を築いていくことで、精神障害に対する職場の理解の促進や偏見の是正などの活動もおこない易くなります。企業側も今後の雇用の義務化に向けての不安を抱えており、その対応に対する専門家へのニーズは今後増加していくと考えられます。そういったニーズに応えていく形で企業とのコネクションをつくっていくことは信頼関係の形成にもつながっていき、必要なことでしょう。

・ ハローワークに求人登録をしている企業
・ 職親に登録している企業
・ 体当たり・飛び込み
・ 豊田市障害者雇用支援センターの例
(アンケートを企業に送付。反応があった企業にコンタクトを取る)

 企業とコンタクトを取っていくにはこういった方法が考えられる。しかし、現状どれだけの企業に協力を仰げるかは未知である。しかし、誰かがやらねばならぬことであるし、根気強く、粘り強い活動が要求される。

5.メンバーへの働きかけ
・ 就労意識の向上
・ 社会参加の機会
・ 自己評価の向上

 企業への働きかけと同時にメンバーさんへの働きかけも重要でしょう。実際に就労するのはメンバーさんであり、仕事というものに対する意識をしっかり持ってもらわなくてはなりません。仕事をするというのはどういうことか。アルバイトではなく仕事に対する責任感とは。そういったことをメンバーさんにも自覚し、望んでもらう必要があります。そのためのサポートとして現在ではヴィレッジをモデルにした就労支援プログラムをデイケアではおこなっています。また、面接・履歴書指導といった実践的なものもニーズに合わせて検討しています。同時に、社会との接点を持ち、デイケア以外の社会でも自信を持ってもらうための場も準備する必要もあります。ボランティアのコーディネイト、職場見学などがそれに当たります。長期間仕事をしていない事からくる不安、就労経験のない事からくる不安もあるでしょう。自分には仕事が出来るのかという思いもあると思います。しかし、メンバーさんはそれぞれ個々の特性を持っています。しっかりしたサポートがあれば、仕事に就き、働くことは十分可能であると思います。
6.企業とのコーディネイト
・ メンバーの生活場面を見てもらう機会を設ける
・ 精神障害について症状への対応、サポートのあり方について専門職の見地かららの説明や、精神障害者雇用に対するメリットを強調する機会を設ける

 事業者側にとっては精神障害というものが未知なものであるため、その雇用にしり込みする部分があります。そのため、精神障害に対する理解の促進や実際にメンバーさんの姿を見てもらう機会を設けることも必要です。実際にメンバーさんが事業所などで働く姿、ボランティアなどで活動する姿を見てもらうことは、どんな口頭の説明より大きな意味を持つと思います。また、専門家の見地から見た精神障害とは何か、どういった対応が望まれるか、そして精神障害者を雇用することのメリット、そういったことに対する説明会を同時におこなうことで、精神障害とは?という疑問の回答は、より説得力を持つはずです。

6.就労後のサポート
・ メンバーの不安に関するサポート
・ メンバーの生活に関するサポート
・ 企業への障害の対応に関するサポート

 就職してそれでお終いと言うのではありません。就労後のサポートがしっかりと確立してこそ、今後の進展が見込まれるのです。職場外での担当者やサポートがないといった状況が、現在多数を占めています。精神障害者の離職理由の中で最も多いものが再発や人間関係、仕事についていけないといったものです。職場内でのケアや理解・配慮は当然求められ、そういったことを企業に提案・教育していくことも今後の事業の大きな役割でもありますが、職場外での生活支援も同時におこなっていかなくてはなりません。それは今後生活支援センターが担っていく役割でもあります。公私に渡る十分なケア体制はしっかりと整備していかなくてはなりません。企業側においてもしっかりとしたサポートが得られる状況というのは雇用に対して前向きな姿勢となる大きな条件でしょう。精神障害者・企業双方が安心できるサービス体制を確立し、双方との信頼関係を築いていく必要があります。

8.今後の就労支援にむけて

 今後、我々がおこなっていく就労支援は新事業による職場開拓・職場内サポート、生活支援センターにおける就労後サポートが大きな割合を占めていきます。今回述べてきたことを包括的におこない、ひとりでも多くのメンバーさんに就労の機会を持ってもらうことが目標です。精神障害者の就労は今後、大きな課題となっていくと考えられますが、反面、世間にはびこる「精神障害者」というイメージや、企業の門戸の狭さという現状の中でどう動けるか、実際にどれだけ動けるかが問われると思います。そのような中、今後ともご支援いただければ幸いと思っております


 第59回 家族会 2005年9月9日

参加者 34人

福智寿彦

福智会のスタッフ配置・運営方針
 運営
  外来診療部門 
  デイケア、ナイトケア 
NPO法人福心(寸心、洗心)
 グループホーム澄心荘
  就労支援センター:前回話した施設
メンタルヘルス サポートセンター(MHC)
  1)生活支援センター(メンタルヘルス サポートセンター)
   統合失調症、うつ病、薬物依存、てんかんを主に
   相談業務
   料金:月々1000円登録料(登録者は限定される)登録者は100名ほど対象
   登録者以外の飛び込みの相談にも対応、後日2回目以降対応必要な場合は相談料必要30分3000円
   
  2)生活訓練施設(援護寮)
基本的にデイケア、ナイトケア、もしくは両方に参加。
   20人共同生活 個室 起床時間門限等あり 食事は自由(朝食のみ希望者にあり) 共同浴室 共同トイレ 
 料金:利用費月々4万円
       (食費 朝食のみ希望者1日300円)
      寝具料実費円
      光熱費月々1000円個室は各自負担
期間:2年(最長3年)
退所後は、単身生活もしくはグループホームでの共同生活
職員が3交代で常時勤務。夜間対応可能。

 質問受付
 
 
次回は10月14日金曜日 6時から

               


第60回 家族会



日本デイケア学会に参加して


デイケア 原 ますみ


講演「デイケアの実践―過去・現在・未来」    
・精神科デイケアでは、昨年厚生労働省より精神保健医療施策の改革ビジョンが提示され、入院医療中心から地域生活中心へという基本方策を推進するために具体的な達成目標をあげ、さらに障害者自立支援法の制定に向けての準備も進んでいる。今や否応無しに精神科デイケアが再検討され、医療サイドからも福祉サイドからも議論の対象となっている。
・ 「脱うつわの発想」… 地域連携こそが病院の存在理由を明確にする
          地域の社会復帰システム開発に積極的に取り組みている
デイケア利用者は訪問など重複でサービスを利用している。
・日精協のピアレビューについての取り組みを紹介 
地域から必要とされる病院・施設になることが大切であると強調
・障害者自立支援法を中心とした新たな保健福祉施策のなかでどうやるかー何が出来るかを考えていく
「利用者が求めるサービス」
1.いつでも利用できる 2.通いやすい 3.安心して利用できる 4.より元気になる
「利用者中心」のサービス、相互の助け合いが大切である
「病気や障害のゆえにのみ利用するものではない。家族や生活に何らかの問題があるからこそ利用するのである」→われわれに何が出来るか
記念講演 
「精神医療の変お遷と将来展望―統合失調症治療の今後の方向性について」
新潟大学大学院歯学総合研究科精神医学分野教授 染矢 俊幸
精神科医療は変革期にある。統合失調症の在院患者数を予測した研究でのデータを元に今後の動向などを報告。国の動きとしても「病院から地域へ」という方針が打ち出されており、現在の入院患者のうち7万2千人は受け入れ先があれば退院が可能といわれている。こうした方々の退院のためには「生活訓練施設→グループホーム→在宅」との流れが、大切となってくる。現在、長期入院中の患者は、「社会復帰」という視点が欠けた時期に入院した層である。将来的に入院患者数は増加するが、入院期間は短くなり、病院残留率は減少するであろう。そして外来のニーズはまだまだ伸びるであろう。
今後の課題としては、急性期体制の整備(急性期の短期化)、社会復帰、リハビリ 入院予備軍への働きかけ 、生活・地域支援・ACTなどが重要である
シンポジウム 「実践する精神科デイケア」
実践する精神科デイケア ー精神科診療所からー    錦糸町窪田クリニック理事長 窪田彰先生
・ 障害者自立支援法の出現
   医療のデイケアと福祉の通所サービスとが経済的枠組みとして似てくる。障害者自立支援法が成立したなら、デイケアおよび地域ケアはどう変わって行くのだろうか。そして何が問題になっていくのか
・ 医療リハビリテーションとしてのデイケア 
外来医療にリハビリの場としてのデイケアが必要であり、特に回復期のリハビリへの導入が滑らかであること、また、慢性疾患である統合失調症の再発・再入院の予防にデイケアの利用が有効な事例が多いことが指摘できる。福祉の通所サービスは、ある程度障害が固定した者の生活の場として有効である。様々な職種がともに働き、役割が重なり合いつつもそれぞれの任務を果たすことで、相補的・統合的な成果を挙げていくことがチームワークである。医療がリーダーシップを果たすデイケアがあり、福祉がリーダーシップを果たす通所サービスがあってこそ、患者さんは町の中で場を選びまた行き来できるのである。医療と福祉の役割が重なり合うからこそ、地域の中でのチームワークと街への広がりが生まれてくる可能性がある。作業所もデイケア的な役割を担っていたり、デイケアにおいても、従来は福祉の領域とされた就労支援が求められるなど、双方のサービスは多様化している。医療型・福祉型のデイケアの双方が存在し、当事者が選択可能となり充実してきたといえる。さらに今後はアウトリーチサービスとしての訪問看護が地域支援の重要な方法になってくる。
・就労と精神科デイケア
   H18年より障害者雇用率に精神障害者が含まれる方針。就労の飛躍的な推進と実りある就労支援が期待される
精神科デイケアと生活支援・就労の連携         松原病院理事長 松原 三郎先生
日本の地域精神科医療では、全体を支えるネットワークがないというのが現状である。「病院周辺医療」とでも言うべき状況の中で、統括の機能が脆弱といえる。これをどう育てていくか…。5年前能登地方で精神科デイケア・地域生活支援センター・福祉ホームを併せた複合施設をつくり、常に連携をとり、メンバーの自主性を重んじ、ケアマネジメントを徹底した。その結果再入院率は圧倒的に低い結果となった。ケアマネジメントに基づく支援が効果を発揮したといえる。
ケアマネジメント @ニーズに応じた援助      デイケアが備えるべきもの
         Aインテーク アセスメント     ケアマネジメント
         B当事者自立・満足         医療と福祉の総合的支援
                           退院後の継続的医療としての機能
                           多種多彩なプログラム
                           他職種チームとの連携 
札幌デイケアセンターにおける「終了式」を通して精神科デイケアの終結を考える
札幌デイケアセンター指導訓練課長 中野 英子
開設当初から在籍が長期化することに危惧を抱き、通所期限を限定した時期もあったが現在は利用者の決定によるものとしている。デイケア入所時より終了に向けて、終了をイメージし目標を設定し、折に触れ目標へ立ち戻る作業を行っている。また開始時の説明・見学や定期面接では家族の同席を求め、目標や変化の共有や家族関係の調整を行っている。最後に行う終了式は当事者が肯定的なメッセージをうけ、自身を回復したり、自分らしく生きることの宣言をすることや、仲間とのつながりを再認識できているとの報告。
 かかわりの視点 所属感と主体性
           安心して障害と向き合える
           仲間つくり
           日中のケアを大切に
メンバーの主体性とプライドに配慮し共に問題解決
           家族との関係を大切に
個人担当制をとり定期面接前にはスーパービジョン
ワークショップ 人生の現役養成道場(高齢者)
通所サービスの落とし穴@個を殺すサービスの存在 それを意識しない怖さ
           Aリハビリテーションの誤解
           B集団一斉方式
リハビリとは 心、意識を活発化することから始まる。不憫さはあっても何でも出来る、生活できる、生活に支障ないように練習する
       全人的復権→生きることが楽しくなる
人生の現役のすすめ10か条
人生の現役は人生の目標と展望を持ち、自ら実践しましょう
人生の現役は可能な限り人の手を借りず、身のまわりの事を自分で処理しましょう
人生の現役は自分の意思を持ち、その実現に向け働きかけましょう
人生の現役は自分の身体を鍛えましょう。
人生の現役は孤立しないように、第三者とのかかわりを持ちましょう
人生の現役は時間を意識して行動し、行動予定を立てましょう
人生の現役はいったん始めたら、区切りがつくまで物事をやり通しましょう
人生の現役は自分の活躍する場、役割や立場を持ちましょう
人生の現役は困難に立ち向かいましょう
人生の現役はエネルギッシュに暮らしましょう
施設の工夫 バリアありー      どうしたら生きがいのある人生の現役を作り出せるか
施設通貨 ユーメ       ・個別目標をしっかりとたてる
      ただ今挑戦中ボード      ・人が集まればアイデアの宝庫
      案内人 16名        ・視点を変える柔軟性
       動かされるままにやってみる→仕方なくやる→とりあえずやる→色々やりたい
達成感のシャボン玉→有能感の風船→生きがいのアドバルーン 自分の再認識
一般演題 <家族会>
北里大学病院におけるデイケア家族会について
家族会に求められる傾向と今後について検討を目的とし、家族会のテーマと参加人数、デイケア入所から家族会初回参加までの日数、平均参加回数などのデータをとり分析し報告 
入院時より家族会を導入することデイケア入所以前に家族支援を充実させることが退院後の家族の治療参加に良い影響が出る
精神科デイケア通所期の家族支援ニーズ 〜家族教室の実践から見えてきたもの〜
 当院では「疾患について正確な知識を得ることで、自責感や孤立感を減少し、対処能力やコミュニケーションを向上し、家族や本人をエンパワメントする」事を目的に、平成15年より、統合失調症の患者さんの家族を対象に家族教室を行っている
  家族教室内容 1クール5回 7〜8名グループ
          1.障害の理解 早期の疾病教育 再発防止としての家族の役割
          2.家族の抱える問題への支援
          3.家族がエンパワメントできる支援 当事者を抱え引きこもる家族から「行動する家族」への変化 
 
 


    

デイケア学会報告 〜就労支援編〜


                    福智クリニック PSW 中村 晋児
1.はじめに
  今や、精神保健に関わる者にとって、就労支援はもっとも大きな関心であり、課題のひとつで       
 す。先日のデイケア学会でも多くの就労に関する報告がありました。また、セミナーにおいても、
 精神保健に関わる活動をされているジャーナリストの方がみえ、精神に病を持った人々の就労について講演が行われました。今回の家族会ではそれらの内容を踏まえ、就労支援の現状と、今後の展望についてお話したいと思います。

2.報告
@ デイケアにおける就労支援の課題
・DCプログラムの方向性が明確であるか
・DCプログラムがDC場面のみで終わってはいないか
・DCの集団としてのエンパワメントがなされているか
・DC内・外問わぬ就労サポート体制が確立しているか
                  
@ デイケアクリニックほっとステーションの取り組み
・就労支援のための有限会社設立 → 仕事の請負ex.弁当屋・清掃・高齢者DS・託児所
・DCでホームヘルパー2級養成講座 → 資格取得者が働く施設を併設
・企業の人間を講師として招いたジョブセミナーの開催
・ニーズより前に自分を知ることからの個別の目標作り
・メンバーが提案し主導するプログラムの誕生 → ex.ジョブウォーク、筋肉クラブ

  今回の報告の多くは、成功事例というよりも、試行錯誤している現状をありのまま報告しているといったものでした。それらの報告から浮かび上がってくるのは上に挙げたような課題です。自己反省をこめて言えば、漫然とその場で終わってしまうDC活動では意味がなく、メンバーさんの生活場面で生かすことのできる活動を おこなっていかなくてはなりません。同時に、デイケアは集団援助の場でもあります。DCでおこなう就労支援は、集団としての力を発揮するものでなければなりません。また、DC内のみに終わらず、就労を目指したときから就職活動中、その後の就労も含め 、個々人の包括的かつ継続的なサポート 体制の整備も不可欠です。これらの課題は就労支援の途上で避けては通れない課題でもあります。これらの課題に直面し、解消していったモデルとして、上記の「デイケアクリニックほっとステーション」の取り組みは大変参考になります。目的別に分化したプログラム編成やデイケア内で終わってしまわない継続性、企業との連携などは、後でお話します福智クリニックの今後についての展望とも合致し、見習うところが多いです。また、特に目を見張るのが、DCの集団としてのエンパワメントです。メンバー自身が自身の持つ力の可能性を信じ、プログラムを発案し、主導し、スタッフはそのサポートにまわるといった形はアメリカのビレッジに通じるものがあります。「デイケアクリニックほっとステーション」は札幌の中心部にある、福智クリニックと同じような都市型のクリニックです。今回学ばせていただいたことを盗み、取り入れていきたいと思います。

@ 精神障害のある人と一緒に働くということ
・月崎 時央(ジャーナリスト) → 自らの事務所にメンバーを雇用した経験
・失敗の経験 → ・就労とは何かを伝えきれず、メンバーも保護的な場面での活動を就労と勘違いしてしまった。
         ・仕事をシステム化できなかった
          出来高払いを実感してもらったり、失敗をカバーする経済的余裕がなかった
         ・専属のコーチをつけられなかった
         ・不平不満等の解消に追われ、仕事時間よりミーティングのほうが長くなってしまった

・・・結果、1年半で挫折。

・必要な条件 → ・ある程度の規模
        ・パターン化した仕事内容
         ・覚えるまでの時間を待てる環境
         ・理解ある健常者との共同作業
         ・労働とその対価がはっきり見えること
 
   失敗の価値
  
能力以上に難しいことを要求しない       能力以上のことを要求し、訓練する
          ↓                      ↓
        失敗はない                  失敗はする
          ↓                      ↓
        進歩もない               時間はかかるが必ず進歩する

   
・千葉県の取り組み → 障害者就労モデル事業として協力企業と開発希望者事業とをお見合いさせる。

   ・(株)スワンの取り組み → ヤマト運輸の特例子会社。銀座や赤坂などにカフェベーカリーの出店。全国に17店舗。障害者雇用率54%。ゆっくりでも丁寧できめ細やかなサービスは好評。

    精神に病を持つ人々はストレス脆弱性があり、就労しても一度の失敗でくじけてしまったりと、なかなか就労に定着させることが難しいと言われています。しかし、だからといってストレスを避けるだけでは前進できないのも確かです。我々がそうであるように、経験とは失敗を重ねて身に付けていくものです。大切なのは失敗をしないためのサポートではなく、失敗やストレスに直面したときにどう対処していくかというサポートではないでしょうか。また、メンバーを受け入れる体制を企業側にも理解し、整えていってもらわねばなりません。それらは我々福祉側の人間の役目です。同時に、企業が雇用するのはその企業に利益をもたらす者です。企業が求める人材とは何かを知り、コーディネイトするのは
    ビジネスとしての視点が必要になります。就労支援にはその両方が求められます。
3.リカバリーの視点と就労支援 
・リカバリーの理念 → 病気を抱えながらも、社会に生活し、再起して自分の人生を歩む

・リカバリーの段階 

希望・・・実際的で根拠のあるヴィジョンをもつ。そのヴィジョンのために現実に何が可能なのかというイメージを持つこと
           
エンパワー・・・本人が今持っている力に着目し、可能性と能力を感じること。

自己責任・・・新しいチャレンジをし、過ちや失敗から学ぶことによるリスクマネジメント
       依存からの脱却

生活の中の有意義な役割・・・病気との関わりでない、社会や地域、人間関係の中で「普通」の役割を引き受けていくこと

・これらは本人の意志や選択に基づいておこなわれていくものであり強制されるものでは
ありません。サポートスタッフは関わりの中で、本人を励まし、働きかける。そのため
にも信頼関係が形成されていく関わりを心がけなくてはなりません。

    このようなリカバリーの発想は就労支援に多くの点で合致します。就労へのイメージを持ち、明確な動機付けをすることから始まり(希望)それにより自身にできること、するべきことを自覚し、必要ならばそれを高める努力をします(エンパワー)そして実際の就職活動や就労を通じて浮かび上がる課題や失敗の経験を通して一歩一歩前進します(自己責任)その結果、継続的な就労の場を得、社会の中での新たな役割を引き受けていく事になります(生活の中の有意義な役割)これらの段階を通過していくためには多くの挫折と直面するかもしれません。長い時間を要するかもしれません。しかし、リカバリーは本人のみの力で進行していくものではなく、関わる全ての人々の力を必要とするものです。我々スタッフや家族がはげまし、継続的にサポートすることも必要です。我々も本人と同様、自分にできること、するべきことを自覚していくようこころがけねばなりません。

4.福智クリニックの今後
・DCにおけるプログラムの見直し → DCスタッフの中で進行中です
・寸心・洗心での就労支援 → マニュアルの再整備・サービス業としての水準強化
・メンタルヘルスサポートセンターの開所 → 生活場面での支援
・就労支援センターの開設 → 企業対企業の活動・職場開拓と紹介

    各機関の連携により包括的な支援体制を目指します。
5.おわりに
  精神に病を持つ人々の就労を巡る現状は決して楽観できるものではありません。しかし、過去に比べれば少しづつ進展しているのも事実です。全国で多くの人々がその進展に向け様々な活動をしています。そして、その先に未来はあります。これからやってくる未来に向け、我々は何をしていくべきか共に考え、実践していくことができれば幸いに思います。