福智クリニックにおける社会復帰事業の展望について

福智寿彦

平成16年11月10日
安城市文化センター


開業その1(反対意見)
名古屋市内中心部での開業、大規模デイケア:同僚の反対、父の反対、経営者仲間の反対
資金難
人材難
地域の反対


開業その2デイケア開設
都心でのデイケア、民間病院主体の医療
大学病院との連携、民間病院との連携
診療所開設増える、他の診療所との連携

てんかん専門医
専門医制度
てんかんにおける精神科医不足
波の会
てんかん患者の社会参加
(身体疾患、身体障害者、精神障害者、人格障害者)

生活支援センターの必要性
デイケアではない
24時間365日稼動
情報センター(収集、保持、発信)
活動拠点(在宅医療の中心)
マンパワーの確保
シンクタンク

資金の苦労
土地確保時
入札、医療事業団の借り入れ、市議会の認証
4年間の扱い
建築時
   ゼネンコンの入札
   4000万円足りない
医療法人と社会福祉法人

グループホーム開設、就労訓練施設
自分が住みたくなるホームを
ホーム経営上のデメリット、メリット
 8000万の投資、内装費1000万円
  レンタル、両者の節税
ケーキ屋、クリーニング屋
 個人経営、初期投資1000万円、家賃30万円
 売り上げケーキ25000円、クリーニング8000円
 営業時間、サービス業、接客業

それでもやる

 

 

日本の精神医療の問題点1

高橋清久国立精神神経センター名誉総長の提案


患者数が多いこと
 人口10万人対の受療率をみると、1975年(昭和50年)以降、精神障害は高血圧性疾患に次いで常に2位の座を保っている。(死亡率の高い脳血管疾患、悪性新生物、心疾患や、最近の調査で予備軍が6人に1人といわれている糖尿病などよりも数が多い)
 精神障害者とは、入院または通院によって医療施設を受診している者である。調査する年を追って上昇している。2002年度(同14年度)は258万人。精神に障害があっても実際に受診する者は約4分の1から3分の1といわれており、実際には調査で得られた数字の3倍から4倍の精神障害者がいるものと思われる。


その2
精神疾患が多様であること

 精神保健福祉法には、精神障害者とは「精神分裂病(現在は統合失調症と呼び方が変更されている)、精神作用物質による急性中毒又はその依存症、知的障害、精神病質その他の精神疾患を有するものをいう」と定義されている。さらに生理的障害および身体的要因に関連した行動症候群として、睡眠障害や摂食障害なども入る。また、成人の人格および行動の障害といった、いわゆる精神病質、さらに小児期、青年期に通常発生する行動および情緒の障害なども入り、子供の虐待、いじめ、不登校、多動性障害など、最近注目を浴びている子供の心の障害も精神医療の大きな問題となっている。


その3
病床数が多く、平均在院日数が長いこと

 欧米では精神科病棟は人口1万人に対して10床台あるいはそれ以下であるのに対して、わが国は約28床という高い数字である。これは昭和30〜40年代の精神病院新築ラッシュで急激な増床があった結果である。
 また、平均在院日数も外国との比較では際立って長く、最近になってやっと400日を切り、1年に近付いたという状態である。これらの問題については長年にわたって、欧米諸国からの批判の対象となってきた。
長期在院患者の問題と平行して、入院患者の高齢化の問題も深刻になっている。2002年(平成14年)では65歳以上の高齢者は12万人以上で、全入院患者に占める割合は37.3%と3人に1人以上が高齢者である。そのために退院がますます困難となっている。


その4
精神科病床の機能分化が遅れていること

 精神疾患は多様であり、疾患の内容によって治療や処遇が異なることである。また、同じ疾患でも病状や経過の差により対応を変えていかなければならないことがある。病床の機能が分化することは、対応を容易にして、効率的な医療が行えることになる。2000年(平成12年)現在の病床機能分化、専門分化している病床の数はわずか3割に満たない。
 病床機能に関連して、処遇困難患者への対応がこれまで議論されてきた。病棟内で暴力的な行為に出やすい患者が少数ながら存在する。その様な患者が存在すると、看護師の対応はそちらに重点が移り、ほかの患者のケアへの時間が少なくなる。また、本来患者を開放的に処遇することが望ましいが、そのような患者の存在のために、病棟の入り口を常に施錠するなど病棟を閉鎖せねばならず、全体の開放処遇が困難となる。

医療専門職の人員が不足していること
 医療法による人員配置では、長年にわたって精神化特例が存在し、医師は一般科(身体科)の3分の1の数でよいとされてきた。すなわち、一般科では患者16人に対して医師を1人配置しなければならないとされてきたが、精神科病棟では48人の患者に対して1人の医師でよいとされてきた。
 2000年(平成12年)の医療法改正の際には、精神科は一般科と別立ての人員配置基準が決められ、一般科にも療養型病棟が新設され、従来の16対1(患者数対医師数)のほかに48対1の病棟が認められた。
一方、精神科病棟では、総合病院のみ16対1と基準が引き上げられ、そのほかは48対1と従来の基準どおりとなった。かつてのように精神科医療が、薬物療法も社会復帰施設の整備も不十分であった時代には、ただ収容しているといった医療が主であった。しかし、現在のように治療法が多様化し、また多種類の職種が協同してチームアプローチを行おうという時代には、48人の患者を1人の医師が治療するということではとても対応しきれるものではない。
 治療から社会復帰までを考えるときには、医師のみの力では到底及ばず、看護師はもちろんのこと精神保健福祉士(PSW)、作業療法士(OT)、臨床心理士(CP)などのチームアプローチが必要となる。それを考えたとき、医師をはじめすべての職種が不足している。100人の患者に対して医師が2人、看護師が准看護師を含めても28人という、極めて貧弱な医療体制で手厚い医療やケアが必要な急性期患者の対応も、また精神保健福祉士が中心になって行う社会復帰も、いずれも人員不足であり、わが国の精神医療の貧困さを表わす数字となっている。

精神医療費が廉価であること
 精神科医療費は医療費全体のおよそ5%台である。冒頭に述べたように診療報酬はほかの一般科よりは低く抑えられている。それは入院管理料に表れており、一般科の患者の約半分である。このような低い診療報酬は、患者に対するサービスの低下につながっている。その根底にある考え方は、精神科医療は人手がかからないものであるという誤った考え方であり、精神科特例の考え方と軸を一にしている。

正しい理解と偏見の是正
 精神疾患あるいは障害に関する正しい知識の普及には、何よりも教育が重要である。初等・中等教育で教科書に明記して学校で教育する必要がある。また、たとえば障害者施設の公開やスポーツ大会などを通じて、障害者と地域住民との交流を増やす試みも重要である。マスコミの協力を得て、正しい知識の普及に努めたり、テレビを通じてメッセージを発信する事も有効であろう。また精神保健福祉に関する啓発習慣の設定や定期的なイベントの企画なども効果的。

 精神障害者にとって医療上の大きな問題は救急医療である。精神障害者は一度疾患を経験すると、ストレス対抗性が低下して、ちょっとしたストレスで再発することが少なくない。しかも、急激な症状の悪化を来たし、早急な介入が必要になる。このような状況に対して気軽に相談できるシステムが必要であるが、その整備が不十分である。自傷他害の恐れがあり、措置入院を必要とする例に対しては、中核となる病院を指定したり、指定された病院が輪番制で対応するなど、かなり整備されてきているが、それに該当しない例に対しては、いまだ整備が進んでいない。診療所にとって大きな問題。

人材の確保と質の向上
精神医療、福祉の質の向上には人材確保が必須の要件である。今後、精神医療、福祉は多職種の連携が重要であるが、そのためにも各職種の職員の質が高められなければならない。また、地域生活を支援するためには、ある一定の領域でそれぞれの職種を確保しなければならないため、専門職員の数の確保がますます必要となる。


そして名古屋
名古屋人気質
他地域との交流が少ない
社会復帰事業未開の地