2020年11月10日

漢方薬(便秘について)の勉強会を行いました。

令和2年11月10日、福智クリニック医局にて漢方薬(便秘について)の勉強会を行い、「大黄甘草湯」「調胃承気湯」「麻子仁丸」「潤腸湯」などの特徴を学びました。

漢方薬は、いくつかの生薬の組み合わせによって作られています。便秘の際に用いられる代表的な生薬は、大黄芒硝などです。一言で便秘と言っても人それぞれ体の状態は異なるため、その人に合った漢方薬(生薬の組み合わせ)を選択する必要があります。

便秘についてお困りのことがありましたら、「とにかくまず排便を促したい」「便秘だけでなく腹部膨満感や熱がこもる感じがある」「いつもコロコロした便しか出ない」「便秘や体全体(皮膚)が乾燥している感じがする」など具体的に診察で相談していただければと思います。

今回の勉強会を通して、目の前の症状だけにとらわれず、患者さんそれぞれの全体像をしっかり見ていきたいと改めて考えることができました。

2020年11月 9日

「成人のためのてんかん診療フォーラム」がweb勉強会として開催されました。

演題は、『脳炎とてんかん関連 Up to date』
神戸大学大学院医学研究科 脳神経内科学分野 教授
松本理器先生

『認知症とてんかんについて』
国際医療福祉大学成田病院てんかんセンター長
赤松直樹先生

松本先生の講演では、脳炎から起こるてんかん発作(自己免疫性てんかん)が近年注目され、これまで診断法が確立されてなかったが、病歴・症状・検査結果から2段階で診断するアルゴリズム※を作成し、事例を挙げて、診断までに至る大きな手ごたえを得、さらなる診断の確立へ意欲を示された講演でした。
≪アルゴリズム≫とは、明確な手順を組み合わせて作られているプログラムのことを言う。

赤松先生の講演では、認知症との鑑別が難しい高齢者のてんかん発作の症状として、短時間の健忘が見られる、一過性てんかん性健忘(TEA)があります。TEAでは発作性健忘だけでなく発作間欠時(発作がない時)においても特有の記憶障害が持続することがあります。これが認知症による健忘の症状との区別が難しいのです。

高齢初発てんかんと認知症を見分けるコツとして、周りの人に症状を聞く(行動や発作(健忘状態)を観察してもらう等)ことや、発作の前兆(同じ風景が思い浮かぶ等)がないかを思い出すことが重要です。

もしご家族に、認知症ではなく高齢者てんかんを疑う方がいましたら、できるだけ早い受診をお勧めします。
当法人すずかけクリニックでは、統合失調症やうつ病等の治療だけでなく、てんかん専門医によるてんかんの治療にも力を注いでいます。

何か気になる点などございましたら、当法人すずかけクリニックにご相談ください。