ルラシドン塩酸塩錠の勉強会を行いました。

令和3年7月8日 ルラシドン塩酸塩錠の勉強会を行いました。

この薬は、昨年6月に発売された、統合失調症と双極性障害のうつ症状に使用される薬です。日本での発売後1年が経ち長期処方も可能になったので改めて復習の意味での勉強会でした。

抗精神病薬としては後から出た薬ですので、病状に効くだけではなく「副作用が出にくい」という点に焦点をあてて開発されたそうです。製薬メーカーの方に開発時の治験のデータを解説していただきました。

治験のデータは、薬を服用する群とプラセボ(偽薬)を服用する群のふたつのグループを同じ評価尺度を使って比較する物ですが、統合失調症のエフェクトサイズは0.410、双極性障害のエフェクトサイズは0.328とのことです。

エフェクトサイズと聞いてもピンと来ないのですが、野球の打率と同じで10人が服用したら何割の人に効くかと考えてよいとのことでした。

統合失調症の打率4割というのは他の抗精神病薬と同程度だそうで、効果は同程度で副作用が少ないということでした。

また、双極性障害のうつ症状の打率3割は、これまでの薬は2割台とのことですのでこれまでの薬よりも効果が期待できるということがよく分かりました。

当院でも、新薬が効果が高いと思われる方は先生と相談の上、薬を変更し処方しておりますので、気になる方がいらっしゃいましたら是非診察で相談していただけたらと思います。