『第16回成人のためのてんかん診療フォーラムに参加してきました』

2019年11月9日(土)、ホテルメルパルクNAGOYAにて下記の講演が行われました。

特別講演1
『てんかんを持つ女性が安心して妊娠・出産するための支援』 
~正しい情報提供と、適切な薬物調整~

むさしの国分寺クリニック 院長 加藤 昌明先生

特別講演2
『けいれんするPNESについて』
愛知医科大学 精神神経科 教授 兼本浩祐先生

加藤先生の講演ではてんかんを持つ女性が安心して妊娠・出産するために必要な支援についてのお話をしていただきました。てんかんによる副作用、転倒やケガ、母体や胎児への影響など様々なリスクを避ける為に、妊娠の希望度・優先事項を医師と患者で確認しながら薬剤調整をすることで、患者さんにとって最適な処方を行うことが大切であると改めて感じました。

兼本先生の講演ではけいれんするPNES(非てんかん性心因発作)について再現した映像を用いながら説明をして頂きました。<てんかん発作には起承転結がありますが、PNESにはないそうです。しかしてんかん患者の中で、1割以上占めており、けいれんしない発作などもあるため、判別することは難しく、そのような場に遭遇した場合は、第一選択として救急搬送する事が大事であると分かりました。

『持効性抗精神病剤(LAI)のwebセミナー』を開催しました。

令和元年10月9日に福智クリニックにて持効性抗精神病剤(LAI)のwebセミナーを開催しました。LAIの長期使用の有用性や安全性についての話が主でした。
導入のコツや望まれる安定、これからの展望などを詳しく学ぶことができました。

医療者として改めてアドヒアランスの大切さや、QOLの観点から、患者さんが自立できる治療ゴールを目指すことが安全・安定につながっていくのだと学ぶことができました。

また、令和元年11月5日にもwebセミナーを開催。山口病院精神科部長の奥平智之先生による『統合失調症と栄養精神医学~腸管を中心に~』について講演がありました。

入院患者さんの血液検査結果から、亜鉛不足による貧血状態の割合が高くなっていることや、グルテンが統合失調症の病状悪化に与える影響が大きいといったデータを示していただきました。

セミナー終了後もスタッフ間で積極的な意見交換がされ、とても有意義な時間となりました。

『ADHD勉強会』に参加しました。

令和元年10月29日、福智クリニック医局にてADHDのための治療薬グアンファシンの勉強会に参加しました。
これまで小児のみの適用でしたが、成人にも使えるようになったお薬です。
もともと30年程前に降圧剤として開発されたものであるため、血圧低下には注意が必要だそうです。

ADHDの治療薬としては、グアンファシン以外にもメチルフェニデートやアトモキセチンがあります。
それぞれ薬理作用が異なりますが、グアンファシンはメチルフェニデートやアトモキセチンと併用することも可能であるそうです。

まだ成人への適用になってから日も浅いため、具体的な症例報告はあまり聞くことができませんでしたが、患者さんが自分のライフスタイルに合った薬を選択できるよう、もっといろいろな症例について勉強していきたいと思いました。

福智クリニックにて『ロナセンテープ』の勉強会を行いました。

令和元年10月24日(木)福智クリニックにて「ロナセンテープ」の勉強会を行いました。ロナセンテープは、これまで経口剤(錠剤)としてあった抗精神病薬ロナセンの経皮吸収型製剤(テープ製剤)です。

臨床試験の内容、発現する副作用、薬の有効性などを製薬メーカーの方に説明していただきましたが、全体としてデメリットよりもメリットの方が多い印象を受けました。

テープ製剤のメリットは、消化管吸収の影響や肝臓での代謝の影響を受けないこと・長時間一定した薬物血中濃度が得られること・薬をやめたいときにははがすことですぐに中止できること・嚥下が困難な方でも利用できることなどがあります。一方でデメリットは人によっては皮膚の炎症が起きてしまうことです。

一日一回入浴前にはがし入浴後に貼る、ということができれば薬を飲むタイミングを気にする必要がなく、統合失調症の薬としては画期的ではないでしょうか。

今回は勉強会の参加者も18人と多く、質問もたくさん出ました。日常的にプールで泳いでいるなど、テープ製剤が向かない生活習慣の方もいらっしゃると思いますが、気になる方は一度主治医の先生にご相談されてはどうかと思います。

『ブロナンセリン貼付剤発売記念講演会』に参加しました。

令和元年10月16日、メルパルク名古屋にてブロナンセリン貼付剤発売記念講演会がありました。

一般演題は、ブロナンセリン貼付剤の治験を担当された坪井宗二先生(桶狭間病院藤田こころケアセンター)の講演でした。世界初の経皮吸収型抗精神病薬ということで、どうしたら患者さんがうまく使っていけるか試行錯誤されたそうです。貼付剤の管理や使用感などまだまだ課題はあるそうですが、貼付剤・内服薬・注射剤と患者さんの治療の選択肢が広がるのはとても良いことだと感じました。

特別講演は、岩波明先生(昭和大学医学部精神医学講座)が『発達障害と統合失調症』について講演されました。過去には「発達障害と統合失調症は併存しない」ととらえられていたようですが、現在では併存する症例も報告されているそうです。様々な視点から患者さんを診ていくことの大切さをあらためて感じ、精神科職員としても研鑚を続けていこうと思いました。

座長の尾崎紀夫先生(名古屋大学大学院医学系研究科)、大日本住友製薬株式会社様、ありがとうございました。

『慢性便秘症治療薬』の勉強会に参加しました。

令和元年10月3日福智クリニックにて『慢性便秘症治療薬』の勉強会がありました。

ポリエチレングリコール製剤は慢性便秘症に適応を持ち、水に溶かして飲むことで水分を腸まで届けて便をやわらかくし、腸の動きを活発にする治療薬です。

"慢性便秘"は身体面のみならず精神面でもQOLを障害し、患者の全体的な健康感に大きく影響してしまいます。

また便秘症の有病率は加齢とともに増加することが分かっており、高齢化社会が進む現代社会で見過ごすことのできない健康問題のひとつであると感じました。

『うつと疼痛のコントロール』の勉強会に参加しました。

令和元年10月1日、福智クリニックにて藤田医科大学医学部精神神経科学講座教授岩田仲生先生の講演動画による勉強会がありました。冒頭、仕事の生産性について考える際に重要な概念である「アブセンティズム」と「プレゼンティズム」について説明がありました。

  • アブセンティズム:欠勤や休職、遅刻早退など、職場にいることができず業務に就けない状態。
  • プレゼンティズム:出勤しているにも関わらず、心身の健康上の問題により、パフォーマンスが低下している状態。

 また、デュロキセチン塩酸塩は、役割の異なるそれぞれの神経で効果を発揮することができ、複数の疾患に対して効果を示すことができるそうです。そのため、「うつ病・うつ状態」のみならず、痛みに対しても効果が高いというお話がありました。

最後に北村院長より、「痛みは他の人にはわかりづらいもの。うつ状態になると小さな痛みも大きく感じてしまうことがあり、どちらも診ていかなければならない。」というコメントがあり、精神症状だけでなく、身体的不調にも寄り添う大切さをあらためて感じました。

『患者との協働で築く医療安全』に参加してきました。

  • 日時:令和元年8月5日(月)午後2時~午後3時30分
  • 場所:今池ガスビルガスホール
  • 演題:患者との協働で築く医療安全
  • 講師:認定NPO法人ささえあい医療人権センターCOML
       理事長 山口 育子氏

 まずCOMLの活動についての紹介があり、「聞く」ということに重きをおき、相談1件につき平均40分をかけているといことでした。そして活動の中での最近の相談の傾向についての話がありました。

 次に、2015年10月からスタートした医療事故調査制度についての説明があり、いまだ制度自体が正確には理解されていない現状の説明がありました。患者が望むインフォームド・コンセントとはどういったものなのか、医療者に求められることはどういうことなのか、ということについての言及がありました。どのような言葉をかけるのか、ちょっとした配慮で受け止め方が変わることなどを分かりやすく解説していただきました。

 日々の患者様とのコミュニケーションの中で、聞く姿勢ともう一歩踏み込みコミュニケーションを心掛けていきたいと、振り返る機会となりました。

令和元年度 家族会年間予定のご案内

令和元年度 福智会家族会 年間予定
今年度の家族会の年間予定をお知らせします。

次回の家族会は、9月13日(金)18時から、すずかけクリニック4階で行われます。テーマは「薬について」です。みゆきファーマシーの薬剤師さんがお話をしてくださいます。

みなさま、是非お越しください。

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家族会のホームページもご覧下さい。
福智会家族会はこちら

『発達障害とてんかんを考える会in名古屋』に参加してきました。

『発達障害とてんかんを考える会in名古屋』

  • 日 時:2019年7月12日(金)19:00~21:00
  • 場 所:エーザイ株式会社 名古屋コミュニケーションオフィス

特別講演1
「成人に達した小児てんかん患者の包括的医療」~てんかん専門クリニックの立場から~
森川クリニック 院長 森川健基先生

特別講演2
「成人になったASD」~凹凸と共に生きる~
浜松医科大学 児童青年期精神医学講座 客員教授 杉山登志郎 先生

の2つの講演が行われ、当院から5名のスタッフが参加しました。

森川先生の講演では、ペランパネルの臨床効果についての報告と、バイタリティーあふれる普段の診療の様子を話していただき、とても参考になりました。

また、日本における高機能自閉症やアスペルガー症候群の権威の一人でおられる杉山先生の講演では、「以前に比べ発達障害の医学的診断名が増え、知的障害が減少している。知能指数を当てにしないグループが少なくない」、「ASDと自閉症を分けた方が良いのでは?」などといったコメントがあり、「自閉症スペクトラムをどう理解したら良いのか、また注意欠陥多動性障害(+ASD)への対応をどうするのか? 学校現場で愛着障害が増えている」など、普段現場で悩んでいることをわかりやすく説明いただき大変勉強になりました。

各先生方、貴重なお話をありがとうございました。

『てんかんにおける診療連携を考える会』に参加してきました。

『てんかんにおける診療連携を考える会』

  • 日 時:2019年7月11日(木)19:00~21:00
  • 場 所:名古屋マリオットアソシアホテル17階 「ルピナス」

当院からは3名のスタッフが参加しました。本会では、

【1】むさしの国分寺クリニック 院長
加藤 昌明 先生による『てんかん患者の妊娠・出産~薬剤の選び方と使い方~』

【2】東京大学大学院医学系研究科
生殖・発達・加齢医学専攻 小児医学講座 教授
岡 明 先生による『てんかんに併発する神経発達症について』

という2つの講演が行われました。

それぞれ現状や具体的なアプローチについてモデルケースなど交えながら分かりやすく説明して頂き、とても勉強になりました。

各先生方、貴重なお話をありがとうございました。

第39回名古屋サイコソーシャルリハビリテーション研究会が開催されました。

第39回サイコソーシャルリハビリテーション研究会(共催:ユーシービージャパン株式会社)

  • 日 時:2019年6月29日(土)17:00~18:30
  • 会 場:ホテルメルパルク名古屋 3階「シリウス」
  • 参加費:1000円
  • 一般演題:「多機能垂直型診療所における支援の成功例」
    医療法人福智会すずかけクリニック 心理士 百瀬裕一郎
  • 特別講演:「認知症とてんかん」
  • 高知大学医学部 神経精神科学教室 教授 數井裕光先生

当院からは8名参加してきました。

百瀬心理士からは当福智会が実践している「多機能垂直型診療所」としての実践成功例の報告がありました。①入口の広さ・受け皿の多さ、②迅速かつ幅広い支援=機動力、③地域生活へとつなぐ支援の3点をポイントとし具体的な事例をもとに説明がなされました。

數井先生からは、特発性正常圧水頭症(地域在住高齢者の1.1%の頻度)やアルツハイマー病・若年性アルツハイマー病について、一過性てんかん性健忘(TEA)とアルツハイマー病との記憶障害の鑑別についての話、認知症とてんかんの合併についての話、レビー小体型認知症についてなど幅広い内容の話がありました。「認知症ちえのわnet」というケア体験者の成功例の集約をするサイトの話もあり得るのものの大きい研修会でした。