不眠症治療薬「スボレキサント」の勉強会を行いました

令和5年8月、福智クリニックにて不眠症治療薬「スボレキサント」の勉強会を行いました。

スボレキサントは、オレキシン受容体拮抗薬に分類される、新しい不眠症治療薬の内の1つです。

オレキシンは、覚醒と睡眠を調節する神経伝達物質の1つです。オレキシンが自身の受容体(オレキシン受容体)へ作用すると覚醒が維持されるため、オレキシン受容体を阻害することで脳を睡眠の状態にさせることができます。

スボレキサントは依存性が低く、夜中に途中で目が醒めてしまった時に再び眠りやすい、レム睡眠・ノンレム睡眠のバランスを崩すことなく寝つきを良くすることができるという特徴があるそうです。また、筋弛緩作用はないため、服用後に足がふらついて転倒してしまうといったこともおきにくいそうです。

スボレキサント以外にも不眠症に関する治療薬は複数ございますので、睡眠についてお困りのことがありましたら、診察にて医師にご相談ください。

医療安全対策講習会に参加しました

令和5年7月29日、名古屋市医師会医療安全対策講習会に参加しました。

「静脈穿刺と神経損傷~医療安全管理の観点より~」
中東遠総合医療センター 整形外科・手外科センター 石井久雄先生

今回は、上記のテーマで講演を聞かせていただきました。当院でも血液検査をさせていただくことがありますが、採血時に「手がしびれたりしていませんか?」と聞かれた経験があるかと思います。

神経に針かあたってしまった場合、採血後に手にしびれが残ってしまうことがありますが、その神経症状は3~6か月程度で必ず治るそうです。また、その間の過ごし方としては、過度に手を使うことを避けるのではなく、普通に手を使って過ごした方が良いそうです。

しびれ以外にも、万が一、麻痺や腫脹など気になることがあった場合には、神経外科に受診して欲しいとのことでした。患者様の中には、「採血をすると気分が悪くなる」など採血が苦手な方もいらっしゃるかと思います。

採血時は、患者様に負担にならないよう、また、出来る限り上記のようなことが起こらないよう注意して行いますので、何か不安なことがありましたら医師・看護師に遠慮なくお伝えください。

SSTのVR体験を行いました

令和5年4月11日、福智クリニック医局にて、ソーシャルスキルトレーニング(SST)仮想現実(VR)「FACE DUO(フェイスデュオ)」をスタッフが体験をしました。

FACE DUOはVR技術を用いたバーチャル映像により、普段の社会生活の中で起こるような様々な場面を教材化したSST普及協会監修のプログラムです。

統合失調症の患者さんが、社会で人と関わりながら生きていくために必要なソーシャルスキルの獲得・向上を目的に開発されたそうです。

SSTは、精神疾患を持つ患者さんの社会復帰への援助に役立つものとされています。しかし、SSTを実施するには専門知識や訓練が必要となるため、実施するスタッフが経験を積まなければいけません。

FACE DUOはVRコンテンツでリアルな当事者体験が再現されるため、従来のSSTに比べてプログラム参加者が場面を理解しやすくなります。

さらに、映像の中で、その時どう対処したら良いか、患者さん向けの工夫が示されるため、専門知識や経験が少ないスタッフでも安心して実施できるそうです。

今回の体験を通し、SSTを行う上でのポイント(場面設定の大切さなど)を改めて理解することができました。

医療者のためのてんかん講習会に参加しました

令和5年3月4日、2022年度愛知県てんかん治療医療連携協議会 医療者のためのてんかん講習会にオンライン参加しました。

1.てんかんのリカバリー

医療法人福智会 すずかけクリニック院長 福智寿彦先生

てんかんは、正しく治療をすすめれば7割は改善される疾患です。病から立ち直るためには、診察を受け内服することはもちろん大切ですが、

  • 希望
  • エンパワメント
  • 自己責任
  • 生活の中の有意義な役割(社会と関わっていくこと)

がとても重要です。

てんかん患者さんにとっても就労することはとても大切なことですが、職に就けるかどうかは発作の頻度も重要となってきます。病名を開示し、発作が出た場合はどう対応してもらうのが良いかなど、職場と相談しながらやっていくことが大切です。また、発作以外にも対人関係面などに問題を抱えるケースもみられるため、そういった側面からの支援も必要です。社会の中で今よりも成長して自分の力を発揮するためには、発作のみならず身体的側面、心理社会的側面など様々な側面からのサポートが必要です。そのためには、医師、看護師、精神保健福祉士、心理士などが協力し合うチーム医療が必要であると話されていました。

2.知ってほしいてんかんのこと~家族からのメッセージ~

患者さん御家族 横関広子氏

てんかん発作には、患者さんそれぞれの発作のパターンがあります。睡眠不足や疲労が発作の引き金となってしまうこともあるため、てんかんと付き合っていくためには、自分(患者さん)自身のことを見直すこと、てんかんを正しく学ぶことが重要であると話されていました。

また、患者さんを支える家族としても、

  • てんかんに無知である
  • てんかんについて学ぶ場がない
  • 飲んでいる薬を覚えていない
  • てんかん専門医のことを知らない

などの問題点を抱えている場合があるそうです。せめて現在どの薬をどのくらいの量内服しているかはわかっておくこと、副作用についても様々な情報に惑わされず、主治医にきちんと相談することが大切だと話されていました。

3.高齢者てんかん

愛知医科大学精神神経科 准教授 櫻井高太郎先生

てんかんの有病率は全人口の0.27~1.76%ですが、幼児期と高齢期に多いU字型であるという特徴がみられます。焦点意識減発作では、痙攣は少なく、手を動かしたりぼーっとしたりし、呼びかけにも応じません。朦朧状態が長く続き、その間のことを本人は覚えていません。キョロキョロする、手を振り払おうとする、ベッドから降りようとするなどの行動がみられることもあり、脳梗塞や脳卒中、認知症などが原因となっていることもあるそうです。患者さんの様子をしっかり観察し、適切な薬を使って治療をすることが大切であると話されていました。

4.ご自分の患者さんの中にてんかんを持つ人がいらっしゃった場合

愛知医科大学精神神経科 教授 兼本浩祐先生

てんかん発作のコントロールなどなかなか難しい場合などには、兼本先生、櫻井先生、福智先生などてんかん専門医に紹介・相談してくださいとのことでした。

今回の講習を受講し、てんかんの知識を深めていくとともに、多職種のチームで支援していくことの大切さをあらためて学びました。てんかんでお困りの方、一度受診されたい方などいらっしゃいましたら、すずかけクリニックまでお問い合わせください。

ADHD治療薬「グアンファシン」の勉強会を開催しました

令和5年1月26日、福智クリニック医局にてADHD(注意欠陥多動性障害)治療薬グアンファシンの勉強会を開催しました。

ADHD(注意欠陥多動性障害)とは不注意、多動性、衝動性を中核症状とした発達障害です。具体的な症状としては、集中力がない、忘れ物やミスが多い、思いついたらすぐに言動・行動に移してしまうなどがあります。これらの特性や行動によって日常生活の様々な場面で困難を感じやすくなります。またADHDは認知機能や実行機能などに関わる脳の前頭前皮質が上手く作用せず、情報のやりとりが十分に行われていない可能性があり、遺伝的な要因や環境的な要因が複雑に関係していると言われています。

ADHDの治療は心理社会的治療や薬物治療があり、個人の状況に合わせて治療を行います

今回の勉強会でとりあげられたグアンファシンは、小児と成人(18歳以上)が服用できるADHD治療薬となっています。副交感神経を優位にさせるお薬のため、過活動の人は効果を感じやすいそうです。また、ADHDの方の中には、うつや不安障害などの二次障害を併発してしまうことも多くみられます。

服薬時間に関しては、眠る5時間前に服用すると効果を感じやすくなるとのことでした。

また、副作用として日中の眠気を感じやすい人が多いという報告もあります。飲み続けることで軽減される人もいますが、副作用など気になることがありましたら医師に診察でご相談ください。

ADHDの治療目標として、家庭や職場など普段の生活の中で感じている生きづらさなどを軽減し、自身の特性と上手く付き合っていけるようになることが大切です。その治療法の一つに薬物治療という選択肢があります。ADHDの治療薬は他にもありますので気になるお薬などありましたら診察でご相談ください。

クエチアピンの勉強会を開催しました

令和4年12月13日(火)、福智クリニックでクエチアピン徐放錠の勉強会を行いました。

クエチアピン徐放錠は双極性障害のうつ症状治療薬として使用されている薬剤のひとつです。

身体の中で薬の効果が期待できる時間というのは、薬によって異なります。1日に何度も服用するのは手間がかかり、飲み忘れに繋がっている方もいるのではないでしょうか。そのため安定した効果を持続させるのが難しいことがあります。
徐放錠とは、薬の効果を切らさないために、薬の有効成分がゆっくりと溶け出し、吸収されるように工夫されている薬剤のことです。

そのため1日1回の服用で効果が持続します。内服するタイミングは、就寝前の1回のみで、食後2時間以上経過していることが大切です。
また、徐放錠は割ったり、噛み砕いたりせずに服用することで効果が期待できますので、服用時は気をつける必要があります。

ライフスタイルや症状によって、自分に合った薬の服用を継続することが大切になります。効果や副作用などをふまえ、ご自身に合った内服の選択をしていただけたらと思います。
少しでも気になることや興味がありましたら、診察時に気軽にご相談ください。

ベンラファキシンの勉強会を開催しました

令和4年10月20日、福智クリニック医局にてベンラファキシンの勉強会を開催しました。

ベンラファキシンはセロトニン・ノルアドレナリンなどといった神経伝達物質の再取り込みを阻害する抗うつ薬として知られています。セロトニンとノルアドレナリンが減少するとうつ症状が出現しやすくなります。

ベンラファキシンは不安症状やイライラ、気分の落ち込みなどといったうつ症状に効果があり、日本で発売されてから約7年経ちます。カプセル型のお薬で低容量から服用することができ、年齢や病状に合わせて調節することができます。

抗うつ薬は他にも多数ありますが、自分に適したお薬を選択し服用を続けることが大切です。うつ症状を改善させると、QOL(生活の質)や日中の活動性の向上にも繋がります。お薬の副作用が心配、効き目を感じにくいなど、お薬のことで何か心配なことなどありましたら、まずは診察にてご相談ください。

医療安全対策講習会に参加しました

令和4年10月8日(土)、医療安全対策講習会に参加しました。

演題:「医療事故から学ぶ組織のリスクマネジメント」

講師:医療コンフリクトマネージャー 永井 弥生先生

永井先生の講演では、医療事故を予防するために組織として日常的にどのようなマネジメントを行っていく必要があるかについてお話して頂きました。

医療事故を防ぐには三つのリスクマネジメントを考慮する必要があり、

  • エラー(ヒューマンエラーを生じさせないシステム作り、基本に沿った手順を踏み確認を怠らないこと)
  • クオリティ(日常診療の質の向上、医療スタッフの教育や労務管理)
  • コンフリクト(医療事故後の対応を含む苦情やクレーム対応、情報共有など)

の三点を意識することが重要だそうです。また、安全文化の意識が高い医療機関は、エラーでなくても予想外の出来事が起きたら報告する頻度が高いというデータも報告されています。

しかし、医療においてリスクをゼロにすることは難しく、エラーが起きた後の対応や体制づくりを都度検討していく必要があります。また不満や違和感などは一つの出来事や言葉に対するそれぞれの解釈のずれから生じることが考えられます。

よって傾聴し共感すると共に事実を書き出し、問題解決に向け客観的に分析することで、信頼関係の構築ができるようになるとのことでした。

今回の講習会で学んだことを再確認し、当院でも患者さんと対話していくことはもちろんのことリスクマネジメントを意識することで医療安全に対する対応力を上げていきたいと思います。

ボルキオキセチン勉強会に参加しました

令和4年10月13日、福智クリニック医局にてうつ病治療薬「ボルチオキセチン」の勉強会を行いました。

ボルチオキセチンは「セロトニン再取り込み阻害・セロトニン受容体調節剤(S-RIM)」と呼ばれる抗うつ薬の1つであり、セロトニン、ノルアドレナリン、ドパミン、アセチルコリン、ヒスタミンなど複数の神経伝達物質に関与すると考えられています。

このお薬は、1日1回決まった時間に内服すれば良いので、その方のライフスタイルに合わせて、内服のタイミングを主治医と相談し決めていただくことができます。

うつ病の症状には、気分・感情に関連する症状(抑うつ気分、興味や喜びの消失など)、認知機能に関連する症状(思考力や集中力の減退など)、身体症状(不眠や過眠、疲労感など)など多様な症状がみられます。

治療を続けることによって気分が安定し、身体が回復してきても、認知機能に関連する症状がなかなか良くならないという方も中にはいらっしゃいます。

例えば、今まで3分あればメールを打てていたのに、文章を考えるのに1時間近くかかってしまう、料理の手際が悪くなり時間がかかってしまうなどの症状にお困りの方もいらっしゃるのではないでしょうか。

うつ病の治療は、病状の回復だけでなく、機能的リカバリー(QOLの回復)も大切です。何か気になる症状などございましたら、どんなことでも構いませんので診察にてご相談ください。

第22回成人のためのてんかん診療フォーラムに参加しました

令和4年10月8日、オンラインにて、成人のためのてんかん診療フォーラムに参加しました。

「てんかんの精神症状に対する治療戦略」愛知医科大学 精神科学講座 准教授 櫻井 高太郎 先生

外来に受診されるてんかん患者さんを調査すると、約3割に、てんかん精神病、気分障害、神経症(PNESを含む)などの精神症状があることがわかっているそうです。

また、精神発達遅滞、自閉スペクトラム症を伴う方もいらっしゃいます。患者さんの不安や抑うつ症状を取り除くには、まずはてんかんの適切な診断と治療をしていくことが重要です。

また、PNES(心因性非てんかん発作)は、診断プロセスそのものが治療の第一歩ですが、医師でもPNESとてんかん発作の鑑別は難しいそうです。

PNESは一定期間観察し、診断を確定し、不要な抗てんかん薬は減薬中止していく必要があり、転換性障害としてきちんと対処することが求められます。

「高齢者てんかんと認知症の鑑別―相互関連性を含めて―」上善神経医院 院長 伊藤 ますみ 先生

てんかんが認知症と誤診されやすい理由は、意識消失している記憶がないため、自覚的な物忘れと思ってしまうことが多く、物忘れ外来にかかってしまうことが多いためであるようです。記憶障害を呈する発作として、側頭葉てんかんの特殊型で、初老期以降に発症する等の特徴があります。

発作間欠期にも特異な認知機能低下が持続するため、より認知症と誤診されやすくなります。しかし、これらは抗てんかん薬で改善するものです。

認知症に極めて類似するものとして「持続性てんかん性記憶障害」があります。記銘力の低下、自発性低下、易怒性、うつなどの精神症状を伴うことやADLの低下が顕著に表れます。てんかん発作が欠如したり、遅れて発症したりすることもあるため注意が必要ですが、こちらも抗てんかん薬にて症状が改善します。

また、50歳以上のてんかん患者はてんかんのない患者よりも認知症の発症率が高いとされています。伊藤先生の病院でも比較調査をされており、高齢発症てんかんに記憶障害の合併が多いという結果が確認されました。

抗てんかん薬で認知機能の低下を抑制する事ができないかを検討する研究がなされましたが、現段階では思うような結果は得られておらず、今後も引き続き研究が必要であるそうです。

以上のようなお話をうかがい、てんかん患者さんの発作状況の観察だけでなく、精神面・認知面にもしっかり目を向けてかかわらせていただくことが重要であるとあらためて学ぶことができました。


不眠症治療薬スボレキサントの勉強会を開催しました。

令和4年9月26日、福智クリニック医局にて不眠症治療薬スボレキサントの勉強会を行いました。勉強会では、下記のオンライン講演を聞かせていただきました。

奈良県立医科大学 精神医学講座 准教授 牧之段 学 先生

「発達障害の不眠症~オレキシンの役割を再考する~」

自閉症スペクトラム障害(ASD)、注意欠陥多動性障害(ADHD)は不眠症を合併することが多く、その合併率は、自閉症スペクトラム障害(ASD)では50~80%、注意欠陥多動性障害(ADHD)では、25~50%だそうです。

不眠症とは「寝つきが悪い(入眠困難)」、「夜中によく目が覚める(中途覚醒)」、「朝早く目が覚める(早朝覚醒)」などの症状が続き、日中の眠気、注意力の低下、不安やイライラなどといった様々な体調不良が起こる状態を指します。

不眠症治療薬スボレキサントは、覚醒状態の維持に関わるオレキシン受容体へ作用することで寝つきをよくし、眠りを維持する働きがあるそうです。
 
また不眠症の治療においては、お薬も大切ですが、不眠の原因となる生活習慣を改善することも重要だと話されていました。

生活習慣の改善

以下の一日の流れを参考にして、生活習慣を見直してみましょう。

  • 同じ時刻に起床し、朝の光を浴びる。
  • 昼寝をするなら午後3時頃までに20~30分程度にする。
  • 夕食前後に軽い運動をする。
  • 寝室は寝る目的のみに使用する。
  • 睡眠中は騒音、光、極端な温度変化を避ける。

これらの工夫をしてみても、うまく睡眠がとれないなどお困りのことがございましたら、診察にてご相談ください。

てんかん診療連携ウェブセミナーに参加しました

令和4年8月2日、てんかん診療連携ウェブセミナーに参加し、下記の2つの講演を聞かせていただきました。

総合座長:名古屋大学大学院医学系研究科 障害児(者)医療学寄附講座 教授 夏目 淳先生

【講演1】名古屋大学医学部附属病院 小児科  助教 山本 啓之 先生「小児科からみたトランジションの現状と課題」

トランジション(移行)とは、小児を中心とした医療から成人を対象とする医療に切り替えていくプロセスのことです。てんかん治療では適切なタイミングでトランジション(移行)することが重要ですが、小児科医が成人になった患者さんをそのまま診ていることが多いという現状があるそうです。

なぜこのような現状になっているかという背景には、精神的、心理的、内科的合併症を診ることの難しさや、近くに成人てんかんの専門医がいないことが挙げられるそうです。

てんかん治療において、症状やサポートの必要度は患者さんによって大きく異なります。個々の状況に応じた形でのトランジション(移行)が必要であり、小児科医と成人てんかん専門医の連携が重要であるとのことでした。

そして、患者さんが未成年である小児科では、保護者の意向が治療の中心となることが多くみられますが、患者さんが成人になるにつれ、患者さん自身が自分の病気を理解すること、そして患者さん自身が中心となって治療していくことが重要であるとお話しされていました。

【講演2】 医療法人福智会 すずかけクリニック  院長 福智 寿彦「トランジションの受け皿としての役割~発達、リハビリ、就労を踏まえて~」

講演2は当法人理事長による講演でした。てんかん治療のトランジションのポイントとして、

  • 移行時期は高校生になったタイミングが良いこと
  • 成人期になると副作用の問題などからリスクがあっても変薬しなければならないケースがあること
  • 移行期に、治療の主体を保護者から本人に移行することが大切であること

が挙げられていました。

そして、患者さんの人生全体を考えて就労支援をすること、てんかん発作のコントロールだけではなく、患者さんが自分らしく生きることや社会の中で役割を持つことが大切であるとのお話がありました。

また、てんかん治療におけるリカバリーの4つのステップについて解説がありました。そのステップとは

  • 希望:目標を見つける
  • エンパワメント:自分の強みに注目する
  • 自己責任:自分の目標・行動・選択に責任を持てるようにする
  • 自分の役割:社会の中で役割を見出し、自信を強化する

の4つです。

このリカバリーの概念は、てんかん治療だけでなく、福智会で関わらせていただく様々な患者さんの治療に共通する概念です。今後も、この概念を常に念頭に起きながら、福智会職員一同、みなさんのリカバリーをサポートしていきたいと思います。


福智会職員研修を開催しました

令和4年7月30日すずかけクリニックにて、令和4年度福智会職員研修を開催され、福智寿彦理事長より、福智会の沿革や理念についてのお話がありました。

コロナ禍になる前は、年に一度開催されていた研修会ですが、ここ数年は新人職員のみに人数を絞っての開催となっていました。

今回は久しぶりに全職員が集まることができ、福智会で一丸となって患者さんの治療、リカバリーを目指していきたいと思いました。

  • 福智会職員研修
  • 福智会職員研修

統合失調症治療薬「アセナピンマレイン酸塩」の勉強会を行いました。

令和4年7月26日(火)福智クリニックにて統合失調症治療薬「アセナピンマレイン酸塩」の勉強会を行いました。

アセナピンマレイン酸塩は統合失調症の治療薬で舌の下に薬を置くと口腔内の唾液によって速やかに溶け、有効成分が体の中に届けられる舌下錠という剤形のお薬となっています。

薬を舌の下に2分置くことで約8割、5分で約9割の効果が発揮されるそうです。体重増加のリスクも少なく、糖尿病があっても内服できるそうです。

しかし適切な効果を得るためには薬を服用後、水分を含め飲食を10分間控えて頂く必要があります。また、飲み込まずに口腔内に留めておく必要があるため口腔内に違和感を感じたり、服用方法を負担に感じる方も少なからずいらっしゃるそうです。

統合失調症の治療薬は今回取り上げた舌下錠以外にも持続性注射剤や経皮吸収型製剤、経口薬など様々な薬の剤形や種類があるため、医師や薬剤師と相談し、自身のライフスタイルや病状に合わせて、お薬を選択し服薬を継続していくことが大切になります。

薬のことで気になることなどありましたら、診察で気軽にご相談下さい。

ADHD治療薬 グアンファシンの勉強会を開催しました。

令和4年7月12日、福智クリニック医局にてADHD(注意欠陥多動性障害)治療薬グアンファシンの勉強会を開催しました。

ADHDとは、注意を持続させることが困難である、物事を順序立てて行動できない、落ち着きがない、待てないなどの症状が生まれつき持続している状態のことを指し、人間関係や仕事など日常生活に様々な影響を与える可能性があります。

不注意や衝動性による生活上のつまずきは自尊心などの低下に繋がり、適応障害や不安障害、うつなどの症状を併発される方も多いと言われています。

症状は、多動性、衝動性、不注意性のいずれかが高かったり、症状が混合していたりなど人によって様々ですが、ADHDの方の約62%は、症状が混合しているそうです。

ADHDの症状は前頭皮質における神経伝達物質の調節異常が関連していると考えられており、グアンファシンは神経伝達物質を適切に調節することで思考、行動、感情などをコントロールし、副交感神経を優位にして症状を抑えるお薬となっています。

服薬時間や食事のタイミングなどによる制約はありませんが、眠気などの副作用が生じることがあるため、自身の生活スタイルに合わせて薬を飲むタイミングを主治医と相談して決めていただきます。

どのようなお薬でも(特に飲み始めてしばらくは)多少なりとも副作用が表れる可能性はあります。しかし、服用を続けていただくことで、少しずつ副作用が落ち着き、薬本来の効果が出てくる場合もあります。

また。今回取り上げたグアンファシン以外にもADHDの治療薬はございますので、何かご心配なことがございましたら診察で気軽にご相談下さい。

バルベナジントシル酸塩カプセル勉強会を行いました。

令和4年6月28日(火)福智クリニックにて遅発性ジスキネジア治療剤「バルベナジントシル酸塩カプセル」の勉強会を行いました。

遅発性ジスキネジアとは、自分ではなかなか止められない、止めようとしてもすぐに動いてしまうなど、自分の意思とは無関係に起きる運動をもたらす神経の障害であり、抗精神病薬などのお薬を使用することで発症することがあると言われています。

代表的な症状として、無意識に口をすぼめる、舌を動かす、口をもぐもぐさせるなどが挙げられます。また口や顔以外に、手が勝手に動いてしまう、足が動いてしまって歩きにくいなど、手足や体にも症状がみられることがあります。

人により発症する部位や程度は異なりますが、食事、会話、呼吸など様々な日常活動に影響を及ぼします。勉強会ではよくみられる症状をビデオでいくつか見させて頂きました。遅発性ジスキネジアの発症のメカニズムはまだ解明されていませんが、ドパミンに対する感受性が増大され、運動に関する情報が過剰に伝達されてしまい、自分の意思とは無関係な運動を引き起こしていると考えられています。

バルベナジントシル酸塩カプセルは過剰な情報伝達を抑制して、遅発性ジスキネジアを改善するお薬となっています。

日本では令和4年より発売となった新薬となります。

服用の際は条件などありますが、原疾患の治療を続けながら併行して遅発性ジスキネジアの治療が出来るそうです。まずは診察の際に医師や薬剤師などにご相談下さい。

福智会納涼会2022のお知らせ

福智会納涼会2022のお知らせです。

福智会納涼会2022のお知らせ日時:7月10日(日)
会場:吹上展望ホール

盆踊りや寸劇など様々な企画を用意しております。

お時間のある方はぜひご参加下さい。

プログラム詳細は写真にてご確認お願いします。

プログラム表は福智外来でも配布しておりますので

ご自由にお取り下さい。また、分からないことなどありましたら

気軽にお声がけ下さい。皆様の参加をお待ちしています。

片頭痛治療剤 ラスミジタンコハク酸塩の勉強会に参加しました。

令和4年6月15日福智クリニック医局にて、新しい片頭痛治療剤であるラスミジタンコハク酸塩の勉強会を行いました。

日本で片頭痛に悩まれている方は人口の約8.4%、900万人いると言われているそうです。しかし、実際に受診して治療を受けている方は、その内の40~50万人程度にしか過ぎないようです。

これまで、片頭痛が起きた時に飲むお薬としてはトリプタン製剤が主に使われてきました。通常の内服薬や点鼻薬、注射剤などいろいろな剤形があり、自分に合うお薬を選択しやすいのですが、痛みが強くなってからでは効果が出にくいこともあり、服薬のタイミングの難しさが課題と言われていました。

今回、発売されたラスミジタンコハク酸塩は、初めてのジタン系製剤で、セロトニン1F受容体に選択的に作用し、血管を収縮させずに頭痛を消失、改善することができるお薬だそうです。症状によって50mg~200mg/日まで使うことができます。しかし、お薬に慣れるまでには眠気やめまいなどの症状が出る方もいらっしゃるようです。

このように、片頭痛治療の選択肢が増えたことはとても良いことだと思います。そもそもその頭痛が片頭痛であるのかをきちんと相談された上で、治療をしていくことが大切です。頭痛でお困りの方がいらっしゃいましたら、診察にてご相談下さい。

ベンラファキシン勉強会を開催しました。

令和4年6月7日、福智クリニック医局にてベンラファキシンの勉強会を開催しました。

うつ病はセロトニンとノルアドレナリンが関与しており、セロトニンは抑うつ気分、無価値観などの不安症状に、ノルアドレナリンは集中力や活力の低下など意欲の低下に影響すると言われています。

ベンラファキシンは抗うつ薬の1つで、中枢神経や末梢神経に存在するオピオイド受容体に働きかけ、うつ症状などにアプローチするそうです。

またセロトニンを運ぶ役割をする物質である"セロトニントランスポーター"の占有率が高く、用量は37.5㎎から最大225㎎まで調整可能です。

低用量から服用することができ、不安障害やうつなどといった症状ごとに用量を調整することができます。

また、今回取り上げたベンラファキシン以外にも抗うつ薬はありますので、飲み合わせ・効果の感じ方・副作用などをふまえ、ご自身に適したお薬を選択して頂けたらと思います。

お薬のことで気になることがありましたら、診察で医師にご相談下さい。

名古屋サイコソーシャルリハビリテーション研究会に参加しました。

令和4年4月23日(土)名古屋ルーセントタワーにて「名古屋サイコソーシャルリハビリテーション研究会」が開催されました。

【一般講演】 愛知医科大学 精神科学講座 藤田貢平先生 『アセナピンの使用経験と展望』

アセナピンは統合失調症の治療に使われるお薬です。これまでのお薬に比べ、副作用である錐体外路症状※や血糖値の上昇を防ぐことが期待できるそうです。

そのため、抗精神病薬の服用により錐体外路症状の出やすい方、糖尿病の方などにも使っていただきやすいお薬だそうです。

※錐体外路症状とは、ジストニア(首や体がつっぱって曲がってしまう)、ジスキネジア(口をもぐもぐさせる、舌が出てしまうなど自分の意思で止めることができない動き)、アカシジア(じっとしていられない)、パーキンソニズム(手足がふるえる、小刻み歩行)などの症状のこと。

また、アセナピンは舌下錠であるため、内服する際、

①舌の下に薬を置き、飲み込まない
②服用後、10分間は水分摂取を控える

という注意点があります。

しかし、先ほど触れたように副作用が少なく、過鎮静(お薬が必要以上に効きすぎてしまい、眠気やふらつきが起こってしまうこと)になりづらいというメリットがあります。

これまでどのようなお薬で治療されてきたか、どういった症状に困っているか、どのようなライフスタイルかなど診察でお話していただき、主治医と一緒にご自身に合ったお薬を選んでいただければと思います。

【特別講演】 関西医科大学 精神神経科学教室 教授 木下利彦先生『Art Brut(アール・ブリュット)の世界』

Art Brutとは、生の芸術と言われています。精神病患者に限っているわけではありませんが、精神病患者の作品が中心となっています。病気を抱えながら、極度の苦しみの中で作品を作り出すため、「芸術と狂気」とも表現されるそうです。

このようなArt Brutから見る統合失調症患者の絵の特徴として、

①目に対してのこだわり
②真正面から人物の顔をとらえる
③線で書く

の3つが挙げられます。

この他にも、シンメトリーが多い、意味があるないに関わらず文字が入るなどの特徴もあるようです。

Art Brutは、美術教育を受けていない人が内的衝動に駆られて作りあげられた芸術であると定義されています。今回の講演では、アドルフ・ベルフリをはじめ、入院生活が長い統合失調症患者の作品をご紹介いただきました。

目に対してのこだわりが現れている作品は多数あり、その理由の一つとして「目は社会性の原形で、言葉によるコミュニケーションよりも重要であると考えられている」という説もあるそうです。

当院のデイナイトケアでも、ものづくりなどのプログラムを行っています。私たちスタッフも患者さんと一緒にプログラムの中で多くの作品に触れ、学んだことを思い浮かべながらプログラムに取り組んでいきたいと思います。

ボルキオキセチン勉強会を行いました。

令和4年4月14日、福智クリニックにてうつ病の治療薬ボルキオキセチンの勉強会を行いました。

うつ状態になるとノルアドレナリンやドパミンの分泌量が低下し、楽しいことを楽しいと感じなくなったり、悲しいことを悲しいと感じなくなったりする"エモーショナルブランティング"というものが出現します。

ボルキオキセチンは"エモーショナルブランティング"に働きかける薬で、個人の意欲や認知機能を向上させる働きがあり、QOL(生活の質)の向上やリカバリーに繋がるお薬となっています。

また個人差はありますが、離脱症状が出づらく、服薬時間に制限がないため、患者さんの意向や生活リズムに合わせて服用できることなどがメリットとしてあげられるそうです。
 
今回取り上げたボルキオキセチン以外にもうつ病の治療薬はありますので、ご自身に適した薬を選択して頂けたらと思います。

何か気になることなどありましたら診察などで医師にご相談下さい。

パリペリドンTRIの勉強会を行いました。

令和4年4月5日(火)、福智クリニック医局にてパリペリドンTRIの勉強会を行いました。

パリペリドンTRIは、パリペリドンLAI(4週間隔筋注製剤)をもとに効き目の長さを12週間に延ばした製剤です。

パリペリドンTRIでは、12週に1度注射することで、その間服薬する必要がなく、薬を飲み忘れるといった心配もありません。統合失調症の治療において、服薬を継続することは再発を防止するためにとても大切になります。

また、パリペリドンTRIはパリペリドンLAIに比べ注射負担や通院負担が軽減し、投与の確実性も向上するため、就労を目指す方に大きなメリットになります。

しかし、内服治療を続けたい方や注射による痛みが気になる方などもいらっしゃると思いますので、それぞれのライフスタイルによって自分に適した服薬方法を選択していくことが重要となります。

もしご興味などありましたら一度診察にてご相談下さい。

スボレキサント勉強会を行いました。

令和4年3月14日(月)福智クリニックにてWEB勉強会を行いました。

順天堂大学大学院医学研究科 精神・行動科学 先任准教授 臼井千恵先生による不眠症をテーマとした講演でした。

うつ病と不眠症は密接に関連しており、海外で行われた調査ではうつ病患者の84.7%に不眠症状がみられ、うつ病が寛解しても睡眠障害があると再発率が高くなることが報告されています。

その不眠症状には入眠困難(なかなか寝付けない)・早朝覚醒(朝早く目が覚める)・中途覚醒(夜中によく目が覚める)といったタイプがあります。

不眠症の治療にはまず日常生活を見直し、生活習慣を改善することが重要となります。

就寝前のカフェイン・アルコール・喫煙・激しい運動を控える、寝る前にスマホなど明るい光を見ないなど不眠の原因となる生活習慣を見直すことが最優先です。

また必要な睡眠時間は人によって異なるため、日中の眠気で困らない程度の自然な睡眠をとること、それでも眠れない場合などは専門家に相談することが大切とのことでした。

今回取り上げられた不眠症治療薬"スボレキサント"は睡眠維持効果に優れたお薬と知られ、日本で発売してから約7年になるそうです。

スボレキサント以外にも不眠症に関する治療薬はいくつかありますので、薬や不眠症状のことなどで何か気になる点などございましたら、診察で気軽に医師にご相談ください。

「医療安全対策講習会」に参加しました。

令和4年3月8日(火)、医療スタッフを対象としたWEBによる医療安全対策講習会に参加しました。

  • 演題:「コロナ禍における感染症対策について」
  • 講師:弘前大学特任教授 鹿児島大学名誉教授 秋葉 澄伯先生

秋葉先生の講演では新型コロナウイルスに関する情報や感染対策が主な話題として取り上げられていました。

新型コロナウイルスは、ウイルスを含む飛沫、又はエアロゾルと呼ばれる更に小さな水分を含んだ状態の粒子を吸入することによるエアロゾル感染で広がることが分かっています。人は無意識に1時間当たり約23回顔を触っているというデータもあり、ウイルスを含む飛沫が目や鼻、口に直接接触することで感染します。

新型コロナウイルスに感染しても自覚症状がない方もいますが、症状の有無に関わらずウイルス量に差はないそうです。また、部屋の換気については1時間に2回以上を推奨しており、湿度を40%~60%で維持すると良いそうです。

空気が乾燥するとウイルスが存在しやすくなり、私たちの体の免疫システムも低下するため、感染リスクも高くなります。

新型コロナウイルスは生存時間が長く、インフルエンザウイルスが約1.8時間なのに対して、新型コロナウイルスは皮膚上で約9時間も存在するそうです。対策としては、80%濃度のエタノールによる15秒の消毒が有効とのことでした。

また、ワクチンの抗体価について、自然感染した場合よりもワクチンを接種した方が抗体価は高くなるそうですが、下がり方も速いため、接種後半年が経過すると差はほとんどなくなるそうです。

現在、愛知県でもまん延防止等重点措置が実施されており、新型コロナウイルスに感染するリスクは非常に高いものとなっています。

当院は外来だけでなく、精神科デイケアも併設しているため、換気や検温器の設置、待合の座席の距離の確保、定期的な消毒作業などの対策を行っていますが、今回の講習会で学んだことを再確認し、今後も出来る限りの感染対策を徹底していきたいと思います。

便秘薬 ルビプロストンカプセルの勉強会に参加しました。

便秘薬 ルビプロストンカプセルの勉強会に参加しました。令和4年3月1日、福智クリニック医局にて、便秘症の治療薬であるルピプロストンカプセルの勉強会を行いました。

便秘になったことがある方はたくさんいらっしゃると思いますが、今回の勉強会では、①うつ病などの精神疾患や糖尿病などの持病をお持ちの方②60歳以上の方が便秘を起こしやすいというデータが紹介されました。

また、持病の治療薬によって便秘を起こしてしまうこともあります(薬剤性の便秘)。便秘の状態が続くとQOL(生活の質)が下がってしまい、便秘の重症度が気分の落ち込みにも影響するという研究結果があるそうです。

便秘薬には、毎日内服するものや、刺激性の下剤など様々なタイプのものがあります。

刺激性の下剤の場合、頻回に使用し続けていると徐々に体が薬に慣れてしまい(耐性)、薬を使っても効果が出にくくなる場合もあるようです。

それに比べ、ルビプロストンカプセルは小腸の水分量を増やし、自然な排便を促すという特徴があります。

便秘の重症度やライフスタイルなどによって、適している薬は異なります。当院通院中の方で便秘にお困りの方がいらっしゃいましたら、一度診察でご相談いただければと思います。

アリピプラゾールLAI(持続性注射剤)勉強会を行いました。

令和3年12月9日、福智クリニック医局にて「双極性障害におけるアリピプラゾールLAI治療の実践」についてのオンライン勉強会が開催されました。

LAIとは「持続性注射剤」のことです。

アリピプラゾールのLAIは双極性障害、統合失調症の患者さんに使われるものです。欧米に比べ、日本でのLAIの普及率はそれ程高くはなく、LAIよりも内服薬による治療を受けていらっしゃる患者さんの方が多いのが現状です。

しかし内服薬による治療は、毎日の服薬をわずらわしく感じたり、つい飲み忘れたりして、服薬をきちんと継続していくのはなかなか大変なことでもあります。

その点、LAIによる治療であればその「薬を飲みそびれる」といった心配が必要ありません。毎日の服薬に何かしら困っていることがあれば、薬の飲みそびれの心配のないLAIによる治療も選択肢の一つとなります。

LAIを治療に取り入れることで、きちんと診察に行くことができさえすれば、薬を確実に投与することができます。そのため「再発や入院の心配が減る」「病状が安定する」「飲み忘れの心配がなくなる」といったメリット/効果が期待できます。

また、薬を飲む時間を気にしないで活動できることは、就労中の方やこれから就労を目指していこうとする方にとって、大きなメリットとなるようです。

今回の勉強会では、LAIが「注射薬である」ということも議論の一つとなりました。注射薬のため、多少の痛みが伴います。

LAI治療を受けている患者さんからは「思ったより痛くなかった」というフィードバックを頂くこと多いようですが、それでも身体に注射針を入れることに変わりはなく、中には内服薬の方が良いという方もいらっしゃいます。

また、費用面がご心配な方もいらっしゃるのではないかと思います。(自立支援医療が適用されます。)LAI治療は、あくまで患者さんの状態や要望をお聞きした上で導入を検討するものですので、興味や関心のある方は診察にてご相談下さい。

※LAIには他の薬剤もあります。

ボルキオキセチン勉強会を行いました。

令和3年11月16日(火)福智クリニックにてうつ病治療薬ボルキオキセチンの勉強会を行いました。

近年、うつ病のリカバリーを目指す上で、"エモーショナルブランティング"という言葉に関心が高まっているそうです。"エモーショナルブランティング"とは感情の麻痺または平坦化・感情的な無関心・あるいは感情的な反応が低下している状態を指します。直訳するとEmotional(感情) blunting(鈍くなる)となります。

具体的には「他のことがどうでもよくなる」「楽しい気分、ポジティブな感情が出てこない」「全く感情がなくなる」といった症状があります。うつというと悲しいというイメージが強いですが、悲しい感情も感じられなくなってしまうのがうつ病の特徴となっています。

また、上記の症状は統合失調症の特徴的症状として認識されていましたが、最近ではうつ病の方にも認められるようになり、エモーショナルブランティングの向上はリカバリーを目指す上で大切な要素となっています。

ボルキオキセチンはセロトニン再取り込み阻害・セロトニン受容体調節剤に分類され、脳内の神経伝達をすることで、抑うつ症状や不安症状を和らげるお薬となっています。

また、うつ病からの回復過程で食欲など基本的な活動能力は戻っても、なかなかうつから調子が上がらない時期が長く続く方が多くみられます。そういった時期に効果を期待できるお薬のうちの1つとなっているそうです。

薬を飲むことによって抑うつ気分や不安症状などの改善がみられる場合もありますが、副作用もあるため、ご自身に合った薬を選び、服用を継続することが重要となります。何か気になることなどございましたら、診察などでご相談ください。

ブレクスピプラゾール勉強会を行いました。

令和3年11月11日、福智クリニックにてブレクスピプラゾールの勉強会をしました。

ブレクスピプラゾールは統合失調症の治療薬で、これまでも1㎎と2㎎の錠剤がありましたが、今月中を目処に口腔内崩壊錠(OD錠)が発売されるそうです。

このOD錠はやや固めで通常の錠剤と同じような見た目や包装をしていますが、口に含んで約15秒で溶けるそうです。崩壊の様子の動画も見せていただきました。どのような味がするのか質問したところ、少し甘味があるとのことでした。

水なしで飲んでも水有りで飲んでも効果に大きな違いは無いそうで、他のお薬と一包化することも可能とのことです。現在ブレクスピプラゾールを服用している患者様で、OD錠に変更したいという方は診察の際に先生に相談していただければと思います。

また、新しく出る剤形の勉強会とともにこれまでのブレクスピプラゾールの使用効果をまとめたものも一緒にお話ししていただきました。統合失調症の中核症状は幻覚・妄想ですが、診療所に通院する統合失調症の方では不安・抑うつを訴えることが多いそうです。

ブレクスピプラゾールを使うことで不安・抑うつの改善効果が出ているということで、診療所に通院する患者様に使用しやすいお薬ではないかという使用経験のある先生のコメントもあったということですので、当院の患者様のお薬の選択肢としても有効かと思います。

現在のお薬で不具合がある、変更を考えたいという方は診察に際に話してみてください。

ベンラファキシン勉強会を開催しました。

令和3年10月26日、福智クリニック医局にてベンラファキシン勉強会を開催しました。

うつ病はセロトニンとノルアドレナリンという神経伝達物質が関連しており、この2つの物質が減少することにより、うつに関する症状が現れるそうです。

セロトニンは食欲低下・抑うつ気分・不安症状・不眠もしくは過眠などに、ノルアドレナリンは集中力や活力の低下・疲労・倦怠感などといった症状に影響があると言われています。

ベンラファキシンはノルアドレナリン再取り込み阻害剤(SNRI)と言われ、上記症状を改善するために使うお薬の1つとして知られています。

特徴として、セロトニンを運ぶ役割をする物質である「セロトニントランスポーター」 の占有率が高いこと・服薬している方の男女比にあまり差がないことなどがあるそうです。

また低用量から調節することができ、他の薬と併用して飲むこともできるそうです。

しかし飲み合わせであったり、効果や副作用の感じ方など、健康状態などによって自分に合うお薬は変わりますので、もし興味などありましたら一度診察などでご相談下さい。

てんかんをめぐるアート展2021開催のお知らせ

てんかんをめぐるアート展2021※画像をクリックすると拡大表示されます近々、下記内容が開催されます。 市民公開講座は感染対策をしながら現地開催する予定です。 てんかんアート展については現地開催とオンラインで予定しています。 今回開催される下記講演はてんかん学会事務局長である当法人の理事長が携わっております。 参加申込もまだ承っておりますのでぜひ下記よりお申し込み下さい。

1.多様な社会を支えるてんかん患者:100人に1人はてんかんと共に生きています

日時9月25日(土)14:00~17:00
会場名古屋国際会議場 4号館1階 白鳥ホール南(第2会場)
開催方式現地開催 ※ライブ配信はいたしません

申込みはこちら


2.てんかんをめぐるアート展2021 ~心の扉を開けるアート展~

てんかんをめぐるアート展2021実行委員会

共催第54回日本てんかん学術集会、一般社団法人Purple Day Japan
代表者麻生幸三郎(信愛療育センターセンター長)
会期2021年9月23日(木)~同9月25日(土)(最終日は16時迄)
場所名古屋国際会議場(〒456-0036 愛知県名古屋市熱田区熱田西町1−1)
入場料無料
予定参加者1500名(てんかん患者と家族及びてんかんに関心のある全ての皆様(医療、教育、福祉、アール・ブリュット関係者、等)

申込みはこちら

ルラシドン塩酸塩錠の勉強会を行いました。

令和3年7月8日 ルラシドン塩酸塩錠の勉強会を行いました。

この薬は、昨年6月に発売された、統合失調症と双極性障害のうつ症状に使用される薬です。日本での発売後1年が経ち長期処方も可能になったので改めて復習の意味での勉強会でした。

抗精神病薬としては後から出た薬ですので、病状に効くだけではなく「副作用が出にくい」という点に焦点をあてて開発されたそうです。製薬メーカーの方に開発時の治験のデータを解説していただきました。

治験のデータは、薬を服用する群とプラセボ(偽薬)を服用する群のふたつのグループを同じ評価尺度を使って比較する物ですが、統合失調症のエフェクトサイズは0.410、双極性障害のエフェクトサイズは0.328とのことです。

エフェクトサイズと聞いてもピンと来ないのですが、野球の打率と同じで10人が服用したら何割の人に効くかと考えてよいとのことでした。

統合失調症の打率4割というのは他の抗精神病薬と同程度だそうで、効果は同程度で副作用が少ないということでした。

また、双極性障害のうつ症状の打率3割は、これまでの薬は2割台とのことですのでこれまでの薬よりも効果が期待できるということがよく分かりました。

当院でも、新薬が効果が高いと思われる方は先生と相談の上、薬を変更し処方しておりますので、気になる方がいらっしゃいましたら是非診察で相談していただけたらと思います。

アセナピンマレイン酸塩の勉強会を行いました。

令和3年6月22日(火)福智クリニックにてアセナピンマレイン酸塩の勉強会を行いました。

アセナピンマレイン酸塩は脳の活動を調節し、様々な症状を改善する統合失調症の治療薬です。舌の下に置くとすみやかに溶け、口の粘膜から吸収されて効果を発揮する舌下錠という剤形のお薬となっています。

体重増加のリスクも少なく、糖尿病があっても内服できるそうです。そのほかにも舌の粘膜から吸収されるため体循環が早く、即効性を感じやすいといった特徴があります。

しかし、服用するときに下記の注意点があります。

  • 通常の錠剤のように飲み込まない
  • 水に溶けやすいため、濡れた手で触らない
  • 飲食やうがいは10分経ってからする
  • 他に飲むお薬は先に内服する

アセナピンマレイン酸塩は舌の下に2分置くことで約8割、5分ほどで9割の効果が得られますが、適切に使用しないと服薬効果が得られなくなるため、慣れるまでは服用方法に注意が必要です。

このように、お薬にはそれぞれに特徴があり、その人の症状やライフスタイルに合ったお薬を選んでいくことが大切です。何か気になることがありましたら、いつでも診察などでご相談下さいね。

「鎮静状態のVR体験」勉強会に参加しました。

鎮静状態のVR体験令和3年6月15日、福智クリニックにて、VRを使ったVSS(バーチャルセデーションシステム)による鎮静状態の体験をしました。

精神科薬の中には「鎮静作用(頭がぼーっとする、あまり動きたくない感じがするといった状態)」があるものも存在します。

鎮静が強くなりすぎると、日常生活がうまくこなせないなどの問題が起こってしまうこともありますが、その時の患者様の状態によっては、心身を休ませるために適度な鎮静が必要な場合もあります。

今回は、VRゴーグルを使い、室内や外での鎮静状態の体験をさせて頂きました。

軽い鎮静状態では、少し視界がぼやける程度でしたが、重い鎮静状態となると、視界の歪みが強く、平衡感覚もわかりづらくなり、目を閉じて横になっていたくなるような感覚になりました。

実際に患者様が感じる鎮静状態では、だるさなども加わり、今回体験した以上に辛い状態なのだろうと想像することが出来、とても良い体験となりました。

お薬に関して気になることや不安など何かございましたら、いつでも診察でご相談下さい。

ボルチオキセチンの勉強会を行いました

令和3年5月18日(火)、福智クリニックにて、うつ病の治療薬であるボルチオキセチンの勉強会を行いました。

うつ病は主な精神障害として知られ、日本でも約300万人いると言われています。

Emotional(気分・感情に関連する症状)・physical(身体症状)・cognitive(認知機能に関連する症状)の3つの側面があり、抑うつ気分・易疲労感・思考力の減退など様々な症状を示すと言われています。

これらの症状は身体的・社会的にはもちろんのこと、学校生活や就業状況にも影響を与える「心理社会的機能の著しい障害」につながると言われており、うつ病の治療においてこれらの多様な症状を改善することが重要となります。

ボルキオキセチンはセロトニン再取り込み阻害・セロトニン受容体調節剤に分類され、脳内の神経伝達をスムーズにすることで、抑うつ症状や不安症状にアプローチするお薬となっています。

欧米では2013年より発売されていますが、日本では2019年から取り扱われるようになりました。また、今回取り上げたボルキオキセチン以外にもうつに関する治療薬はいくつかあります。

ライフスタイルや健康状態によって、自分に合った薬を選び、服用を継続すること大切になります。薬のことで何か気になる点などございましたら、気軽に当院にご相談ください。

ADHD(注意欠陥多動性障害)治療薬グアンファシンの勉強会が行われました。

令和3年4月22日、福智クリニック医局にてADHD(注意欠陥多動性障害)治療薬グアンファシンの勉強会が行われました。

ADHDの発症は脳の領域の形態変化や体積の減少、脳内ネットワークの活動と持続性の低下、神経伝達物質であるノルアドレナリン・ドパミンの伝達異常などの要因があるといわれています。

ノルアドレナリンは学習や感情、自律神経、作業記憶に、ドパミンは快く感じる原因となる脳内報酬系の活性化に関与していると言われています。

グアンファシンは上記に関連する前頭前皮質の機能を適切に調節することで、作業記憶の向上や不注意性・多動性を抑制するお薬となっています。

服薬時間は適宜設定でき、午前午後どちらの時間で服用しても同等の効果がみられるそうです。

しかし、投与初期には眠気を訴える人が多かったとの報告もされており、自身の活動時間に合わせて適切なタイミングで薬を服用することが大事とのことでした。

また、今回取り上げたグアンファシン以外にもADHD症状にアプローチするお薬は何種類かありますので、少しでも気になる点や興味などありましたら診察などで気軽にご相談下さい。

第42回名古屋サイコソーシャルリハビリテーション研究会を開催しました

令和3年4月24日(土)、第42回名古屋サイコソーシャルリハビリテーション研究会をオンラインで開催しました。

座長:愛知医科大学医学部 精神神経科 教授 兼本 浩祐 先生

①「当院における医療・福祉制度の活用について」

第42回名古屋サイコソーシャルリハビリテーション研究会愛知医科大学病院 医療相談部 技師長 村居巌先生

科に関係なく使える制度や、入院時に使える制度、精神科に特化した制度など様々な
制度について講演して頂きました。自治体によって異なる部分もあり、とても勉強になりました。

自立支援制度や、精神障害者保健福祉手帳、障害年金などについてご不明な点がありましたら、福智クリニック受付までご相談下さい

②「多機能垂直型診療所における訪問看護の役割」

医療法人福智会 訪問看護ステーションHOPE 看護師 永田有紗
多機能垂直型診療所とは、当法人のように医療・福祉など様々な機能を持つ診療所のことを指します。

メリットとしては、いろいろな施設を持っていることにより、患者さんの希望があればすぐに紹介することが出来ること、患者さんに対しいろいろな側面から関わることが出来ることなどが挙げられます。

しかしその反面、関わるスタッフが多くなるため、連携をとりづらくなってしまう可能性もあります。今回は、訪問看護の視点から、連携がうまくいかなかった事例の紹介がありました。訪問看護に興味のある方は、診察にてご相談下さい。

座長:医療法人福智会 すずかけクリニック 院長 福智寿彦

「LAIを使わないのはナゼ?~LAI導入が進まない理由を考える~」

第42回名古屋サイコソーシャルリハビリテーション研究会愛知医科大学医学部 精神科学講座 准教授 森康浩先生

薬の種類によって異なりますが、LAI(持効性注射薬)は主に統合失調症や双極性障害の方に使用されます。薬をきちんと服用することが再発予防にとっては非常に重要です。

その点、LAIは薬の飲み忘れを防ぐことが出来るというメリットがあるのですが、諸外国に比べ日本でのLAI導入率はかなり低いそうです。

その理由の1つとして、患者さんが医師からLAIについて十分に説明を受けていないことが明らかとなっているそうです。

森先生は、行動経済学の観点から、人間は自然に現状維持バイアス(惰性)が発動され、変えた方が良いのに変えないでおこうとする癖が出てしまうため、LAIという新たな治療へ踏み出しにくい可能性があると分析されていました。バイアスを振り払うためには、意識的に別の選択をする必要があるそうです。

そのため、医療者が患者さんへLAIについてきちんと紹介するよう心がけること、LAIを使用されている患者さんと交流する機会を作ることにより、LAIがより普及していくのではないかと話されていました。LAIについて興味のある方は、診察にてご相談下さい。


パリペリドンLAIの特徴や使用方法について勉強会が行われました

令和3年4月1日福智クリニック医局にて、パリペリドンLAIの特徴や使用方法について勉強会が行われました。

環境や時代、ニーズに合わせて薬の形は変化してきました。LAIとは持続性注射剤のことを言い、1回の注射で内服薬と同等の効果が2週間~1ヶ月の効果がみられるお薬になります。

服薬アドヒアランス(適切なタイミングに適切な量の服薬を続けること)を保つのに適しており、飲み忘れなどを防止できるため、病状悪化を防ぐことができ、病状が安定するため、社会復帰がしやすくなります。

治療開始後の就労状況を調べた調査では、休職中の患者数が減り、作業所など就労施設の利用が増えたとの報告があります。

LAI(持続性注射剤)を使用するにあたって、個々の状態に合わせて、より自分に適した薬や剤形を選択し、明確な目標設定をすることが大切であると改めて確認することができました。

もしLAI治療に少しでも興味や関心などございましたら、医師やスタッフに気軽にご相談下さい。

双極性障害におけるアリピプラゾールLAI(持続性注射剤)の有用性について勉強会を行いました

令和3年3月18日福智クリニック医局にて、双極性障害におけるアリピプラゾールLAI(持続性注射剤)の有用性について勉強会が行われました。

双極性障害は気分が高まったり落ち込んだり、躁状態とうつ状態を繰り返す脳の病気を指します。およそ100人に1人がかかる病気と言われており、若い人から高齢者まで幅広い年代でかかる病気として知られています。

治療目標として順天堂大学の加藤忠史先生によると

①再発を防ぎ、普通の社会生活を送れるようにすること
②躁状態を早期にコントロールし、社会生活への影響を最小限にとどめること
③うつ状態での自殺を予防し、苦痛を減らすこと

が大切だそうです。

双極性障害の治療では気分安定薬、非定型抗精神病薬が主に使用されます。アリピプラゾールLAIは非定型抗精神病薬に分類され、持続性注射剤という剤形になります。

4週間に1回の間隔で、お尻か肩の筋肉に投与するため、薬の投与が確実であり、飲み忘れや病状の再発防止、薬を服薬する負担が減るなどのメリットがあります。

双極性障害の方を対象にした調査でLAI投与した場合、再入院や再発率が有意に減少したという報告もあり、LAIは有効な治療方法として考えられます。

しかし注射剤のため痛みを伴う、効果を発揮するまでに時間がかかるなどのデメリットもあるため、自身にとってより効果を得られるような治療方法を選択していくことがとても大切になります。

何か気になる点などございましたら、気軽にご相談ください。

ブロナンセリン貼付剤勉強会に参加しました。

令和3年3月2日、福智クリニック医局にてブロナンセリン貼付剤の勉強会を行いました。

これは、経口薬(口から飲むお薬)ではなく、体にテープ貼り付けるタイプのお薬で、ブロナンセリン貼付剤は世界発の経皮吸収型抗精神病薬とのことです。

経口薬との大きな違いは、消化器や肝臓で代謝(初回通過効果)しないため、バイオアベイラビリティ(服用した薬物が、全身循環に到達する割合)を高めることが出来るそうです。また、1日1回の貼付で、安定した薬物血中濃度を維持できるそうです。

その他、このお薬は幻覚・妄想に関与するドパミンD2に対する効果が高く、初めてこのお薬を使う時から最大量使用できるという特徴もあります。

経口での服薬をストレスに感じる方など、興味のある方は診察でご相談下さい。

「リカバリーをめざすうつ病治療」勉強会に参加しました。

令和3年2月19日、福智クリニック医局にて「リカバリーをめざすうつ病治療」ネットシンポジウムに参加し、医療法人ひまわり・もりおか心のクリニック院長・上田均先生の講演を聞かせていただきました。

うつ病からのリカバリーを目指すには、症候的寛解だけでなく、患者様自身の機能面・満足感の回復を目指した包括的診療(疾病に注目するだけでなく、全般にわたって包括的に診ていくこと)が必要で、具体的には生活習慣への介入、セルフケアが重要となってくるとのことでした。

例えば生活習慣については、不健康な食生活や喫煙、アルコールの乱用、セデンタリーライフスタイル(体を動かすことが少ない生活)がリスクファクターになるそうです。

具体的には、やはり食生活についてはバランスのとれた和食が良く、過度な喫煙や飲酒を避けること、運動をすること(運動はうつ病の方にとって薬と同じくらい効果のあるものとして重視されているそうです)などが挙げられます。

投薬だけでなく、こういった側面についても診療で話をしていくとともに、身体疾患の予防についても配慮することが必要とのことでした。

また、回復のために心がけることとして、前向きな態度(先のことでなく明日のことを考える、ポジティブな記憶を思い出すなど)、生活リズムを整えるより積極的な行動(運動をするなど)も大切だと話されていました。

上田先生のクリニックでは、包括的診療のひとつの手段として、馬と触れ合う「ホースセラピー」を取り入れているそうです。乗馬クラブに行き散歩したり、ポニーの世話をしたり、引き馬をしたり、馬上でバランスをとったりされているとのことでした。

こういった体験をしている患者さんの表情には笑顔が多くみられ、幸せホルモン(良質のドパミン)が病状を安定させていると実感されているそうです。

このように、服薬だけでなく、日々の生活の中で気をつけていくと良いことはいろいろあると思います。しかし、うつ病と一言で言っても、どのような病期にあるか(発病初期の急性期であるが、回復期であるかなど)によって取り入れられる対策は異なってくると思います。

今、どのような状態にあり、日々の生活の中にどのようなことを取り入れていくと良いか、診察でも相談していただければと思います。

新年のご挨拶

明けましておめでとうございます。

2020年12月22日、木星と土星が20年ぶりに会合し、水瓶座の時代が幕を開けたと言われています。またそれに伴い、時代は「地の時代」から今後200年続くと言われる「風の時代」へと転換しようとしています。

「地の時代」では物やお金など物質に価値が置かれた時代でした。「風の時代」では目に見えない物や精神などに価値が置かれる時代です。物質主義から精神主義へ、物から心への移行です。

まさに今、コロナ禍で世界に変化が求められている中、従来の生き方ではうまくいかなくなっている方も多いのではないでしょうか。外にばかり目を向けていると不安や恐怖に飲まれてしまいます。

しかしそんな中にあっても、幸せな心で豊かに生きることは可能です。迷われた時にはご相談ください。風の時代らしく自分の心を大切に生きることが出来るようお手伝いさせていただきます。今年もよろしくお願いします。

令和3年1月
院長 北村岳彦

レンボレキサント勉強会に参加しました。

令和2年12月15日、福智クリニック医局にて不眠症治療薬レンボレキサントの勉強会を行いました。

レンボレキサントはオレキシン受容体拮抗薬(脳内の覚醒ホルモンであるオレキシン作用を抑えて、眠気をもたらす薬)であり、2種類のオレキシン受容体を阻害することによって覚醒を抑え、正常な睡眠を促す効果が期待されています。就寝前に服用するお薬で、2.5mg、5mg、10mgの錠剤があるため、不眠の程度によってお薬の量も調整しやすいそうです。

今回の勉強会では、55歳以上の不眠症患者さんを対象として、レンボレキサントを1ヶ月間服用した後の、睡眠状態の調査についてご紹介いただきました。

これによると、終夜睡眠ポリグラフ検査(睡眠時の体の状態を調べる検査で、しっかり眠ることができているか客観的に評価するもの)・調査対象者の主観的評価(しっかり眠れた感じがあるかどうかなどの対象者個人の感想)ともに、睡眠に改善がみられたとのことです。

寝つきが良く安定性があり、筋弛緩作用がないため、睡眠時無呼吸症候群の方にも使いやすいお薬となっています。

不眠症治療薬、睡眠導入剤には様々な種類があり、「眠れない」と言っても、寝付けないのか夜間に途中で起きてしまうのか朝早く目が覚めてしまうのかなど様々です。状態によって適したお薬は異なってくるかと思います。

不眠でお困りの方は、どのように眠れないのかについても診察でご相談下さい。

パリペリドンLAIの勉強会に参加しました

令和2年11月25日、12月7日、福智クリニックにてパリペリドンLAIの勉強会に参加しました。

LAIとは持続性抗精神病注射薬剤で、主に統合失調症の患者さんに使われるお薬です。お薬にはいくつかの種類があり、投与間隔は2週間に1回、4週間に1回など様々です。

LAIは経口薬と比べ、薬の飲み忘れやそれによる症状の悪化を防ぐことができることが主なメリットだと考えられます。しかし現状としては、日本でのLAIの導入率は約8%であり、他の先進国と比べ低いそうです。注射を打つこと(痛み)への不安や費用の問題もあるのかもしれません。

この度、パリペリドンのLAIの1つである「ゼプリオンTRI」が発売されました。このLAIは、投与間隔が12週間に1回(約1シーズンに1回)という特徴があります。これまでパリペリドンのLAIを使っていた患者さんであれば、4週間⇒12週間に1回となり心理的・経済的な負担を軽減できるといったメリットがあります。

しかし、他の抗精神病薬を併用できない(単剤での治療の患者様のみ)などのデメリットもあるため、実際にこのLAIが適応となる患者さんは限られてしまいます。とは言え、治療の選択肢が増えることはとても良いことだと思います。

アドヒアランス(患者さんが治療方針の決定に賛同し、その決定に従って積極的に治療を受けること)が不良となってしまうと、「リカバリーが遅くなる」「ご家族の負担が大きくなる」「発病前の状態に戻りづらくなる」「職業的・社会的な困難が生じる」などの問題が起こりやすくなってしまいます。そうならないよう、患者さん自身がどういった治療を望まれているのか、診察でお話していただければと思います。

その方の病状やライフスタイルによって、どのお薬が適しているのか、どういった剤形(錠剤・散剤・液剤・貼付剤・注射剤など)が合っているのかは異なります。また、お薬によってかかってくる費用も異なります。ご質問などございましたら、いつでも診察でご相談下さい。

病状の安定や社会復帰に向け、デイナイトケアに興味のある方がいらっしゃいましたら、見学していただくことも可能です。これについても診察にてご相談下さい。

第41回 名古屋サイコソーシャルリハビリテーション研究会に参加しました

令和2年11月28日、名古屋ルーセントタワーにて『第41回名古屋サイコソーシャルリハビリテーション研究会』が開催されました。

【一般講演】愛知医科大学 精神科学講座 藤田貢平先生「統合失調症治療におけるアセナピンの位置付け」
症例をもとに、アセナピン舌下錠について講演していただきました。

一般的な経口の内服薬は、胃⇒小腸⇒毛細血管へと吸収されていきます。しかし、このお薬は、舌の下に薬を置いておくことで、舌下粘膜⇒毛細血管へと吸収されていきます。そのため、便秘などの胃腸症状が起きにくいそうです。服用の仕方にはコツが必要ですが、興味のある方は診察でご相談いただければと思います。

【特別講演】 名古屋市立大学大学院医学研究科 精神・認知・行動医学分野 教授 明智龍男先生「重篤な身体疾患を抱えた患者さん、ご家族の精神的ケアがん患者・家族との支持的な関わりを中心に」
明智先生は現在、サイコオンコロジー(精神腫瘍学)を専門にされており、がん患者さんやそのご家族に対する精神的ケアについて講演していただきました。

がんの患者さんと一言で言っても、痛みや不安の感じ方はそれぞれ異なります。それぞれの患者さん、ご家族に合ったかかわり方を柔軟に考えていくことが、治療者にとって大切なことであると学びました。

また、その患者さんが、どんな人柄でどんな生活をされてきたのか、がんという病気をどう体験されているかを知り、患者さんやご家族のありのままを受け入れていくことが大切だということもお話ししていただきました。これは、精神科治療にも通ずるものであると思いますので、「病気だけでなくその人をみること」を私たちも心がけていきたいと思います。

最後に、明智先生の「どんな状態になっても、普通にそばにいること。最後まで同じ距離感でいることが大切。」という言葉に感銘を受けました。ずっと忘れずにいたい言葉だと思いました。

当院通院中の患者様へ(発熱された場合の受診についてのお願い)

新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止のため、発熱時の来院はご遠慮ください。発熱した場合の対応は以下のとおりです。

発熱した場合はPCR検査を実施している医療機関に受診いただく必要がありますが当院では、PCR検査は実施しておりません。
・当院以外にかかりつけ医(内科)等をお持ちの患者様はそちらの医療機関でPCR検査を実施しているかどうかをお問い合わせください。
・当院以外にかかりつけ医がない方は、当院まで電話でご連絡ください。検査のできる医療機関を紹介いたします。
発熱している場合、発熱後14日間、PCR検査陽性となった場合は、通院いただくことはできません。薬が足りない等でお困りの場合は、まずは電話でご相談ください。

大変な状況が続きますが、ご自身の体調管理に留意いただき、ご協力の程よろしくお願い申し上げます。

福智クリニック院長 北村 岳彦
電話:052-732-8300
 

アリピプラゾールLAI勉強会に参加しました。

令和2年10月8日福智クリニック医局にて勉強会を行いました。

この度、アリピプラゾールLAI(持続性注射剤)が双極性障害にも適応となったため、福岡大学の川嵜弘詔先生の『長期予後を考慮した双極性障害の治療戦略』についてお話を伺いました。

他の精神疾患と同様、双極性障害による社会的損失は大きく、再発に注意が必要な疾患です。その治療の一つとして、アリピプラゾールのLAIも選択できるようになりました。

他のお薬と同様、副作用(アカシジア:じっと座った状態を保持できない症状、体重増加など)に気をつけていかなければいけませんが、症状を安定させる維持期に有効であるお薬の一つです。また、LAIを使うことで、お薬の飲み忘れを防げる、内服薬を減らせるなどの良い点もあります。

病気とうまく付き合っていくためには、通院や内服をきちんと続けていくこととともに、心理教育(病気のことを知ること・辛い時の対処法を身につけることなど)も大切です。

当院のデイケアには、双極性障害の患者様も通所されており、スタッフや他の患者様と一緒に病気との付き合い方を考えていけるようなプログラムもございます。興味のある方は、診察でご相談下さい。

他の病院に通院されている方で当院デイケアを希望される方は、主治医の先生にご相談の上、ご連絡下さい。まずは一度見学していただければと思います。

漢方薬(便秘について)の勉強会を行いました。

令和2年11月10日、福智クリニック医局にて漢方薬(便秘について)の勉強会を行い、「大黄甘草湯」「調胃承気湯」「麻子仁丸」「潤腸湯」などの特徴を学びました。

漢方薬は、いくつかの生薬の組み合わせによって作られています。便秘の際に用いられる代表的な生薬は、大黄芒硝などです。一言で便秘と言っても人それぞれ体の状態は異なるため、その人に合った漢方薬(生薬の組み合わせ)を選択する必要があります。

便秘についてお困りのことがありましたら、「とにかくまず排便を促したい」「便秘だけでなく腹部膨満感や熱がこもる感じがある」「いつもコロコロした便しか出ない」「便秘や体全体(皮膚)が乾燥している感じがする」など具体的に診察で相談していただければと思います。

今回の勉強会を通して、目の前の症状だけにとらわれず、患者さんそれぞれの全体像をしっかり見ていきたいと改めて考えることができました。

「成人のためのてんかん診療フォーラム」がweb勉強会として開催されました。

演題は、『脳炎とてんかん関連 Up to date』
神戸大学大学院医学研究科 脳神経内科学分野 教授
松本理器先生

『認知症とてんかんについて』
国際医療福祉大学成田病院てんかんセンター長
赤松直樹先生

松本先生の講演では、脳炎から起こるてんかん発作(自己免疫性てんかん)が近年注目され、これまで診断法が確立されてなかったが、病歴・症状・検査結果から2段階で診断するアルゴリズム※を作成し、事例を挙げて、診断までに至る大きな手ごたえを得、さらなる診断の確立へ意欲を示された講演でした。
≪アルゴリズム≫とは、明確な手順を組み合わせて作られているプログラムのことを言う。

赤松先生の講演では、認知症との鑑別が難しい高齢者のてんかん発作の症状として、短時間の健忘が見られる、一過性てんかん性健忘(TEA)があります。TEAでは発作性健忘だけでなく発作間欠時(発作がない時)においても特有の記憶障害が持続することがあります。これが認知症による健忘の症状との区別が難しいのです。

高齢初発てんかんと認知症を見分けるコツとして、周りの人に症状を聞く(行動や発作(健忘状態)を観察してもらう等)ことや、発作の前兆(同じ風景が思い浮かぶ等)がないかを思い出すことが重要です。

もしご家族に、認知症ではなく高齢者てんかんを疑う方がいましたら、できるだけ早い受診をお勧めします。
当法人すずかけクリニックでは、統合失調症やうつ病等の治療だけでなく、てんかん専門医によるてんかんの治療にも力を注いでいます。

何か気になる点などございましたら、当法人すずかけクリニックにご相談ください。

パリペリドン勉強会を行いました。

10月27日(火)医局にてパリペリドンLAI(持続性注射剤)の勉強会を行いました。

日本における障害者雇用の現状として、精神障害者は約12%で、身体障害者や知的障害と比較すると少ないのが現状だそうです。また統合失調症患者を対象としたパリペリドンLAI(持続性注射剤)を2年間長期使用した方の調査において、治療開始1年後・2年後ともに就労率の増加・社会機能の改善などの効果がみられたそうです。

このように自分のライフスタイルに適した治療法を選択することは、リカバリーに向けて大切なことであり、地域移行定着に向けての第一歩をサポートしていく手段としても有効だと考えます

何か気になる点などございましたら気軽にご相談ください。

ドチヌラド勉強会を行いました。

令和2年10月8日(木)、福智クリニックにてドチヌラドの勉強会を行いました。

ドチヌラナドは高尿酸血症(=尿酸値が7.0mg/dlを超えた状態)の治療薬です。
高尿酸血症は、食生活の欧米化や生活習慣の乱れ、運動不足などが影響し、国内でも約1000万人いると言われ、身近な病気となっています。

尿酸は食事に含まれる「プリン体」やからだの中で作られた「プリン体」が分解されたものを指し、常に体内で作られ、一方で尿や便とともに体外へ出されています。この仕組みにより、からだの中の尿酸量は一定に保たれています。しかし何らかの原因でそのバランスが崩れ、尿酸が増えすぎると発症すると言われています。

高尿酸血症の治療では、肥満、高血圧、糖・脂質代謝異常などとともに、高尿酸血症の発症に関連する生活習慣を改善することが大切になります。よって生活習慣の改善に取り組んでから、合併症の有無や血清尿酸値に応じて薬物療法を行います。        

何か気になる点などございましたら、気軽に当院にご相談下さい。

てんかんのWEB勉強会が開催されました。

令和2年9月11日(金)福智クリニックにて、当法人すずかけクリニック院長福智寿彦によるてんかんのWEB勉強会が開催されました。

てんかんとは脳の電気的な異常により発作が起こる病気を指します。発作は大脳の興奮が引き起こされる場所により異なります。一般的に10代~20代にピークを迎えますが、60代からまた発症率が上がると言われています。

てんかんは脳の一部が興奮する焦点性てんかん・脳の大部分や全体が一斉に興奮する全般てんかん・分類不明の発作の3つに分類されます。てんかん発作には起承転結があります。

しかし心因性の非てんかん発作などもあり、判別が難しい場合もあるので誤診しないために、脳波による検査・教育段階での注意喚起・専門医に相談できる体制づくりが大切とのことでした。

またすずかけクリニックではコロナウイルス対策として感染対策はもちろん、電話診療、オンライン診療を実施しています。

オンライン診療においては、本人だけでなく診察に来られない家族から、発作や服薬状況などの情報が得られるようになったり、仕事の都合で短いスパンで来られない方とも定期的なやりとりができるようになったり、遠方より通院する方も負担が減るためニーズが増加するなどの効果が見られるようになったそうです。

またオンライン診療はセカンドオピニオンとしても機能し、全国のドクターとも繋がることが出来るので的確な薬を選択できるようになります。妊娠や出産、就労などライフステージごとに治療の見直しが必要になるため、上手く活用出来たらと考えます。

何か気になる点などございましたら、当法人のすずかけクリニックにご相談下さい。
すずかけクリニックHPはこちら

待合の椅子にパーテーションを設置しました

  • 待合の椅子にパーテーションを設置しました
  • 待合の椅子にパーテーションを設置しました

新型コロナ感染予防のため、待合の椅子の一部にパーテーションを設置しました。

パーテーションのついていない席も残してありますので、お好きな席にお座りください。(注:距離を保つため、×印の席には座らないで下さい。)

また、喫茶コーナーのカウンター上にもアクリル板を設置しました。

喫茶コーナーが営業していない時には、診察待ちの患者様もこちらに座っていただいても構いません。

安心してご来院いただけるよう、今後も引き続き感染予防に努めて参ります。

デュロキセチンの勉強会を行いました。

令和2年9月1日(月)福智クリニックにてデュロキセチンの勉強会を行いました。

デュロキセチンは、うつ病治療薬の一つであり、SNRI(セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬)に分類されます。うつ病は神経伝達物質が減少することが関係していると言われています。

神経伝達物質(セロトニン・ノルアドレナリン)は、送り手側の神経細胞の末端から受け手側の神経伝達物質の末端に単純に送り出されているのではなく、受け手側で受け取れなかった神経伝達物質を送り手側に戻すシステム(再取り込み)があり、送り手の神経細胞にもその受容体があります。

SNRIは、この再取り込みの受容体をふさいで再取り込みの機能を下げて神経細胞の間に、神経伝達物質を増やそうとする働きがあり、それにより、抗うつ効果(不安・意欲の低下・憂鬱感の改善)を発揮すると考えられています。

うつ病における寛解(=病状が落ち着いて安定した状態)は人それぞれですが、病状の改善、社会機能の回復、良好なQOL(=生活の質)が指標となります。

デュロキセチンの服用によって抑うつ気分、仕事・活動、入眠障害、精神的不安などの改善がみられ、上に挙げた寛解に近づけることができます。

お薬は、良い効果をもたらしますが副作用も伴うため、ご自分に合った薬を選び、服用を継続することが重要となります。何か気になる点などございましたら、気軽に当院にご相談ください。

体温測定のお願い

体温測定のお願い

受付カウンター前に、自動体温測定器を設置しました。

院内に入られましたら、受付をされる前に測定器の前に立っていただき、検温をお願いします。(注:サングラスをつけていると機械がうまく反応しないことがありますので、その場合は一度サングラスを外して下さい。)

なお、【×入退室禁止】と表示が出た方は、受付スタッフまで教えて下さい。ご理解・ご協力の程、よろしくお願いします。

当院における新型コロナウィルス感染予防対策について

この度、外来の受付カウンター前に、飛沫感染を防ぐためロールカーテンを設置いたしました。

また、これまで通り、カウンター上に手指消毒用アルコールも備えつけており、ドアノブなどは定期的に消毒をしております。

今後は、待合椅子まわりにもアクリル板を設置する準備を進めており、患者さまに少しでも安心してご来院いただけるよう、引き続き努力していきたいと考えております。

なお、発熱や息苦しさなどの症状がある方は、来院前にお電話でお知らせください。ご理解・ご協力の程、よろしくお願い致します。

アリピプラゾール勉強会

令和2年8月4日(火)福智クリニックにてアリピプラゾール持続性注射剤(LAI)の勉強会を行いました。

アリピプラゾールには錠剤・口腔内崩壊錠・持続性注射剤(LAI)があり、今回はLAIについて勉強しました。就学や就労をはじめとするリカバリーを目指す上で有効な治療手段の一つとしてアリピプラゾールLAIがあります。

リカバリーとは「病気や障害があっても、それぞれ、自分が求める生き方を主体的に追及すること」を指します。

ある調査ではアリピプラゾールLAIを投与されている方は就労準備性(働くことについての理解・生活習慣・作業遂行能力や対人関係のスキルなど基礎的な能力)が良好になったり、アリピプラゾールLAI投与後入院回数や日数が減少したという報告があり、社会活動・日常生活・人間関係といった社会機能についても改善が期待されるとのことです。

自分のライフスタイルに適したお薬を選ぶ際に選択肢の一つとして考えてもよいのではないでしょうか。
何か気になる点などございましたら、気軽に当院にご相談下さい。

『ラツーダ』の勉強会に参加しました。

令和2年7月30日 福智クリニック医局でラツーダ勉強会を行いました。

新しく、抗精神病薬と双極性障害のうつ症状治療薬にラツーダが発売されました。
ラツーダは4つの症状①陽性症状・興奮②不安・抗うつ③陰性症状④認知機能障害にフォーカスしたお薬になっています。

統合失調症にはルラシドン塩酸塩として40㎎1日1回食後に内服とし、上限80㎎となっています。双極性障害におけるうつ症状の改善に対しては20~60㎎の間で適宜増減していきます。

臨床検査では、BMI、血糖、脂質、プロラクチンへの影響が少ないという臨床結果が出ており、大きな変化がないということは、飲み心地にもつながっていきます。また、日常生活の機能(仕事・学校・社会・家族)についても有意な結果が出ており、生きづらさが軽減されます。

副作用で困っている方や多剤利用している方で、ご自身にあったお薬を再検討できる機会になります。継続して治療していくためにも、興味のある方や気になる事などございましたらいつでも当院までご連絡ください。

デエビゴ勉強会に参加しました。

令和2年7月7日、福智クリニックにて不眠症の新しい治療薬であるデエビゴの勉強会を開催しました。

日本では国民の約5人に1人が睡眠障害に悩んでいると言われており、うつ病や統合失調症などの患者さんの中にも「眠れない」と困っている方は多いのではないかと思います。
 
デエビゴは日本で開発されたオレキシン受容体拮抗剤であり、2種のオレキシン受容体を阻害することによって不眠症患者の覚醒を抑制し、正常な睡眠を促す不眠症治療薬です。

デエビゴという名前には良い睡眠を取ることで日中(デイ)の活動に活力が出る(ビガー)ようにとの意味合いが込められており、寝つきを良くする・夜中に目が覚めることを防ぐなどの効果があるそうです。
 
現在、不眠症治療薬には様々なものがあり、薬の効果にはそれぞれ特徴があります。「眠れない」と一言で言ってもその症状は人によって異なります。診察ではどのように眠れないのかをお聞きし、他の薬との組み合わせなども考慮しながら治療薬を選択していきます。何か気になる点などございましたら、いつでもご相談下さい。

【重要】外来患者様へのお願い~新型コロナウィルス感染予防策について~

当院では、現在も通常通り外来診療を行っております。今後も診療を継続していけるよう、外来患者様も新型コロナウィルス感染予防にご協力の程よろしくお願い致します。

  1. 発熱が続いている、咳が止まらない、息苦しいなどの症状がある方は、来院前にお電話いただくようお願いします。(福智クリニック 052‐732‐8300)
  2. 可能な限り、マスクの着用をお願いします。
    現在、当院でもマスクが手に入りづらい状態であるため、マスクをお渡しすることはできません。申し訳ありません。
  3. 来院されましたら、受付カウンターにあるアルコールで手指の消毒をお願いします。
    手指消毒後、診察券などをお出し下さい。
  4. お待ちいただいている患者様同士の間隔をとるため、待合室の座席間隔を空けて座っていただいております。×印のついている席には座らないようお願いします。

以上、ご協力よろしくお願い致します。

福智クリニック 院長 北村岳彦

ベンラファキシン勉強会に参加しました。

令和2年3月31日、福智クリニック医局にてベンラファキシン勉強会を開催しました。

 うつ病は、セロトニン、ノルアドレナリン、ドパミンといった神経伝達物質が関係していると言われています。これらの減少により、不安、イライラ、憂鬱感、意欲や喜びの減退といった症状が出現します。セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害剤(SNRI)であるベンラファキシンは、これらの症状を改善するために使うお薬の1つです。

 治療をしていく上で、服薬の効果について考えることはもちろん大切ですが、服薬を継続していくためには副作用について考えていくこともとても大切なことです。ベンラファキシン(イフェクサー)は、副作用軽減のために少ない用量も設定されており、用量調節の幅が広いという特徴があります。

 同じお薬を飲んでいたとしても、効果や副作用の程度や感じ方は人それぞれ違うものです。しっかりと治療を続けていくためにも、ご心配なことなどございましたらいつでもご相談いただければと思います。

「日本精神障害者リハビリテーション学会 第28回愛知大会」のお知らせ

2020年11月21日(土)~23日(月・祝)、長久手市の愛知医科大学にて「日本精神障害者リハビリテーション学会第28回愛知大会」が開催されることになりました。

今大会のテーマは「異障害コミュニケーション」です。この度、当法人すずかけクリニック院長福智寿彦が大会長を務めさせていただくことになり、現在、様々な企画を練っているところです。

市民公開講座など、一般の方に参加していただけるような企画もございますので、是非ご参加下さい。今後も詳細が決まり次第、随時お知らせしていきたいと思います。
 
詳しくは下記の大会ホームページをご覧ください。
第28回愛知大会ホームページ https://www.japr28.com/

【重要】新型コロナウイルス感染症流行に関するお知らせ

現在、新型コロナウイルス感染症が流行しています。当院にご予約いただいている患者様の中で、下記に当てはまる方は、来院される前に必ずお電話いただくようお願い致します。福智クリニック052‐732-8300

  1. 発熱又は呼吸器症状(軽症の場合を含む)を呈する方であって、新型コロナウイルス感染症であることが確定した者と※1濃厚接触歴がある方。
  2. 37.5℃以上の発熱かつ呼吸器症状を有し、発症前14日以内に2流行地域に渡航又は居住していた方
  3. 37.5℃以上の発熱かつ呼吸器症状を有し、発症前14日以内に「2流行地域に渡航又は居住していた者」と濃厚接触歴がある方

1 同居、あるいは長時間の接触(車内、航空機等を含む)があった方等2 2月27日時点では、中華人民共和国の湖北省又は浙江省並びに大韓民国大邱広域市及び慶尚北道清道郡(今後変更の可能性があります。)

1~3にあてはまる方⇒帰国者・接触者相談センターへ

その他、相談の目安は...
・37.5℃以上が4日以上続く
・強いだるさや息苦しさがある
(高齢者、糖尿病・心不全・呼吸器疾患など基礎疾患がある方、透析を受けている方、免疫抑制剤・抗がん剤等を用いている方、妊婦の方は、2日程度続く場合は相談を。)

なお、新型コロナウイルス感染症に関する一般的な相談や、感染が疑われる方の問い合わせ先に関しては、下記リンクをご覧下さい。
 名古屋市http://www.city.nagoya.jp/kenkofukushi/page/0000124556.html
 愛知県 https://www.pref.aichi.jp/soshiki/kenkotaisaku/novel-coronavirus.html

また当院では、毎年冬期(インフルエンザなどが流行する時期)に、マスクをお忘れの患者様のために受付にてマスクを準備しておりました。

しかし、現在、医療機関でもマスクがなかなか手に入らない状況になっているため、大変申し訳ありませんがマスクをお渡しすることが難しくなってしまいました。ご理解、ご協力の程、よろしくお願い致します。

福智クリニック

LAI(持続性注射剤)勉強会に参加しました

令和2年2月18日、28日に福智クリニックにてパリペリドンLAI勉強会を開催しました。これまで何度か開催している勉強会ですが、今回は医療法人 社団宙麦会 ひだクリニック院長 肥田裕久先生のweb講演を聞くことができました。

LAIは統合失調症の患者さんなどに使用される持続性注射剤で、薬剤の種類によって投与間隔は異なります。(2週間に1回、4週間に1回など。)

病状を安定させるためには、やはり薬を継続することが大切ですが、内服薬の場合、飲み忘れてしまったり、薬をあまり飲みたくないという思いのある方はうまく飲めなかったりすることがあるかと思います。

その点、LAIは定期的な通院の日に注射を打つことができるという利点があります。しかし、「注射は痛いから嫌。」など抵抗をお持ちの患者さんもいらっしゃるかと思います。

患者さんの病状、性格などによってどのような薬を選択していくのが良いかは異なります。それぞれの薬のメリット、デメリットなどを丁寧にお伝えしながら、その人らしく治療を継続していけるよう今後もサポートしていきたいと思います。

また、肥田先生は、「実際治療している中で、何か新しいことにチャレンジをした際、LAIを使用している人の方が多く適応できた。」とコメントされていました。

当院でも、薬を飲み忘れてしまうことが多かった患者さんが、LAI導入後、注射を打つ日だけはしっかり覚えていらっしゃるという様子をお見かけすることも多く、選択肢の1つとしてLAIがあることはとても良いことだと実感しています。

しかし、実際のLAIの認知度は低く、抗精神病薬の治療を受けている患者さんの中で、LAIを知っている方は半数以下、使用されている患者さんは約10%だそうです。すべての患者さんにとってLAIがベストという訳ではありませんが、興味のある方は診察でご相談下さい。

「大塚製薬e講演会」での勉強会を行いました。

令和2年2月25日(火)福智クリニックにて「大塚製薬e講演会」での勉強会を行いました。講師はねや川サナトリウム副院長 松本均彦先生、看護部長 浅川 佳則先生で、テーマは「なぜ統合失調症急性期の治療が変わったのか?」というものでした。
 
まず、抗精神病薬の変遷を簡単に振り返り、松本先生の患者様にどのような薬が使用されているか、という円グラフでその変化を示していただきました。

次に、統合失調症治療において、幻覚妄想という中核症状の治療と興奮や攻撃性、不安・不眠等の周辺症状の治療とがあり、これまでは中核症状を抑えるために鎮静の強い薬を使うことで中核症状を押さえていたという話がありました。

しかし現在は中核症状そのものを押さえることに重きをおき、中核症状が治まってくることで周辺症状も落ち着いていくということでした。

鎮静作用が強い薬を使用すると興奮や攻撃性が抑えられ一時的に良くなったように感じられますが、長い目で見たときに副作用が強く出る、患者様との信頼関係が築きにくい等の弊害があったことなどが話されました。

鎮静作用が強く出て、「訴えが少なくなった=良くなった」ではなく、「訴えが少なくなった=症状が捉えにくくなった」と受け止めること、「訴えが多い=調子が良くない」ではなく「訴えが多い=症状を聞き取りやすい」と考え訴えの内容自体に変化はないかを聞き取ることが大切だと話していたことが印象に残りました。

症状が落ち着くまでの間、鎮静作用が少ない薬だとそれまでが我慢できない場合等は、しばらく追加で他の薬を使うことも説明がありました。

また看護師等複数の職種で関係を作り患者様の話の内容に耳を傾けていくことなどは入院医療ではない当院でも大事なことと思われます。

患者様の話す内容、表情、笑顔など、きちんと患者様と関係を築いていくことを大切にしていきたいと思います。

「医療安全対策講習会」に参加してきました。

  • 日 時 :令和2年2月8日(土)午後2時30分~午後4時00分
  • 場 所 :鯱城ホール
  • 演 題 :医療コミュニケーション~医療安全と医師患者関係改善のために~
  • 講 師 :愛知県厚生連安城更生病院 副院長 安藤 哲郎先生

「医療安全対策講習会」に参加してきました。医療安全とは、医療事故や紛争を起こさないための方策とともに、医療事故や紛争が起きた場合の対応策に取り組むことをいいます。

医療安全を確保することは、質のよい医療サービスを提供する上での最重要課題であり、法的にも医療安全管理のための指針を整備することや医療安全管理のための職員研修などが義務付けられています。

日本のある研究によると医療事故は入院患者の2~4%で起きており、その半分が医療ミスだそうです。しかし事故でもミスでもない事案で医療訴訟や紛争が起きており、その要因に事前の信頼関係の有無があるとのことでした。

「医師が目を合わせてくれなかった」「受付の対応が悪かった」「外来で長く待たされた」など日常診療の小さな不快感がきっかけとなり、ささいなミスと不信感が重なり、医療従事者と患者それぞれが持つナラティブ(物語)の相違によってコンフリクト(衝突)が起きてしまう。

その相違を解消するためにはメタ認知(自分自身を客観的に認知する)的な視点を身につけることや、安心感を高めるために、関心の共有・傾聴・共感などの対話を積極的にしていくことが大切であり、そういった姿勢が患者様の満足度の向上や治療効果に良い影響をもたらしていくとのことでした。

また安藤先生は最後に医療安全の目的は、エラーの結果を責めるだけでなく、チームで学び改善していくことであり、心理的安全性(チームのメンバーがそれぞれ不安を抱えることなく自分の考えを自由に発言したり、行動に移したりできる状態)が高いチームを作り上げていくことが医療安全において大事なポイントであるとおっしゃっており、医療従事者として、日々の患者様とのコミュニケーションを再度考えさせられるよい機会となりました。

今回の講演で学んだことを日々の業務に取り入れ、医療安全の徹底と患者様との関係を築いていきたいと思います。

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『トリンテリックス』の勉強会に参加しました。

令和2年1月21日(火)、福智クリニックにて、トリンテリックス錠の勉強会を行いました。

トリンテリックス錠は主にうつ病やうつ状態の治療に用いられる薬剤ですが、セロトニン再取り込み阻害作用によるセロトニン濃度上昇にくわえて、セロトニン受容体調節作用(セロトニン3 受容体、セロトニン7 受容体及びセロトニン1D 受容体のアンタゴニスト作用、セロトニン1B 受容体部分アゴニスト作用、セロトニン1A 受容体アゴニスト作用)による、ノルアドレナリン、ドパミン、アセチルコリン、ヒスタミンの遊離を促進します。

このような作用機序をもつトリンテリックス錠は、「再取り込み阻害薬」「受容体作動薬」といった従来の抗うつ薬よりも、悲しみや緊張、集中困難、気力減退の緩和、睡眠や食欲の改善といった、うつ病による多様な症状に効能があるとのことです。

海外の臨床試験ではその効果が実証されており、日本での普及が期待されているそうです。かくのごとく精神病薬は、世界中で研究の進められている分野であり、次々と新しい良薬が出てきているようです。病状に悩んでおられる方々にとっては、実に頼もしいかぎりなのではないかと思います。

現在たくさんのお薬が医師により処方されていますが、症状を抑えて、より快適な日常生活を送るためには、ご自分に合った薬を選び、服用し続けていくことがとても重要となります。何事か気になることがございましたら、いつでも当医院までご相談ください。

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パリペリドン勉強会に参加しました

令和2年1月16日(木)福智クリニックにてインヴェガ(パリペリドン)勉強会を行いました。

インヴェガ(パリペリドン)には下記の2つの特徴があるそうです。

  • リスペリドンの代謝物であるため、併用薬の影響を受けにくい。
  • OROSという剤形を使っている。

OROS(Osmotic controlled-Release Oral delivery System)とは、浸透圧を利用して有効成分が少しずつ溶け出すように作られているものです。そのため、血中濃度が安定しやすく、朝食後に服用することで日中の変動を少なくすることができるそうです。

また、体重増加や眠気、鎮静などの副作用も比較的抑えることができるとのことでした。このOROSという剤形は、コンサータ(メチルフェニデート)にも使われているそうです。

お薬にはそれぞれに特徴があり、その人の症状やライフスタイルに合ったお薬を選んでいくことが大切です。何か気になることがありましたら、いつでもご相談下さい。

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新年のご挨拶

明けましておめでとうございます。

早いもので、令和という美しい元号も二年目になりました。

元号は新しくなっても私たちが日々生活していくのはやはり大変で、不安になったり悲しくなったりイライラしたり、そんな思いから離れることはなかなか難しいことと思います。

しかし、そんなネガティブな思いを手放したり、そこから何かを学んだりすることは出来ると思います。

ひとりで難しい時には、気軽に御相談下さい。

福智クリニックではそんなお手伝いが出来ればと思います。

今年もよろしくお願いします。

令和二年一月
北村岳彦

第40回名古屋サイコソーシャルリハビリテーション研究会が開催されました。

  • 日 時 :令和元年11月30日(土)午後6時~午後7時45分
  • 場 所 :ホテルメルパルクNAGOYA3階 若葉
  • 一般演題:医療法人福智会 福智クリニック 臨床心理士 伊藤友厚
    『当院デイケアにおける高齢者統合失調症患者の現状~その後を見据えたアウトリーチ』
  • 特別演題:久留米大学病院精神神経科 准教授 小曽根 基裕先生
    『うつと睡眠障害』

一般演題は当院臨床心理士、伊藤友厚が発表いたしました。まず当院精神科デイケア ぶなの森 の60歳以上の利用者のデータと一般の利用者のデータの比較を行いました。その後事例2例をあげ、現状の報告と今後は精神科的対応だけでなく高齢期の対応(住んでいる場所へのアウトリーチ、身体的な疾患への配慮等)も必要になってくることの説明がなされました。

特別演題では小曽根先生から、睡眠学からみたうつと不眠についての話がありました。うつ病の8割は何らかの睡眠障害を伴い寛解後も不眠が認められること、学生時代に不眠がある場合は40代でのうつの累積発病率がそうでない場合の2倍であること等の様々なデータが示されました。慢性不眠・睡眠不足の私たちの生活においての弊害についてや記憶と睡眠の関係など、睡眠にまつわる多様な話題が取り上げられ、短時間ながらとても興味深い内容でした。

次回名古屋サイコソーシャルリハビリテーション研究会は令和2年2月29日(土)に開催される予定です。

講演会・勉強会情報一覧

令和元年11月23日(土)~11月24日(日)日本精神障害者リハビリテーション学会第27回大阪大会に参加しました。

日本精神障害者リハビリテーション 大会初日のサテライト企画・研修セミナーについては業務上の都合により参加できませんでしたが、23日は来年の愛知大会のための見学・打合せを中心に行い、24日は自身の参加したいプログラムを聴講してきました。

 教育講演において「性の多様性について」最近の状況についての話を伺い、普段の業務の中で直接支援にかかわることは少ないものの考え方については知識の更新が必要であることを感じました。

セクシャル・マイノリティの活動が活発な地域は必ずしも先進的なわけではなく、差別や偏見が根強いために活動が活発なのであり、一歩その活動の外に出ると身の危険もありうるという話は、性の多様性に関することだけではなく、啓発活動の必要性ということ自体について考えさせられました。

日本精神障害者リハビリテーション 学会シンポジウムでは研究と実践をどうつなぐのか、というテーマでシンポジストの4名の方の話を聞き、司会・リフレクティングメンバーの方も含めたやり取りが行われました。

より良い実践を行っていくためには研究視点も必要であること分かりますが、現場では両立していくことはどこでも苦慮していることなのではないかと思います。今後もこういった機会は持ち続ける必要があると感じました。

 来年は、当法人理事長 福智寿彦が大会長を拝命し、愛知大会を行うことが決定しました。まだ取り掛かり始めたばかりですが、今後HPを立ち上げ掲載していく予定ですので整い次第お知らせいたします。

<次回開催予定>
日程:令和2年11月21日()~11月23日(
場所:愛知医科大学を予定しております

是非ご参加をお願いいたします。

『漢方薬 補剤』の勉強会に参加しました。

令和元年12月5日、福智クリニックにて『漢方薬 補剤』の勉強会を開催しました。

漢方医学では、体力や気力、生体のもつエネルギーが低下した時には、その不足しているものを補うことにより、身体を回復させようと考えます。

その補う作用を持つ漢方処方を総称して、「補剤」と呼んでいるそうです。

元気を補う「補剤」の基本 は
人参(ニンジン)+ 黄耆(オウギ)

とのこと。

「補剤」の代表的漢方薬は、補中益気湯、十全大補湯、人参養栄湯、加味帰脾湯です。それぞれの構成と主な適応目標をスライドを用いながらわかりやすく説明してくれました

わずかな組成の違いで効果、効能が違ってくることに漢方薬の奥の深さを感じました。終了後、多くのスタッフから質問が飛び交い有意義な勉強会となりました。

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『不眠症インターネット講演会』での勉強会を行いました。

令和元年11月21日(木)福智クリニックにて『不眠症インターネット講演会』での勉強会を行いました。講師は高知鏡川病院睡眠医療センター所長 川田誠一先生で、テーマは『不眠症の新たな治療戦略』というものでした。

まずは不眠症の診断基準を振り返り、睡眠衛生の改善が大切であるという話をしていただきました。睡眠衛生とは良い睡眠を取るために必要な生活習慣のことです。朝の光を浴びること、起床時間を一定にすること、床の中で過ごしすぎないこと、長時間の昼寝をしないことなどです。特に日本人は不眠を感じたときに医師に相談するよりもアルコールに頼る傾向が強い国民性という話や、健康な人の睡眠時間は6~7時間が平均的である中不眠に悩む人はより長時間の睡眠時間を求めがちであることなどが印象的な内容でした。

また、起床時間の16時間後に眠気が来ることや高齢者の就床時間を遅らせる工夫(夕食時間を遅らせる、夕食後に楽しむ時間を作る等)、欧米の介護施設では夕方にヘッドホンで青春時代の音楽を聴くようにしている等の話もあり、当院で不眠に悩む方にも取り入れることができそうな話でした。

その後、具体的な睡眠薬の特徴や使い分け、先生の使用経験についての話がありました。睡眠薬であっても、投薬当初から終了に向けての目標を立てていくことも必要だという話がありました。その際に現在服用している睡眠薬がやめにくい種類のものであればやめやすい種類のものに変薬してから投薬終了を目指すという方法もご提示いただきました。

睡眠の生活習慣についての資料等もいただいておりますので、睡眠の改善について考えておられる患者様はよろしければ受付まで声をおかけください。

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『第16回成人のためのてんかん診療フォーラムに参加してきました』

2019年11月9日(土)、ホテルメルパルクNAGOYAにて下記の講演が行われました。

特別講演1
『てんかんを持つ女性が安心して妊娠・出産するための支援』 
~正しい情報提供と、適切な薬物調整~

むさしの国分寺クリニック 院長 加藤 昌明先生

特別講演2
『けいれんするPNESについて』
愛知医科大学 精神神経科 教授 兼本浩祐先生

加藤先生の講演ではてんかんを持つ女性が安心して妊娠・出産するために必要な支援についてのお話をしていただきました。てんかんによる副作用、転倒やケガ、母体や胎児への影響など様々なリスクを避ける為に、妊娠の希望度・優先事項を医師と患者で確認しながら薬剤調整をすることで、患者さんにとって最適な処方を行うことが大切であると改めて感じました。

兼本先生の講演ではけいれんするPNES(非てんかん性心因発作)について再現した映像を用いながら説明をして頂きました。てんかん発作には起承転結がありますが、PNESにはないそうです。しかしてんかん患者の中で、1割以上占めており、けいれんしない発作などもあるため、判別することは難しいそうです。

よって判断するのが難しい場合には、救急搬送するという選択肢は間違いではないというお話がありました。その上で精神科職員として出来ることを考え、患者さんに寄り添った一歩先の対応が出来るよう日々勉強していきたいと思います。
また当法人ではすずかけクリニックにて、てんかん専門医による診察も行っております。ご気軽にご相談ください。

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『持効性抗精神病剤(LAI)のwebセミナー』を開催しました。

令和元年10月9日に福智クリニックにて持効性抗精神病剤(LAI)のwebセミナーを開催しました。LAIの長期使用の有用性や安全性についての話が主でした。
導入のコツや望まれる安定、これからの展望などを詳しく学ぶことができました。

医療者として改めてアドヒアランスの大切さや、QOLの観点から、患者さんが自立できる治療ゴールを目指すことが安全・安定につながっていくのだと学ぶことができました。

また、令和元年11月5日にもwebセミナーを開催。山口病院精神科部長の奥平智之先生による『統合失調症と栄養精神医学~腸管を中心に~』について講演がありました。

入院患者さんの血液検査結果から、亜鉛不足による貧血状態の割合が高くなっていることや、グルテンが統合失調症の病状悪化に与える影響が大きいといったデータを示していただきました。

セミナー終了後もスタッフ間で積極的な意見交換がされ、とても有意義な時間となりました。

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『ADHD勉強会』に参加しました。

令和元年10月29日、福智クリニック医局にてADHDのための治療薬グアンファシンの勉強会に参加しました。
これまで小児のみの適用でしたが、成人にも使えるようになったお薬です。
もともと30年程前に降圧剤として開発されたものであるため、血圧低下には注意が必要だそうです。

ADHDの治療薬としては、グアンファシン以外にもメチルフェニデートやアトモキセチンがあります。
それぞれ薬理作用が異なりますが、グアンファシンはメチルフェニデートやアトモキセチンと併用することも可能であるそうです。

まだ成人への適用になってから日も浅いため、具体的な症例報告はあまり聞くことができませんでしたが、患者さんが自分のライフスタイルに合った薬を選択できるよう、もっといろいろな症例について勉強していきたいと思いました。

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福智クリニックにて『ロナセンテープ』の勉強会を行いました。

令和元年10月24日(木)福智クリニックにて「ロナセンテープ」の勉強会を行いました。ロナセンテープは、これまで経口剤(錠剤)としてあった抗精神病薬ロナセンの経皮吸収型製剤(テープ製剤)です。

臨床試験の内容、発現する副作用、薬の有効性などを製薬メーカーの方に説明していただきましたが、全体としてデメリットよりもメリットの方が多い印象を受けました。

テープ製剤のメリットは、消化管吸収の影響や肝臓での代謝の影響を受けないこと・長時間一定した薬物血中濃度が得られること・薬をやめたいときにははがすことですぐに中止できること・嚥下が困難な方でも利用できることなどがあります。一方でデメリットは人によっては皮膚の炎症が起きてしまうことです。

一日一回入浴前にはがし入浴後に貼る、ということができれば薬を飲むタイミングを気にする必要がなく、統合失調症の薬としては画期的ではないでしょうか。

今回は勉強会の参加者も18人と多く、質問もたくさん出ました。日常的にプールで泳いでいるなど、テープ製剤が向かない生活習慣の方もいらっしゃると思いますが、気になる方は一度主治医の先生にご相談されてはどうかと思います。

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『ブロナンセリン貼付剤発売記念講演会』に参加しました。

令和元年10月16日、メルパルク名古屋にてブロナンセリン貼付剤発売記念講演会がありました。

一般演題は、ブロナンセリン貼付剤の治験を担当された坪井宗二先生(桶狭間病院藤田こころケアセンター)の講演でした。世界初の経皮吸収型抗精神病薬ということで、どうしたら患者さんがうまく使っていけるか試行錯誤されたそうです。貼付剤の管理や使用感などまだまだ課題はあるそうですが、貼付剤・内服薬・注射剤と患者さんの治療の選択肢が広がるのはとても良いことだと感じました。

特別講演は、岩波明先生(昭和大学医学部精神医学講座)が『発達障害と統合失調症』について講演されました。過去には「発達障害と統合失調症は併存しない」ととらえられていたようですが、現在では併存する症例も報告されているそうです。様々な視点から患者さんを診ていくことの大切さをあらためて感じ、精神科職員としても研鑚を続けていこうと思いました。

座長の尾崎紀夫先生(名古屋大学大学院医学系研究科)、大日本住友製薬株式会社様、ありがとうございました。

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『慢性便秘症治療薬』の勉強会に参加しました。

令和元年10月3日福智クリニックにて『慢性便秘症治療薬』の勉強会がありました。

ポリエチレングリコール製剤は慢性便秘症に適応を持ち、水に溶かして飲むことで水分を腸まで届けて便をやわらかくし、腸の動きを活発にする治療薬です。

"慢性便秘"は身体面のみならず精神面でもQOLを障害し、患者の全体的な健康感に大きく影響してしまいます。

また便秘症の有病率は加齢とともに増加することが分かっており、高齢化社会が進む現代社会で見過ごすことのできない健康問題のひとつであると感じました。

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『うつと疼痛のコントロール』の勉強会に参加しました。

令和元年10月1日、福智クリニックにて藤田医科大学医学部精神神経科学講座教授岩田仲生先生の講演動画による勉強会がありました。冒頭、仕事の生産性について考える際に重要な概念である「アブセンティズム」と「プレゼンティズム」について説明がありました。

  • アブセンティズム:欠勤や休職、遅刻早退など、職場にいることができず業務に就けない状態。
  • プレゼンティズム:出勤しているにも関わらず、心身の健康上の問題により、パフォーマンスが低下している状態。

 また、デュロキセチン塩酸塩は、役割の異なるそれぞれの神経で効果を発揮することができ、複数の疾患に対して効果を示すことができるそうです。そのため、「うつ病・うつ状態」のみならず、痛みに対しても効果が高いというお話がありました。

最後に北村院長より、「痛みは他の人にはわかりづらいもの。うつ状態になると小さな痛みも大きく感じてしまうことがあり、どちらも診ていかなければならない。」というコメントがあり、精神症状だけでなく、身体的不調にも寄り添う大切さをあらためて感じました。

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『患者との協働で築く医療安全』に参加してきました。

  • 日時:令和元年8月5日(月)午後2時~午後3時30分
  • 場所:今池ガスビルガスホール
  • 演題:患者との協働で築く医療安全
  • 講師:認定NPO法人ささえあい医療人権センターCOML
       理事長 山口 育子氏

 まずCOMLの活動についての紹介があり、「聞く」ということに重きをおき、相談1件につき平均40分をかけているといことでした。そして活動の中での最近の相談の傾向についての話がありました。

 次に、2015年10月からスタートした医療事故調査制度についての説明があり、いまだ制度自体が正確には理解されていない現状の説明がありました。患者が望むインフォームド・コンセントとはどういったものなのか、医療者に求められることはどういうことなのか、ということについての言及がありました。どのような言葉をかけるのか、ちょっとした配慮で受け止め方が変わることなどを分かりやすく解説していただきました。

 日々の患者様とのコミュニケーションの中で、聞く姿勢ともう一歩踏み込みコミュニケーションを心掛けていきたいと、振り返る機会となりました。

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令和元年度 家族会年間予定のご案内

令和元年度 福智会家族会 年間予定
今年度の家族会の年間予定をお知らせします。

次回の家族会は、9月13日(金)18時から、すずかけクリニック4階で行われます。テーマは「薬について」です。みゆきファーマシーの薬剤師さんがお話をしてくださいます。

みなさま、是非お越しください。

令和元年度 福智会家族会 年間予定はこちら

家族会のホームページもご覧下さい。
福智会家族会はこちら

『発達障害とてんかんを考える会in名古屋』に参加してきました。

『発達障害とてんかんを考える会in名古屋』

  • 日 時:2019年7月12日(金)19:00~21:00
  • 場 所:エーザイ株式会社 名古屋コミュニケーションオフィス

特別講演1
「成人に達した小児てんかん患者の包括的医療」~てんかん専門クリニックの立場から~
森川クリニック 院長 森川健基先生

特別講演2
「成人になったASD」~凹凸と共に生きる~
浜松医科大学 児童青年期精神医学講座 客員教授 杉山登志郎 先生

の2つの講演が行われ、当院から5名のスタッフが参加しました。

森川先生の講演では、ペランパネルの臨床効果についての報告と、バイタリティーあふれる普段の診療の様子を話していただき、とても参考になりました。

また、日本における高機能自閉症やアスペルガー症候群の権威の一人でおられる杉山先生の講演では、「以前に比べ発達障害の医学的診断名が増え、知的障害が減少している。知能指数を当てにしないグループが少なくない」、「ASDと自閉症を分けた方が良いのでは?」などといったコメントがあり、「自閉症スペクトラムをどう理解したら良いのか、また注意欠陥多動性障害(+ASD)への対応をどうするのか? 学校現場で愛着障害が増えている」など、普段現場で悩んでいることをわかりやすく説明いただき大変勉強になりました。

各先生方、貴重なお話をありがとうございました。

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『てんかんにおける診療連携を考える会』に参加してきました。

『てんかんにおける診療連携を考える会』

  • 日 時:2019年7月11日(木)19:00~21:00
  • 場 所:名古屋マリオットアソシアホテル17階 「ルピナス」

当院からは3名のスタッフが参加しました。本会では、

【1】むさしの国分寺クリニック 院長
加藤 昌明 先生による『てんかん患者の妊娠・出産~薬剤の選び方と使い方~』

【2】東京大学大学院医学系研究科
生殖・発達・加齢医学専攻 小児医学講座 教授
岡 明 先生による『てんかんに併発する神経発達症について』

という2つの講演が行われました。

それぞれ現状や具体的なアプローチについてモデルケースなど交えながら分かりやすく説明して頂き、とても勉強になりました。

各先生方、貴重なお話をありがとうございました。

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第39回名古屋サイコソーシャルリハビリテーション研究会が開催されました。

第39回サイコソーシャルリハビリテーション研究会(共催:ユーシービージャパン株式会社)

  • 日 時:2019年6月29日(土)17:00~18:30
  • 会 場:ホテルメルパルク名古屋 3階「シリウス」
  • 参加費:1000円
  • 一般演題:「多機能垂直型診療所における支援の成功例」
    医療法人福智会すずかけクリニック 心理士 百瀬裕一郎
  • 特別講演:「認知症とてんかん」
  • 高知大学医学部 神経精神科学教室 教授 數井裕光先生

当院からは8名参加してきました。

百瀬心理士からは当福智会が実践している「多機能垂直型診療所」としての実践成功例の報告がありました。①入口の広さ・受け皿の多さ、②迅速かつ幅広い支援=機動力、③地域生活へとつなぐ支援の3点をポイントとし具体的な事例をもとに説明がなされました。

數井先生からは、特発性正常圧水頭症(地域在住高齢者の1.1%の頻度)やアルツハイマー病・若年性アルツハイマー病について、一過性てんかん性健忘(TEA)とアルツハイマー病との記憶障害の鑑別についての話、認知症とてんかんの合併についての話、レビー小体型認知症についてなど幅広い内容の話がありました。「認知症ちえのわnet」というケア体験者の成功例の集約をするサイトの話もあり得るのものの大きい研修会でした。

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【お願い】喫煙について

改正健康増進法(平成30年成立)により令和元年7月1日より診療所内は全面禁煙となります。

従いまして、当院の植込のブロックに座っての喫煙、入口・駐車場での喫煙も禁止となります。

長時間の待ち時間が生じることもあり、皆様にはご迷惑をお掛けすることもございますが、喫煙者・非喫煙者とも気持ちよく利用できるようご協力をお願いいたします。

また、全面禁煙に伴い、携帯灰皿の貸し出しも中止いたしますので、近隣で吸殻を捨てないようにご協力の程よろしくお願いいたします。

令和元年6月15日
福智クリニック院長
北村 岳彦

☆パープルデーNagoya 2019 開催決定!☆

「てんかんを持つ人を一人ぼっちにしない」を合言葉におこなわれているてんかんの啓発活動「パープルデー」。
パープルデーの名古屋イベントが今年も開催されます!

今年は3月24日(日)の開催です!!

今年の会場は矢場公園です。

地元アイドルのパフォーマンスステージあり、プロレスあり、もちろん専門医によるてんかん講座ありと盛りだくさんの内容になっています。

当日は紫色のものを身に付けて集まって、みんなで楽しみながら、てんかんを持つ方やそのご家族を大・々・的に応援するイベントにしたいと思います。

これを機にあなたもてんかんサポーターになりましょう!!

詳しくはこちら

【日 時】
平成31年3月24日(日) 11:00~16:00
第1部 11:00-12:45 オープニング&ステージ
第2部 13:00-14:45 地元アイドルのライブ、専門医によるてんかん講座
第3部 14:45-16:00 パープルデープロレス&クロージング

【会 場】
矢場公園
(名古屋市中区栄3丁目2601 名古屋市営地下鉄 「矢場町」駅下車4番か5番出口より徒歩5分。雨天時は、春岡小学校体育館(名古屋市千種区春岡2丁目5-38)になります。)

【入場料】
無料

【主 催】
一般社団法人 Purple Day Japan

【事務局】
パープルデーNagoya企画実行委員会
052-731-8300(医療法人福智会すずかけクリニック内)