2020年12月 7日

第41回 名古屋サイコソーシャルリハビリテーション研究会に参加しました

令和2年11月28日、名古屋ルーセントタワーにて『第41回名古屋サイコソーシャルリハビリテーション研究会』が開催されました。

【一般講演】愛知医科大学 精神科学講座 藤田貢平先生「統合失調症治療におけるアセナピンの位置付け」
症例をもとに、アセナピン舌下錠について講演していただきました。

一般的な経口の内服薬は、胃⇒小腸⇒毛細血管へと吸収されていきます。しかし、このお薬は、舌の下に薬を置いておくことで、舌下粘膜⇒毛細血管へと吸収されていきます。そのため、便秘などの胃腸症状が起きにくいそうです。服用の仕方にはコツが必要ですが、興味のある方は診察でご相談いただければと思います。

【特別講演】 名古屋市立大学大学院医学研究科 精神・認知・行動医学分野 教授 明智龍男先生「重篤な身体疾患を抱えた患者さん、ご家族の精神的ケアがん患者・家族との支持的な関わりを中心に」
明智先生は現在、サイコオンコロジー(精神腫瘍学)を専門にされており、がん患者さんやそのご家族に対する精神的ケアについて講演していただきました。

がんの患者さんと一言で言っても、痛みや不安の感じ方はそれぞれ異なります。それぞれの患者さん、ご家族に合ったかかわり方を柔軟に考えていくことが、治療者にとって大切なことであると学びました。

また、その患者さんが、どんな人柄でどんな生活をされてきたのか、がんという病気をどう体験されているかを知り、患者さんやご家族のありのままを受け入れていくことが大切だということもお話ししていただきました。これは、精神科治療にも通ずるものであると思いますので、「病気だけでなくその人をみること」を私たちも心がけていきたいと思います。

最後に、明智先生の「どんな状態になっても、普通にそばにいること。最後まで同じ距離感でいることが大切。」という言葉に感銘を受けました。ずっと忘れずにいたい言葉だと思いました。