「大塚製薬e講演会」での勉強会を行いました。

令和2年2月25日(火)福智クリニックにて「大塚製薬e講演会」での勉強会を行いました。講師はねや川サナトリウム副院長 松本均彦先生、看護部長 浅川 佳則先生で、テーマは「なぜ統合失調症急性期の治療が変わったのか?」というものでした。
 
まず、抗精神病薬の変遷を簡単に振り返り、松本先生の患者様にどのような薬が使用されているか、という円グラフでその変化を示していただきました。

次に、統合失調症治療において、幻覚妄想という中核症状の治療と興奮や攻撃性、不安・不眠等の周辺症状の治療とがあり、これまでは中核症状を抑えるために鎮静の強い薬を使うことで中核症状を押さえていたという話がありました。

しかし現在は中核症状そのものを押さえることに重きをおき、中核症状が治まってくることで周辺症状も落ち着いていくということでした。

鎮静作用が強い薬を使用すると興奮や攻撃性が抑えられ一時的に良くなったように感じられますが、長い目で見たときに副作用が強く出る、患者様との信頼関係が築きにくい等の弊害があったことなどが話されました。

鎮静作用が強く出て、「訴えが少なくなった=良くなった」ではなく、「訴えが少なくなった=症状が捉えにくくなった」と受け止めること、「訴えが多い=調子が良くない」ではなく「訴えが多い=症状を聞き取りやすい」と考え訴えの内容自体に変化はないかを聞き取ることが大切だと話していたことが印象に残りました。

症状が落ち着くまでの間、鎮静作用が少ない薬だとそれまでが我慢できない場合等は、しばらく追加で他の薬を使うことも説明がありました。

また看護師等複数の職種で関係を作り患者様の話の内容に耳を傾けていくことなどは入院医療ではない当院でも大事なことと思われます。

患者様の話す内容、表情、笑顔など、きちんと患者様と関係を築いていくことを大切にしていきたいと思います。