「成人のためのてんかん診療フォーラム」がweb勉強会として開催されました。

演題は、『脳炎とてんかん関連 Up to date』
神戸大学大学院医学研究科 脳神経内科学分野 教授
松本理器先生

『認知症とてんかんについて』
国際医療福祉大学成田病院てんかんセンター長
赤松直樹先生

松本先生の講演では、脳炎から起こるてんかん発作(自己免疫性てんかん)が近年注目され、これまで診断法が確立されてなかったが、病歴・症状・検査結果から2段階で診断するアルゴリズム※を作成し、事例を挙げて、診断までに至る大きな手ごたえを得、さらなる診断の確立へ意欲を示された講演でした。
≪アルゴリズム≫とは、明確な手順を組み合わせて作られているプログラムのことを言う。

赤松先生の講演では、認知症との鑑別が難しい高齢者のてんかん発作の症状として、短時間の健忘が見られる、一過性てんかん性健忘(TEA)があります。TEAでは発作性健忘だけでなく発作間欠時(発作がない時)においても特有の記憶障害が持続することがあります。これが認知症による健忘の症状との区別が難しいのです。

高齢初発てんかんと認知症を見分けるコツとして、周りの人に症状を聞く(行動や発作(健忘状態)を観察してもらう等)ことや、発作の前兆(同じ風景が思い浮かぶ等)がないかを思い出すことが重要です。

もしご家族に、認知症ではなく高齢者てんかんを疑う方がいましたら、できるだけ早い受診をお勧めします。
当法人すずかけクリニックでは、統合失調症やうつ病等の治療だけでなく、てんかん専門医によるてんかんの治療にも力を注いでいます。

何か気になる点などございましたら、当法人すずかけクリニックにご相談ください。