パリペリドンLAIの勉強会に参加しました

令和2年11月25日、12月7日、福智クリニックにてパリペリドンLAIの勉強会に参加しました。

LAIとは持続性抗精神病注射薬剤で、主に統合失調症の患者さんに使われるお薬です。お薬にはいくつかの種類があり、投与間隔は2週間に1回、4週間に1回など様々です。

LAIは経口薬と比べ、薬の飲み忘れやそれによる症状の悪化を防ぐことができることが主なメリットだと考えられます。しかし現状としては、日本でのLAIの導入率は約8%であり、他の先進国と比べ低いそうです。注射を打つこと(痛み)への不安や費用の問題もあるのかもしれません。

この度、パリペリドンのLAIの1つである「ゼプリオンTRI」が発売されました。このLAIは、投与間隔が12週間に1回(約1シーズンに1回)という特徴があります。これまでパリペリドンのLAIを使っていた患者さんであれば、4週間⇒12週間に1回となり心理的・経済的な負担を軽減できるといったメリットがあります。

しかし、他の抗精神病薬を併用できない(単剤での治療の患者様のみ)などのデメリットもあるため、実際にこのLAIが適応となる患者さんは限られてしまいます。とは言え、治療の選択肢が増えることはとても良いことだと思います。

アドヒアランス(患者さんが治療方針の決定に賛同し、その決定に従って積極的に治療を受けること)が不良となってしまうと、「リカバリーが遅くなる」「ご家族の負担が大きくなる」「発病前の状態に戻りづらくなる」「職業的・社会的な困難が生じる」などの問題が起こりやすくなってしまいます。そうならないよう、患者さん自身がどういった治療を望まれているのか、診察でお話していただければと思います。

その方の病状やライフスタイルによって、どのお薬が適しているのか、どういった剤形(錠剤・散剤・液剤・貼付剤・注射剤など)が合っているのかは異なります。また、お薬によってかかってくる費用も異なります。ご質問などございましたら、いつでも診察でご相談下さい。

病状の安定や社会復帰に向け、デイナイトケアに興味のある方がいらっしゃいましたら、見学していただくことも可能です。これについても診察にてご相談下さい。