第42回名古屋サイコソーシャルリハビリテーション研究会を開催しました

令和3年4月24日(土)、第42回名古屋サイコソーシャルリハビリテーション研究会をオンラインで開催しました。

座長:愛知医科大学医学部 精神神経科 教授 兼本 浩祐 先生

①「当院における医療・福祉制度の活用について」

第42回名古屋サイコソーシャルリハビリテーション研究会愛知医科大学病院 医療相談部 技師長 村居巌先生

科に関係なく使える制度や、入院時に使える制度、精神科に特化した制度など様々な
制度について講演して頂きました。自治体によって異なる部分もあり、とても勉強になりました。

自立支援制度や、精神障害者保健福祉手帳、障害年金などについてご不明な点がありましたら、福智クリニック受付までご相談下さい

②「多機能垂直型診療所における訪問看護の役割」

医療法人福智会 訪問看護ステーションHOPE 看護師 永田有紗
多機能垂直型診療所とは、当法人のように医療・福祉など様々な機能を持つ診療所のことを指します。

メリットとしては、いろいろな施設を持っていることにより、患者さんの希望があればすぐに紹介することが出来ること、患者さんに対しいろいろな側面から関わることが出来ることなどが挙げられます。

しかしその反面、関わるスタッフが多くなるため、連携をとりづらくなってしまう可能性もあります。今回は、訪問看護の視点から、連携がうまくいかなかった事例の紹介がありました。訪問看護に興味のある方は、診察にてご相談下さい。

座長:医療法人福智会 すずかけクリニック 院長 福智寿彦

「LAIを使わないのはナゼ?~LAI導入が進まない理由を考える~」

第42回名古屋サイコソーシャルリハビリテーション研究会愛知医科大学医学部 精神科学講座 准教授 森康浩先生

薬の種類によって異なりますが、LAI(持効性注射薬)は主に統合失調症や双極性障害の方に使用されます。薬をきちんと服用することが再発予防にとっては非常に重要です。

その点、LAIは薬の飲み忘れを防ぐことが出来るというメリットがあるのですが、諸外国に比べ日本でのLAI導入率はかなり低いそうです。

その理由の1つとして、患者さんが医師からLAIについて十分に説明を受けていないことが明らかとなっているそうです。

森先生は、行動経済学の観点から、人間は自然に現状維持バイアス(惰性)が発動され、変えた方が良いのに変えないでおこうとする癖が出てしまうため、LAIという新たな治療へ踏み出しにくい可能性があると分析されていました。バイアスを振り払うためには、意識的に別の選択をする必要があるそうです。

そのため、医療者が患者さんへLAIについてきちんと紹介するよう心がけること、LAIを使用されている患者さんと交流する機会を作ることにより、LAIがより普及していくのではないかと話されていました。LAIについて興味のある方は、診察にてご相談下さい。