ボルキオキセチン勉強会を行いました。

令和3年11月16日(火)福智クリニックにてうつ病治療薬ボルキオキセチンの勉強会を行いました。

近年、うつ病のリカバリーを目指す上で、"エモーショナルブランティング"という言葉に関心が高まっているそうです。"エモーショナルブランティング"とは感情の麻痺または平坦化・感情的な無関心・あるいは感情的な反応が低下している状態を指します。直訳するとEmotional(感情) blunting(鈍くなる)となります。

具体的には「他のことがどうでもよくなる」「楽しい気分、ポジティブな感情が出てこない」「全く感情がなくなる」といった症状があります。うつというと悲しいというイメージが強いですが、悲しい感情も感じられなくなってしまうのがうつ病の特徴となっています。

また、上記の症状は統合失調症の特徴的症状として認識されていましたが、最近ではうつ病の方にも認められるようになり、エモーショナルブランティングの向上はリカバリーを目指す上で大切な要素となっています。

ボルキオキセチンはセロトニン再取り込み阻害・セロトニン受容体調節剤に分類され、脳内の神経伝達をすることで、抑うつ症状や不安症状を和らげるお薬となっています。

また、うつ病からの回復過程で食欲など基本的な活動能力は戻っても、なかなかうつから調子が上がらない時期が長く続く方が多くみられます。そういった時期に効果を期待できるお薬のうちの1つとなっているそうです。

薬を飲むことによって抑うつ気分や不安症状などの改善がみられる場合もありますが、副作用もあるため、ご自身に合った薬を選び、服用を継続することが重要となります。何か気になることなどございましたら、診察などでご相談ください。