2019年10月29日

『ADHD勉強会』に参加しました。

令和元年10月29日、福智クリニック医局にてADHDのための治療薬グアンファシンの勉強会に参加しました。
これまで小児のみの適用でしたが、成人にも使えるようになったお薬です。
もともと30年程前に降圧剤として開発されたものであるため、血圧低下には注意が必要だそうです。

ADHDの治療薬としては、グアンファシン以外にもメチルフェニデートやアトモキセチンがあります。
それぞれ薬理作用が異なりますが、グアンファシンはメチルフェニデートやアトモキセチンと併用することも可能であるそうです。

まだ成人への適用になってから日も浅いため、具体的な症例報告はあまり聞くことができませんでしたが、患者さんが自分のライフスタイルに合った薬を選択できるよう、もっといろいろな症例について勉強していきたいと思いました。

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2019年10月25日

2019年10月24日

福智クリニックにて『ロナセンテープ』の勉強会を行いました。

令和元年10月24日(木)福智クリニックにて「ロナセンテープ」の勉強会を行いました。ロナセンテープは、これまで経口剤(錠剤)としてあった抗精神病薬ロナセンの経皮吸収型製剤(テープ製剤)です。

臨床試験の内容、発現する副作用、薬の有効性などを製薬メーカーの方に説明していただきましたが、全体としてデメリットよりもメリットの方が多い印象を受けました。

テープ製剤のメリットは、消化管吸収の影響や肝臓での代謝の影響を受けないこと・長時間一定した薬物血中濃度が得られること・薬をやめたいときにははがすことですぐに中止できること・嚥下が困難な方でも利用できることなどがあります。一方でデメリットは人によっては皮膚の炎症が起きてしまうことです。

一日一回入浴前にはがし入浴後に貼る、ということができれば薬を飲むタイミングを気にする必要がなく、統合失調症の薬としては画期的ではないでしょうか。

今回は勉強会の参加者も18人と多く、質問もたくさん出ました。日常的にプールで泳いでいるなど、テープ製剤が向かない生活習慣の方もいらっしゃると思いますが、気になる方は一度主治医の先生にご相談されてはどうかと思います。

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2019年10月19日

2019年10月17日

『ブロナンセリン貼付剤発売記念講演会』に参加しました。

令和元年10月16日、メルパルク名古屋にてブロナンセリン貼付剤発売記念講演会がありました。

一般演題は、ブロナンセリン貼付剤の治験を担当された坪井宗二先生(桶狭間病院藤田こころケアセンター)の講演でした。世界初の経皮吸収型抗精神病薬ということで、どうしたら患者さんがうまく使っていけるか試行錯誤されたそうです。貼付剤の管理や使用感などまだまだ課題はあるそうですが、貼付剤・内服薬・注射剤と患者さんの治療の選択肢が広がるのはとても良いことだと感じました。

特別講演は、岩波明先生(昭和大学医学部精神医学講座)が『発達障害と統合失調症』について講演されました。過去には「発達障害と統合失調症は併存しない」ととらえられていたようですが、現在では併存する症例も報告されているそうです。様々な視点から患者さんを診ていくことの大切さをあらためて感じ、精神科職員としても研鑚を続けていこうと思いました。

座長の尾崎紀夫先生(名古屋大学大学院医学系研究科)、大日本住友製薬株式会社様、ありがとうございました。

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2019年10月 9日

『慢性便秘症治療薬』の勉強会に参加しました。

令和元年10月3日福智クリニックにて『慢性便秘症治療薬』の勉強会がありました。

ポリエチレングリコール製剤は慢性便秘症に適応を持ち、水に溶かして飲むことで水分を腸まで届けて便をやわらかくし、腸の動きを活発にする治療薬です。

"慢性便秘"は身体面のみならず精神面でもQOLを障害し、患者の全体的な健康感に大きく影響してしまいます。

また便秘症の有病率は加齢とともに増加することが分かっており、高齢化社会が進む現代社会で見過ごすことのできない健康問題のひとつであると感じました。

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2019年10月 8日

『うつと疼痛のコントロール』の勉強会に参加しました。

令和元年10月1日、福智クリニックにて藤田医科大学医学部精神神経科学講座教授岩田仲生先生の講演動画による勉強会がありました。冒頭、仕事の生産性について考える際に重要な概念である「アブセンティズム」と「プレゼンティズム」について説明がありました。

  • アブセンティズム:欠勤や休職、遅刻早退など、職場にいることができず業務に就けない状態。
  • プレゼンティズム:出勤しているにも関わらず、心身の健康上の問題により、パフォーマンスが低下している状態。

 また、デュロキセチン塩酸塩は、役割の異なるそれぞれの神経で効果を発揮することができ、複数の疾患に対して効果を示すことができるそうです。そのため、「うつ病・うつ状態」のみならず、痛みに対しても効果が高いというお話がありました。

最後に北村院長より、「痛みは他の人にはわかりづらいもの。うつ状態になると小さな痛みも大きく感じてしまうことがあり、どちらも診ていかなければならない。」というコメントがあり、精神症状だけでなく、身体的不調にも寄り添う大切さをあらためて感じました。

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