2021年3月19日

双極性障害におけるアリピプラゾールLAI(持続性注射剤)の有用性について勉強会を行いました

令和3年3月18日福智クリニック医局にて、双極性障害におけるアリピプラゾールLAI(持続性注射剤)の有用性について勉強会が行われました。

双極性障害は気分が高まったり落ち込んだり、躁状態とうつ状態を繰り返す脳の病気を指します。およそ100人に1人がかかる病気と言われており、若い人から高齢者まで幅広い年代でかかる病気として知られています。

治療目標として順天堂大学の加藤忠史先生によると

①再発を防ぎ、普通の社会生活を送れるようにすること
②躁状態を早期にコントロールし、社会生活への影響を最小限にとどめること
③うつ状態での自殺を予防し、苦痛を減らすこと

が大切だそうです。

双極性障害の治療では気分安定薬、非定型抗精神病薬が主に使用されます。アリピプラゾールLAIは非定型抗精神病薬に分類され、持続性注射剤という剤形になります。

4週間に1回の間隔で、お尻か肩の筋肉に投与するため、薬の投与が確実であり、飲み忘れや病状の再発防止、薬を服薬する負担が減るなどのメリットがあります。

双極性障害の方を対象にした調査でLAI投与した場合、再入院や再発率が有意に減少したという報告もあり、LAIは有効な治療方法として考えられます。

しかし注射剤のため痛みを伴う、効果を発揮するまでに時間がかかるなどのデメリットもあるため、自身にとってより効果を得られるような治療方法を選択していくことがとても大切になります。

何か気になる点などございましたら、気軽にご相談ください。

2021年3月 4日

ブロナンセリン貼付剤勉強会に参加しました。

令和3年3月2日、福智クリニック医局にてブロナンセリン貼付剤の勉強会を行いました。

これは、経口薬(口から飲むお薬)ではなく、体にテープ貼り付けるタイプのお薬で、ブロナンセリン貼付剤は世界発の経皮吸収型抗精神病薬とのことです。

経口薬との大きな違いは、消化器や肝臓で代謝(初回通過効果)しないため、バイオアベイラビリティ(服用した薬物が、全身循環に到達する割合)を高めることが出来るそうです。また、1日1回の貼付で、安定した薬物血中濃度を維持できるそうです。

その他、このお薬は幻覚・妄想に関与するドパミンD2に対する効果が高く、初めてこのお薬を使う時から最大量使用できるという特徴もあります。

経口での服薬をストレスに感じる方など、興味のある方は診察でご相談下さい。