2021年11月19日

ボルキオキセチン勉強会を行いました。

令和3年11月16日(火)福智クリニックにてうつ病治療薬ボルキオキセチンの勉強会を行いました。

近年、うつ病のリカバリーを目指す上で、"エモーショナルブランティング"という言葉に関心が高まっているそうです。"エモーショナルブランティング"とは感情の麻痺または平坦化・感情的な無関心・あるいは感情的な反応が低下している状態を指します。直訳するとEmotional(感情) blunting(鈍くなる)となります。

具体的には「他のことがどうでもよくなる」「楽しい気分、ポジティブな感情が出てこない」「全く感情がなくなる」といった症状があります。うつというと悲しいというイメージが強いですが、悲しい感情も感じられなくなってしまうのがうつ病の特徴となっています。

また、上記の症状は統合失調症の特徴的症状として認識されていましたが、最近ではうつ病の方にも認められるようになり、エモーショナルブランティングの向上はリカバリーを目指す上で大切な要素となっています。

ボルキオキセチンはセロトニン再取り込み阻害・セロトニン受容体調節剤に分類され、脳内の神経伝達をすることで、抑うつ症状や不安症状を和らげるお薬となっています。

また、うつ病からの回復過程で食欲など基本的な活動能力は戻っても、なかなかうつから調子が上がらない時期が長く続く方が多くみられます。そういった時期に効果を期待できるお薬のうちの1つとなっているそうです。

薬を飲むことによって抑うつ気分や不安症状などの改善がみられる場合もありますが、副作用もあるため、ご自身に合った薬を選び、服用を継続することが重要となります。何か気になることなどございましたら、診察などでご相談ください。

2021年11月12日

ブレクスピプラゾール勉強会を行いました。

令和3年11月11日、福智クリニックにてブレクスピプラゾールの勉強会をしました。

ブレクスピプラゾールは統合失調症の治療薬で、これまでも1㎎と2㎎の錠剤がありましたが、今月中を目処に口腔内崩壊錠(OD錠)が発売されるそうです。

このOD錠はやや固めで通常の錠剤と同じような見た目や包装をしていますが、口に含んで約15秒で溶けるそうです。崩壊の様子の動画も見せていただきました。どのような味がするのか質問したところ、少し甘味があるとのことでした。

水なしで飲んでも水有りで飲んでも効果に大きな違いは無いそうで、他のお薬と一包化することも可能とのことです。現在ブレクスピプラゾールを服用している患者様で、OD錠に変更したいという方は診察の際に先生に相談していただければと思います。

また、新しく出る剤形の勉強会とともにこれまでのブレクスピプラゾールの使用効果をまとめたものも一緒にお話ししていただきました。統合失調症の中核症状は幻覚・妄想ですが、診療所に通院する統合失調症の方では不安・抑うつを訴えることが多いそうです。

ブレクスピプラゾールを使うことで不安・抑うつの改善効果が出ているということで、診療所に通院する患者様に使用しやすいお薬ではないかという使用経験のある先生のコメントもあったということですので、当院の患者様のお薬の選択肢としても有効かと思います。

現在のお薬で不具合がある、変更を考えたいという方は診察に際に話してみてください。