2022年3月30日

スボレキサント勉強会を行いました。

令和4年3月14日(月)福智クリニックにてWEB勉強会を行いました。

順天堂大学大学院医学研究科 精神・行動科学 先任准教授 臼井千恵先生による不眠症をテーマとした講演でした。

うつ病と不眠症は密接に関連しており、海外で行われた調査ではうつ病患者の84.7%に不眠症状がみられ、うつ病が寛解しても睡眠障害があると再発率が高くなることが報告されています。

その不眠症状には入眠困難(なかなか寝付けない)・早朝覚醒(朝早く目が覚める)・中途覚醒(夜中によく目が覚める)といったタイプがあります。

不眠症の治療にはまず日常生活を見直し、生活習慣を改善することが重要となります。

就寝前のカフェイン・アルコール・喫煙・激しい運動を控える、寝る前にスマホなど明るい光を見ないなど不眠の原因となる生活習慣を見直すことが最優先です。

また必要な睡眠時間は人によって異なるため、日中の眠気で困らない程度の自然な睡眠をとること、それでも眠れない場合などは専門家に相談することが大切とのことでした。

今回取り上げられた不眠症治療薬"スボレキサント"は睡眠維持効果に優れたお薬と知られ、日本で発売してから約7年になるそうです。

スボレキサント以外にも不眠症に関する治療薬はいくつかありますので、薬や不眠症状のことなどで何か気になる点などございましたら、診察で気軽に医師にご相談ください。

2022年3月16日

「医療安全対策講習会」に参加しました。

令和4年3月8日(火)、医療スタッフを対象としたWEBによる医療安全対策講習会に参加しました。

  • 演題:「コロナ禍における感染症対策について」
  • 講師:弘前大学特任教授 鹿児島大学名誉教授 秋葉 澄伯先生

秋葉先生の講演では新型コロナウイルスに関する情報や感染対策が主な話題として取り上げられていました。

新型コロナウイルスは、ウイルスを含む飛沫、又はエアロゾルと呼ばれる更に小さな水分を含んだ状態の粒子を吸入することによるエアロゾル感染で広がることが分かっています。人は無意識に1時間当たり約23回顔を触っているというデータもあり、ウイルスを含む飛沫が目や鼻、口に直接接触することで感染します。

新型コロナウイルスに感染しても自覚症状がない方もいますが、症状の有無に関わらずウイルス量に差はないそうです。また、部屋の換気については1時間に2回以上を推奨しており、湿度を40%~60%で維持すると良いそうです。

空気が乾燥するとウイルスが存在しやすくなり、私たちの体の免疫システムも低下するため、感染リスクも高くなります。

新型コロナウイルスは生存時間が長く、インフルエンザウイルスが約1.8時間なのに対して、新型コロナウイルスは皮膚上で約9時間も存在するそうです。対策としては、80%濃度のエタノールによる15秒の消毒が有効とのことでした。

また、ワクチンの抗体価について、自然感染した場合よりもワクチンを接種した方が抗体価は高くなるそうですが、下がり方も速いため、接種後半年が経過すると差はほとんどなくなるそうです。

現在、愛知県でもまん延防止等重点措置が実施されており、新型コロナウイルスに感染するリスクは非常に高いものとなっています。

当院は外来だけでなく、精神科デイケアも併設しているため、換気や検温器の設置、待合の座席の距離の確保、定期的な消毒作業などの対策を行っていますが、今回の講習会で学んだことを再確認し、今後も出来る限りの感染対策を徹底していきたいと思います。

2022年3月 2日

便秘薬 ルビプロストンカプセルの勉強会に参加しました。

便秘薬 ルビプロストンカプセルの勉強会に参加しました。令和4年3月1日、福智クリニック医局にて、便秘症の治療薬であるルピプロストンカプセルの勉強会を行いました。

便秘になったことがある方はたくさんいらっしゃると思いますが、今回の勉強会では、①うつ病などの精神疾患や糖尿病などの持病をお持ちの方②60歳以上の方が便秘を起こしやすいというデータが紹介されました。

また、持病の治療薬によって便秘を起こしてしまうこともあります(薬剤性の便秘)。便秘の状態が続くとQOL(生活の質)が下がってしまい、便秘の重症度が気分の落ち込みにも影響するという研究結果があるそうです。

便秘薬には、毎日内服するものや、刺激性の下剤など様々なタイプのものがあります。

刺激性の下剤の場合、頻回に使用し続けていると徐々に体が薬に慣れてしまい(耐性)、薬を使っても効果が出にくくなる場合もあるようです。

それに比べ、ルビプロストンカプセルは小腸の水分量を増やし、自然な排便を促すという特徴があります。

便秘の重症度やライフスタイルなどによって、適している薬は異なります。当院通院中の方で便秘にお困りの方がいらっしゃいましたら、一度診察でご相談いただければと思います。